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| 成長著しいジェッツの司令塔、チャド・ペニントン |
過去20年間にドラフト1巡指名を受けNFL入りしたQBの中で、プロ入り後最初の2年間に1試合も先発出場しなかったのは、ただ一人。ニューヨーク・ジェッツのQBチャド・ペニントンだけだ。しかし、だからと言ってペニントンが他の『ドラ1』QBたちより劣っていたわけではない。むしろ先発デビューが遅かったことが、昨季のペニントンの活躍につながったとも言えるのだ。
大学通算パス獲得距離1万4098ヤード、123TD。マーシャル大学史上に燦然と輝く金字塔だ。大学2年時の97年にはWRランディ・モス(現ミネソタ・ヴァイキングス)とのホットラインでNCAA新記録の24個のTDパスを成功させ、敵ディフェンスを恐怖のどん底に陥れた。モス卒業後もそのパフォーマンスは落ちることなく、4年時の99年にはパスで4000ヤードを突破し、チームを13勝0敗の全勝シーズンに導いた。
その実績を引っさげ、2000年のドラフト1巡(全体の18番目)でジェッツに入団。しかしエースQBヴィニー・テスタヴァーディの陰でプロ入り後2年間は3試合に途中出場したのみで終えた。
ようやく出番が回ってきたのが2002年10月6日。ジェッツは1勝3敗と開幕ダッシュに失敗し、巻き返しを図るべく、ヘッドコーチのハーマン・エドワーズはペニントンを戦線投入したのだ。
その後の活躍ぶりは周知の通り。ペニントンはリーグ1位のパス成績(レイティング104.2)を残し、先発昇格後のチーム成績は8勝4敗。シーズン終盤の大逆転で見事AFC東地区のタイトルを奪取したのだ。
「NFLに入るためには身体能力が必要だ。でもNFLで成功できるかどうかは、精神面にかかっている」と語るペニントン。テスタヴァーディの控えとして、サイドラインから学んだ2年間が、精神面での成長につながった、というのだ。「我々は正しい選択をした。そう信じている」とエドワーズヘッドコーチは胸を張る。
若さに似合わぬリーダーシップもペニントンの魅力の一つだ。TEアンソニー・ベックトは語る。「奴はハドルにポジティブな雰囲気を持ち込む。奴のおかげで他の連中が元気づけられているというのが目に見えるんだ」。
スターター1年目の昨季はレギュラーシーズン、そしてプレイオフでAFCの強豪オークランド・レイダースに連敗し、スーパーボウル出場は阻まれた。特にプレイオフでの対戦では、ペニントンのパス成功率は50%にも満たず、獲得距離はわずか183ヤード。2インターセプトを喫し、まったくオフェンスを機能させられなかった。
それでも指揮官エドワーズは「今後、ペニントンはプレイオフの舞台で、負けるよりもずっと多くの試合を勝つことになる。その頃私がこのチームのコーチではないかもしれないがね。賭けてもいい。記事にしてくれ。署名してやる」と若きQBを擁護した。「可哀想なものだ。ちょっとばかり(レギュラーシーズンで)勝って、ジョー・モンタナの再来だ、ジョー・ネイマスの再来だともてはやされた。しかし彼はネイマスでもモンタナでもない。彼はチャド・ペニントンだ。そして、チャド・ペニントンとして成功を収めるんだ」。
指揮官からの全幅の信頼を背に、ペニントンは初めてスターターとしてシーズン開幕を迎える。昨季の雪辱を果たすことを胸に誓って。 |