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タンパベイ・バッカニアーズ
DT ウォーレン・サップ
[文=アメリカンフットボール・マガジン

バッカニアーズの象徴でもあるDTウォーレン・サップ
 昨年、タンパベイ・バッカニアーズのスーパーボウル制覇を支えた最大の要因が、リーグ1位の鉄壁を誇ったディフェンス陣であるのは衆目の一致するところである。それではこの強力守備陣を作り上げた功労者は誰だろう。トニー・ダンジー前ヘッドコーチ、モンテ・キフィン守備コーディネイターのいった指導者とともに決してはずしていけない選手がいる。それはウォーレン・サップだ。守備ラインの中央に位置し、相手オフェンスにプレッシャーをかけ続ける彼の存在なくして、バッカニアーズの守備陣は存在しないといっても過言ではない。
 マイアミ州アポプカ出身のサップは高校時代から俊敏さをあわせ持った巨体選手として活躍。フットボールでTEとしてフロリダ州代表選手になるとともに陸上、バスケットボールをこなしていた。そして大学は地元の名門であるマイアミ大に進学、そこでTEからDTにコンバートされると、秘められた才能が開花する。95年、大学3年時にはAP通信を初めとした各社のオールアメリカン一軍に選ばれるとともに大学界で最も優れた守備ライン、LBに贈られるロンバルディ賞も受賞したのだ。このように大学界トップの守備ラインマンの評価を得たサップはこの年、大学最終年を待たずにプロ入りを表明する。この時点で彼は少なくともドラフト上位5位までには指名される存在と言われていた。しかし、ドラフト直前にコカイン使用に関するスキャンダルが発覚。実際に彼が指名されたのは全体12番目、バッカニアーズの指名順だった。
 サップがドラフトされた頃、バッカニアーズは前年まで12年連続でシーズン10敗以上を喫したリーグの「お荷物チーム」。現在のベンガルズ以上に負け続けていた。フロリダにいながら少年時代はカウボーイズファンだったサップ。地元のバッカニアーズファンである兄たちに対し、「俺にはロジャー・ストーバックやトニー・ドーセットがいる。君たちには誰がいるんだい?」と皮肉を言っていた、そのチームにまさかドラフトされると思っていなかっただろう。
 そしてサップが加入した1年目もチームは7勝9敗、サップ自身もヘッドコーチのワイチとソリが合わず、最初の8試合は先発から外されるという散々なものであった。たが翌年、トニー・ダンジーがヘッドコーチに就任するとチームは変わり、そしてサップもその才能をNFLで発揮することとなる。96年、チームは6勝10敗と精彩を欠いたがサップ自身は14試合に先発出場し9サックをあげる活躍を見せた。そして迎えた97年、チームは10勝をあげ15年ぶりのプレイオフ進出を果たすとともに、サップもシーズン10.5サックをあげ、初のプロボウル選出を受けた。この年以降チームはプレイオフの常連となり、またサップも97年から昨年まで6年連続でプロボウルに選出。99年にはリーグ守備最優秀守備選手に選ばれるなど、リーグを代表するDTの座を不動のものとした。
 そして迎えた昨年、チームは課題であったオフェンス力向上のため、「攻撃の天才」ジョン・グルーデンを招聘。サップ率いるリーグ1位のディフェンスに、安定した攻撃力が加わったチームはついにスーパーボウル制覇を果たした。言うまでもなくチームすべての関係者がこの制覇を喜んだ。だがその中でもサップ、ブルックス、リンチといった、弱小時代のオレンジのユニフォームを着ていた主力メンバーの3人にとっては、彼らしか知り得ない喜びがあったろう。それはスーパーボウル前の記者会見で「俺たちは長い間、リーグの笑いものだった。そんな弱小チームを毎年、地道に強化してようやくこの舞台にたどり着いた。スーパーボウルでプレイできる喜びを、かつてオレンジのユニフォームを着ていたすべての人と分かち合いたい」とのコメントからもうかがい知ることができる。サップのNFLプレイヤーとしての歴史、それはバッカニアーズがどん底からスーパーボウル制覇の栄冠をつかむまでのサクセス・ストーリーそのものだったと言えるだろう。
 リーグ最弱のチームのディフェンスをダンジーが変え、オフェンスをグルーデンが変えた。しかし、彼らよりも長くチームを支え続けたサップのリーダーシップなくして、バッカニアーズが頂点を極めることはなかっただろう。


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