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HOT OFF THE GRIDIRON #109
「クラレットのルールへの挑戦は、NFLの根本を揺るがすものです。」

モーリス・クラレット

NFLがアメリカで最も人気のあるスポーツリーグであるということは、明らかです。テレビ契約、視聴率、チケット売上、商品販売、全てにおいて、NFLはプロスポーツの帝王です。NFLの人気の主な要因の1つは、競技の質の高さにあります。モーリス・クラレットのドラフト資格についての、米連邦地裁判事シラ・シェインドリンによる最近の判決で、NFLは今、大変多くのファンが楽しめている上等な競技の質をなんとか保とうと、守りの姿勢に入っています。

NFLコミッショナー、ポール・タグリアブー氏の、スーパーボウル前の年一度のコミッショナー会見で、私は、モーリス・クラレットの裁判に関して彼が非常に慎重に答えている姿を見ました。その記者会見でタグリアブー氏は、NFLの、“3 year draft rule”(ドラフト資格を希望するカレッジフットボール選手は、少なくともその選手が高校を卒業してから3シーズンを経過していなければならない。) というドラフト規則は裁判でも守られるという自信が滲み出ていました。その点が、プロフットボールが、18歳以上の選手であればドラフト資格がある、野球、バッスケットボール、ホッケーなどのスポーツと違う所です。タグリアブー氏は、「そして、我々の資格規則は、NFL選手組合(NFLPA)との団体交渉協約にも適合しています。我々のシステムは機能しています。そのシステムにより稼動している意味深い方法によって、不利益を被っている選手は見当たりません。かわって、大学にとどまり、将来の為に技術を磨くことに専念でき、それがひいては自分の為になっているという選手がほとんどです。我々は、選手組合と団体交渉協約の中の“3 year draft rule”の利益は極めて明確であると信じます。我々がそれを守ろうとしているのは、その為です。」と発表しました。

数日後、米連邦地裁判事シラ・シェインドリンは、NFLの3年資格規則が、独占禁止法に違反すると、NFLを打ちのめしました。シェインドリンは加えて、クラレットの件での法的論点は明らかなので、裁判の必要はないと述べました。喜んだクラレットは、「私は、規則が取り下げられてとても幸せです。レブロン・ジェームスの様な若い選手の為に、NBAの規則をかえ、道を開いた誰かの様な気分です。そして、フットボール選手に選択の余地を与えることができて、幸せです。」と発表しました。一方、彼の弁護士アラン・ミルステインは、「我々は全面勝利をしました。」と宣言しました。するとNFLは即座に、「今日の判決は、既に確立されている労働及び独占禁止法を鑑みると多くの点で矛盾しています。そして我々はこのケースが決定される時、我々の資格規則が支持されることを切に望みます。」と応酬しました。

そしてモーリス・クラレットは、インディアナポリスでのコンバインに行きましたが、休んでいる内に太り過ぎとなってしまい、結局NFLスカウト達の前で練習することはしませんでした。来る4月に、モーリス・クラレットがどのチームにドラフトされるか注目です。彼は2年前のオハイオ州立大学での1シーズン中に素晴らしい能力を見せつけました。しかしその後性格面でぼんやりと暗雲がたちこめ始め、NFLの人達は、彼がチームに何か害を与えるタイプの人間になるかもしれないと危惧しています。クラレットがNFLでどのように活躍するかを見るのは、更におもしろいことでしょう。クラレットの様に高校時代からトップクラスの選手として活躍し、ペン州立大学で3年を過ごした後、NFLドラフトにエントリーした、ワシントン・レッドスキンズのオールプロLBラバー・アーリントンは、「クラレットはNFLに入ったら、辛い目に合うかもしれない。なぜなら、彼のやり方をNFLの人達の多くは、無礼だと見ているからだ。俺もその一人で、彼の鼻をへし折り、彼を打ちのめしたい。彼は成功するか、ぼろぼろになるかのどちらかだろう。」と述べました。

クラレットが10代の選手達にNFLドラフトへの道を開いたすぐ後、USCの巨漢2年生WRマイク・ウィリアムスは、大学生活に終止符を打ち、NFLドラフトにエントリーすると表明しました。私は、ローズボウルでのミシガン戦でウィリアムスを見て、まるでNFL選手が大学選手達とプレーしているようだと思いました。ウィリアムスは素晴らしい才能を持っていますので、4月のドラフトで上位10位にドラフトされるでしょう。マイク・ウィリアムスはバスケットボールで言えば、コービー・ブライアントの様で、よいNFL選手になるであろう並外れた才能を持っています。「なるであろう」という表現にしたのは、高度に肉体的なスポーツであるプロフットボールには、何の保証もないからです。選手契約は保証されたものではありません。もしウィリアムスがけがをしたら、契約金しか受け取る事はできないでしょう。そしてNFLロスターに入る為に必要なレベルの活躍ができなければ、その先には何の保証もないのです。

NFL入りを表明したUSCの2年生WRマイク・ウィリアムス

1980年代にNBAには、活躍した高嶺の花、マジック・ジョンソン、ラリー・バード、マイケル・ジョーダン達が居たために人気がありましたが、1990年に入ってからこの10年でその人気は消えていっています。ロスアンゼルスで行われた今年のNBAオールスターゲームは、ケーブルテレビで放映されただけで、視聴率はとても低いものでした。昨年のNBAプレーオフのテレビ視聴率は過去最低でした。そのNBAの人気減退の主立った理由は、バスケットボールというスポーツへの無関心ではなく、NBAの試合の質の低さからくる無関心なのです。10年前、NBAは、高校から直接、或いは大学1年か2年を終えた選手達がリーグに入ることができるようにしました。コービー・ブライアントは成功していますが、若い年から苦労しているアーリー・エントリーした選手達が10人以上います。その内の多くの若い選手達は決定的に基礎がなっておらず、しかしながら大きな契約を持ち合わせ、そして、例えばESPNのスポーツニュースのハイライトに出るような格好いいダンクシュートを決めることしか頭になくて、バスケットの基本のディフェンスを少しもやろうとせず、コーチ達の言う事を聞かない人も居ます。私は、コートの上で繰り広げられるものがあまりに退屈で、シーズンが長すぎると感じる様になり、NBAレギュラーシーズンの試合を見なくなった多くのバスケットボールを愛するファン達を知っています。

私はフットボールが他のスポーツと違うと信じているボール・タグリアブー氏を支持します。NFLと主な大学フットボールの試合をサイドライン近くで見ることができるようになってから、プロの試合のスピード、サイズ、強靭さをより強烈に感じています。高校フットボールと大学フットボールの差は更に大きなものです。高校から直接NBAに入ってすぐに慣れることのできたコービー・ブライアントと同様のことがフットボールでできた選手を、私は見た事がありません。今年オハイオ州立大学は、USAトゥデイ年間最優秀全米守備選手で、ディオン・サンダース以来の高校生最優秀コーナーバックと言われている、テッド・ジンという名のCBがオハイオ州立大学に入ることを発表しました。加えてジンのフットボール技術は、陸上競技の障害物競走でオリンピックで戦える程です。

将来を有望視され、オハイオ州立大に入学すことが決まったテッド・ジン(右)と父のテッドSr

ジンはミシガン大学を始め、全米の主な大学から強烈な誘いを受けました。クリーブランド・グレンビル高校のコーチでもある彼の父、テッド・ジンSrは、息子はまだプロフットボールでプレイできる状態ではなく、成長する為の時間が必要であると言っています。「彼が前途有望であることはわかっていますが、NFLに直接行くようなことは見ていられません。それはけしからんことです。彼がNFLに行って3年間ベンチで過ごすことが何の意味があるでしょうか。」と述べました。ジンにとって、父親がフットボールの理解者で、プレイのレベルの差をわかっていることは幸運なことです。他の親なら、子供達をより早くプロに飛び込ませようとするでしょう。なぜなら、彼らがお金が稼げるからです。

NFLはNBAが試合の質が落ちて行くことによって、どんなにダメージを受けたかを見てきました。2月27日にNFLはシェイドリアン判事の判決を不服として、米連邦巡回控訴裁判所に控訴しました。もし裁判所がその控訴に応じるとしたら、モーリス・クラレットとマイク・ウィリアムスは、4月のドラフトから締め出されるかもしれません。クラレットの弁護士ミルステインは、裁判所の判決取り下げは、「不可能に近い」と述べています。

タグリアブーコミッショナーとチームのオーナー達は、シェイドリン判事の判決への不服に関して注意深くする必要があります。もしその判決が通れば、プロフットボールの質を傷つけることになるでしょうし、また大学フットボールをも打撃し、より早くお金を稼ぐ為に、多くの若いアスリート達が教育を受け、フットボールの技術を磨く機会を奪うことになるでしょう。


SEE YOU NEXT TIME!
Bill Marklevits

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