NFLチームが来日し、プレシーズンゲームを行うアメリカンボウル・シリーズ。来日するチームの関係者にとって、帯同選手のケガほど頭を悩ます問題もない。これまで、アメリカンボウル・シリーズは東京ドームで過去10回、大阪ドームで昨年の『NFL
OSAKA 2002』の1回が開催されてきているが、いずれも屋内ドーム球場での開催だ。当然、フィールドの材質は人工芝。特に膝の部分にかかる負担には心配が絶えない。過去にも、アメリカンボウルで膝の靱帯を切る大ケガを負ってしまい、そのシーズンを棒に振る選手もいたくらいだ。何とかケガなく、すばらしいプレイを日本のファンに見せて、アメリカに帰ってもらいたい、それはファンのみんなも持っている共通の願いだろうね。
近年、NFLでもこうした理由から人工芝離れが進んでいる。新スタジアムの建設ラッシュもあって、「アストロターフ」のブランド名で知られている従来の人工芝を使用する球場は、2003年にはわずか6球場にまで減ってしまった。
ただ、ドーム球場はもちろんだけど、屋外球場であっても、寒い気候の土地で天然芝スタジアムを運営することは、実はとても難しいことなんだ。今回来日するニューヨーク・ジェッツがニューヨーク・ジャイアンツと共用しているジャイアンツ・スタジアムはもともと人工芝スタジアム。でも3年前に、「トレイシステム」という画期的な方法で、トレイにのせた天然芝をフィールドに敷き詰めたんだ。
だけど、結果はうまくいかなかった。芝の根付きが悪くて、フィールド表面のコンディションはいつも最悪。選手も試合中、スリップを繰り返して、プレイのクオリティも落ちてしまった。結局昨シーズン限りで、ジャイアンツ・スタジアムから天然芝は取り払われてしまったんだ。
で、新しいフィールドの材質をどうするか。これで従来の「アストロターフ」に戻ったんじゃ芸がないってんで、導入されたのが、「フィールドターフ」と呼ばれる新型の人工芝だ。芝の材質に改良が加えられたとともに、その地盤の部分にもラバーチップと砂を敷き詰め、天然芝に限りなく近づいた人工芝、として話題の材質だ。
大学フットボール界で人気を集めていたこの「フィールドターフ」。昨年オープンしたシアトル・シーホークスのシーホークス・スタジアムとデトロイト・ライオンズのフォード・フィールドにも採用されて、NFLでも注目を集め始めている。今年から、アトランタ・ファルコンズのジョージア・ドーム、そしてジャイアンツ・スタジアムにも採用されて、フィールドターフ球場はNFLで計4スタジアムとなった。シーズン終了後のオールスター戦「プロボウル」が開催されるハワイのアロハ・スタジアムにも採用が決定している。
そのフィールドターフ、ご存じの人も多いだろうが、実は今回『NFL TOKYO 2003』が開催される東京ドームにも、2002年から採用されているんだ。チームの練習場にはすでにフィールドターフを採用しているジェッツだけど、本拠地ジャイアンツ・スタジアムでの試合に先駆けて、『NFL
TOKYO 2003』は新フィールド素材を体感する貴重な機会になる、というわけだね。 |