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スタープレイヤー紹介
ニューヨーク・ジェッツ
LB モー・ルイス
[文=アメリカンフットボール・マガジン

 ハーマン・エドワーズ現ヘッドコーチが2001年に着任以来、2年連続でプレイオフ進出を果たしているニューヨーク・ジェッツ。今季もAFC東部地区のタイトルを狙える位置にある。若い選手たちにとっては当然に思える今の地位も、ベテランLBモー・ルイスにとってはまた違った感慨をもたらすもののようだ。
 「俺ほど長く現役を続けている奴も多くないが、チャンスが毎年来ると思ったら大間違いなんだ」。
 1991年のドラフト3巡でジェッツに指名を受け、プロ入りしたルイス。いきなりルーキー年の初戦から先発のポジションに抜擢され、各メディアが発表する新人オールスター選出を受けるほどの活躍を見せる。その年のジェッツは8勝8敗の勝率五分ながら、プレイオフに進出。プレイオフ1回戦のヒューストン・オイラーズ(現テネシー・タイタンズ)戦には敗れたものの、ルイス個人は2サックをあげるパフォーマンスで一人気を吐いた。まさに順風満帆に見えたルイスのジェッツでのプロ生活の船出だった。
 しかし、その後のジェッツの90年代は、まさにどん底の表現がぴったりの惨状だった。翌92年から96年までの5シーズンは、93年の8勝8敗を除き、すべて負け越し。92年は4勝12敗、95年は3勝13敗、96年に至っては、シーズン通してわずか1勝しかできなかったのだ。プロ1年目でのプレイオフ・デビューで「チャンスが毎年来る」と思い込んでしまっていたルイスにとって、予想だにしない低迷だった。
 だからこそ、ルイスにとっては、毎シーズンが勝負のシーズンなのだ。昨シーズン、ルイスは第3週のマイアミ・ドルフィンズ戦で痛めた臀部のケガにシーズン通して悩まされた。チームも開幕から1勝4敗とスタートダッシュに失敗した。チームにとってもルイス個人にとっても、10月の時点で2002年シーズンはジ・エンドかと思われた。
 ルイス自身も、痛めた箇所の手術に踏み切ってその後のシーズンを棒に振る可能性も考えた、と語っている。「(手術することは)何度も考えた。でも、物事がうまくいかないからと言って、逃げるようなことはしたくなかった」。
 そして、ルイスとジェッツは、あきらめることなく戦いを続けた。「俺はお前ら記者たちの言ってることが間違いだと証明したいと思った。お前らは、今年のジェッツはもう終わりだと言い、俺たちがいかにまとまりを欠いていて、フィールド上で無様な姿をさらしていたかを書き立てた。でも、俺たちの力はそんなものじゃない。新戦力もいた。俺たちはただ、最後まで頑張るしかなかったんだ」と語る、ルイスの言葉通りに。
 ルイスの不屈の闘志に導かれるように、ジェッツは大逆転で地区優勝のタイトルを手にした。しかし、またもスーパーボウルの舞台には手が届かなかった。
 今季プロ13年目、33歳を迎えたルイスにとって、スーパーボウル出場の夢を果たすチャンスは限られている。チームは今年のドラフト2巡でミシガン大学からLBヴィクター・ホブソンを獲得、ルイス引退後の後継者に据える意向を見せている。それでも、昨シーズンもそうだったように、決してあきらめることはない。「時間との勝負だ、というのは俺自身、よくわかっている。俺はただ、もう辞めろ、と言われるときまで、プレイし続けるだけだ」。
 昨季苦しんだケガは、今オフに受けた手術で完治しそうだ。かつてのプレイのキレを取り戻そうと減量にも取り組んだ。ジェッツ低迷の時期を経験したルイスは、チャンスが2度と巡ってこない可能性があることも、十分に理解している。だからこそ、夢の実現のため、やるべきことはすべてやる。それがルイスのスタンスなのだ。
 「夢を成し遂げられないまま選手生活を終える人は多い。フットボールはチームスポーツだし、自分一人ではどうにもならないことだってある。94年、95年、96年、その頃は誰も俺にプレイオフのことなんて聞いたりしなかっただろう。ここまで来るのに、俺たちは長い道を乗り越えてきたってことさ。俺の思い通りに夢が叶わなくても、それはそれでしょうがない。だけど、あのときこうすべきだった、あのときこうできたのに、あのときもしこうなっていたら、なんてことは絶対口にしない」。
 後悔のないフットボール人生、ジェッツ人生とするために、ルイスは今年も戦い続ける。


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