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ただでさえ珍しい一卵性双生児。その双子がともにプロスポーツの頂点でプレイしているとなれば、さらに希有なことだ。その貴重な例が、NFLで活躍を続けるバーバー兄弟である。
ティキ・バーバー、ニューヨーク・ジャイアンツのエースRB。昨シーズンは自身2度目となるラン1000ヤード突破を果たしたばかりか、自己最高の1387ヤード、11TDを獲得。過去6年のプロ生活で、1シーズン平均約60レシーブを記録するなどパス攻撃でも活躍し、文字通りジャイアンツのオフェンスを背負って立つ存在となっている。
タンパベイ・バッカニアーズのスターCB、ロンデ・バーバーはティキより7分早く生まれたお兄さんだ。一昨年の2001年シーズンにはリーグトップの10インターセプトを記録し、プロボウルにも選出されている。
ティキに負けず劣らずの活躍ぶりを見せてきたロンデだったが、脚光は常にティキの方が集めていた。ポジションがディフェンスであること、そしてティキが大都会ニューヨークのチームに所属しているのに対し、ロンデはタンパ、セントピーターズバーグ両都市合わせても人口55万人程度のタンパベイ・エリアでプレイしていることもその一因だった。
ヴァージニア州ローアノークで生まれ育ったバーバー兄弟。幼い頃にプレイしていたポジションはともにRBだった。しかしハイスクール時代、コーチがロンデをCBにコンバートした。「ティキの方が走るのがうまかった。だから彼はRBのポジションに残ったんだ」。
スポットライトの当たるフランチャイズで、スポットライトの当たるポジションをプレイしているティキには、テレビやCMの話も飛び込んでくる。『VISAチェックカード』のCMではロンデも加わり、兄弟2人で共演したものの、それも「別にロンデ・バーバーにCMの話が来たわけじゃないしね。ティキ・バーバーの兄だから、だよ。彼はニューヨーク・ジャイアンツの看板選手だから」と、ロンデは語る。
そんなロンデが、昨シーズンはスターダムに立った。フィラデルフィア・イーグルスと対戦した1月19日のNFC決勝。バッカニアーズがチーム創設以来、79年度と99年度の2度出場していずれも敗れ、スーパーボウル出場の道を閉ざされている因縁の舞台である。
戦前の予想はイーグルス有利。その通り、イーグルスに試合開始1分弱で先制のTDを許したバッカニアーズだったが、その後、自慢の鉄壁ディフェンスがイーグルスのオフェンスを完全に抑え込んだ。試合終盤、大逆転を目指すイーグルスQBドノヴァン・マクナブが放ったパスは、プレイを的確に読んだロンデの胸に。そのままロンデは敵エンドゾーンに走り込み、イーグルスに引導を渡すダメ押しのTDをマークした。
「これこそまさにロンデ・バーバーのプレイ。NFC決勝という大舞台で、うちのチームは攻められていた。ビッグプレイが欲しかった場面だ。ロンデ・バーバーは、そういうビッグプレイをやってくれる選手なんだ。そのことはチームの皆がわかっているし、誰もが彼がビッグプレイを決めてくれることを期待しているんだ」とバッカニアーズの守備バックコーチ、マイク・トムリンは語った。
こうしてロンデとバッカニアーズは今年1月の第37回スーパーボウルに出場を果たした。ちょうど2年前、奇しくもタンパで開催された第35回スーパーボウルで、ティキが踏みしめた舞台。そこへ今度はロンデが弟を招き、彼も成し遂げられなかったリーグ優勝の栄光に輝く姿を見せたのだ。
そんなロンデに、ティキも賛辞を惜しまなかった。「たぶん彼が思っている以上に、僕はロンデのことを尊敬しているんだ。自分の友達が活躍するってのは嬉しいもんだけど、自分の兄弟がこれほどの栄光を手にするってのは、もっと特別なことだね」。双子の弟に負けない脚光を浴びつつ、ロンデ・バーバーはNFLトップのCBの一人へと飛躍を遂げたのだ。 |