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HOT OFF THE GRIDIRON #104
「バッカニアーズからマジックが消えてゆきました。」

今シーズンはプレーオフ出場も厳しい状況となってきたバッカニアーズを率いるジョン・グルーデン
今シーズン始め、スーパーボウルチャンピオンのタンパベイ・バッカニアーズは、一番ではないとしても、NFLのトップチームの内の一つでした。バックスはNFLの最強のディフェンス、バランスの取れたオフェンス、そして勝利を追求している若い熱血漢の監督ジョン・グルーデンを擁し、再び勝つかに見えました。3ケ月経った今、バックスはプレイオフ競争から既に消え、目標を失い、内部の争いも起こっており、マジックはタンパベイ・バッカニアーズから消え去りました。

NFLで過去4シーズンプレイオフ連続出場した唯一のチーム、バックス(5勝7敗)は、残す所あと4ゲームとなり、NFC南地区で1位のカロライナ・パンサーズに3ゲーム差で、最後のワイルドカードスポットの、ダラス・カウボーイズとシアトル・シーホークスに3ゲーム差となっています。

今シーズン始めによいスタートを切った彼らに何が起こったのでしょう?DTウォーレン・サップはシーズン開始前、バックスが連覇をするには、良い健康状態と幸運が必要だと言いました。バックスは良い健康状態でも幸運でもなく、しかも大変多くの問題に悩まされ続けたのです。タンパベイは、あたかもよいシーズンを送るかに見えました。しかし既に今シーズン、第4クォーターまでリードしていた試合を6つも失いました。ジョン・グルーデンのタンパベイ・バッカニアーズはスーパーボウル覇者に返り咲く代わりに、次のシーズン、プレイオフにさえ出場できなかった、珍しいチームになろうとしています。

タンパベイのディフェンスは、ランに対して非常に悪い出来でした。昨年彼らは3.8ヤード/キャリーでしたが、今シーズンは4.1ヤード/キャリーで、NFLで昨シーズン3位であったのに対して、今シーズンは13位です。0.3ヤードは大した違いではないように思えますが、しかし間違えやすいことは、バックスに対してボールを進めたいと思っているチームにとって、大事な場面で、そうすることができるという意味なのです。LBシェルトン・クォールズ、SSジョン・リンチ、CBブライアン・ケリー、控えセーフティのジャーマイン・フィリップスらは皆、怪我で試合を欠場し、ディフェンスの痛手となりました。また、フリーエージェントのSLBアル・シンゲルトンとスーパーボウルでMVPを獲得した、フリーセイフティのデクスター・ジャクソンを失ったことも、生産性を欠くこととなりました。タンパベイのディフェンスの効力が薄れたもうひとつの要因は、彼らのディフェンスフォーメーションがNFLのオフェンスコーディネイター同様ディフェンスコーディネイターにも深く研究され、真似されたことです。バックスカバレッジは今となっては、チームにも敵にもより馴染みの有るものとなり、彼らの有名な「タンパ2」や「カバー2」ディフェンスの攻略法が知られているのです。

オフェンスでは、シーズン終盤に首の怪我をしたチームリーダー、RBマイク・オルストットの欠場が大きな痛手でした。ジョング・ルーデンのタンパベイは、この2シーズンで8回のランによるタッチダウンを決めましたが、その内の7回は、オルストットが決めていました。オルストットの代わりのFBジャミール・クックとダリアン・バーンズは、多才なオルストットには似て非なるもので、結果、チームは生産性に苦しむこととなりました。キッカーのマーティン・グラマティカは、フィールドゴールで既に昨シーズンより多くのミスをしています。WRジョー・ジュレビシャスもまた膝の怪我で欠場しています。

QBブラッド・ジョンソンとRBマイケル・ピットマンは概に良いシーズンを送っていますが、オフェンス全体としては、昨シーズンより多くのビッグプレイを決めていません。原因の一つはオフェンスラインです。昨シーズン、バックスのオフェンスは、ディフェンスのブリッツに対してビッグプレイを決めて来ました。今年はラインの怪我もあり、相手のディフェンスはブリッツをする必要がなくなり、ジョンソンに対して4人ラッシュをしかけ、時には3人ラッシュでもサックすることができたのです。

公にはバックスのトラブルは、グルーデンとスターWRキーション・ジョンソンの間の人間関係だということが明らかになっています。ジョンソンはもっとボールを持ちたかったのですが、グルーデンのオフェンスでは充分に生かされなかったと感じていました。キーション・ジョンソンはわがままです。フィールド上で敵に対峙することでフラストレーションを晴らす代わりに、8回プロボウル出場をしたレシーバーは、グルーデンに対し不平を述べ、論争し、シーズン終了後にトレードされたいと言いました。ジョンソンはN.Y.ジェッツに居たときも、もっとボールが欲しいが為にコーチ達ともめ、ミーティングに遅れてくるようになり、そして遂にはチームミーティングに出なくなりました。ジョンソンとグルーデンのエゴは激しくぶつかり合い、遂にグルーデンはレギュラーシーズン6試合を残した時点で不満一杯のスターを出場させない先例のない行動に出ました。ジョンソンはその様にグルーデンの気晴らしとなり、グルーデンは彼をチームから遠ざけ、休暇を与え、追い払いました。

ヘッドコーチにとって、自分より高給取りの選手、これから上回りそうな選手、時には自分よりかなり高給取りの選手を指導することは、簡単なことではありません。現在全米第3位にランキングされているLSU(ルイジアナ州立大学)のヘッドコーチ、ニック・セイバンはかつて私にこう話してくれたことがあります。彼がクリーブランド・ブラウンズの守備コーディネイターだったとき、WRジェリー・ライスをカバーするのに苦労していたDBとの間の話です。セイバンは選手にライスをカバーする為にしかるべきポジションをとる方法を話し、DBに「競争」し、ライスがプレイを決めないようにするよう駆り立てました。するとそのDBはセイバンに、「コーチ、あなたは私がジェリー・ライスをカバーするのを期待することはできませんよ。彼は私の3倍の給料を貰っているのだから。もしカバーしろと言うなら、私に3倍の給料を下さい。」とどなりつけるように言いました。NFLはビジネスです。コーチと選手との間の諍いも予想されることですが、フットボールは根本的に「チームスポーツ」ですから、個人の選手がチームを傷つけた時は、コーチは対処しなければなりません。グルーデンはキーション・ジョンソンに、どうして欲しいかを悟らせようと努力したことは確信できます。しかしジョンソンが反抗し、チームを混乱させるようになった時、グルーデンは対処しなければなりませんでした。グルーデンはチームのコントロールを維持する為に、正しいことをしましたが、結果バックスは今弱いオフェンスのチームになってしまったのです。キーション・ジョンソンをトレードに出した後も何年か、彼はジョン・グルーデンを悩ませることになるでしょう。なぜなら、バックスはジョンソンを獲得する為に、2つのドラフト一位指名権を手放し、彼に1,300万ドルの契約金を払いましたので、それがタンパベイのサラリーキャップを今後2シーズンは痛めつけることになります。

ジョンソンはシーズン終わりにトレードされるでしょう。そしてジョン・グルーデンは来年才気溢れた大学のレシーバー達をドラフトするか、フリーエージェントを獲得するでしょう。今年は、今タンパベイのチームの頭上にブザーが鳴り響き、お葬式用の花が用意され始めています。今でもグルーデンは返り咲こうと思っています。彼は選手達にお互い鼓舞し合い、楽観的に考え、自信を持ってプレイをするように言っています。

今週グルーデンは記者会見で、「そう簡単にはいかないよ。1度スーパーボウルに勝ったからといって、その後も全てがうまく行くということはない。だからこそ、昨年自分たちがやったことがより素晴らしいことだと気付かされるよ」今、これまでにもましてグルーデンは、一番難しい事は、チャンピオンシップに勝つことでなく、連覇することだと悟っています。

SEE YOU NEXT TIME!
Bill Marklevits

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