Wed, 04/28/2004 5:15 pm UPDATE
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HOT OFF THE GRIDIRON #111
「マニングの願いが叶いました。」

 ドラフト全体1位指名の時、ミシシッピー大学QBイーライ・マニングは神妙な面持ちでステージに歩いて行きました。彼はサンディエゴ・チャージャーズのキャップを頭に被るのではなく、手に持っていました。マニングは、ニューヨークのマディソンスクエアガーデンで、ドラフトを見るファンからブーイングを受けていました。彼がチャージャーズの1番のジャージを手にし、タグリアブーコミッショナーと一緒に写真を撮っている姿は、明らかに不快そうでした。その日、そう、彼の人生で最高の日になるはずのその日、彼がやじられる中ドラフト全体1位指名された日となりました。1983年のエルウェイ、1986年のジャクソンの様に、マニングは、前もって、そのチームではプレーしたくないと述べていたチームにドラフトされました。

チャージャーズに指名された直後のイーライ・マニング
 約1時間後イーライ・マニングは記者に、「私は大学に戻って、法科学院に行くかもしれない。」と言いました。タグリアブーコミッショナーは、ニューヨーク・ジャイアンツは全体4位でノースカロライナ州立大学のQBフィリップ・リヴァースを指名したと発表しました。その直後、チャージャーズがマニングとの交渉権を、ジャイアンツにリヴァースとの交渉権と今年の第3巡、来年の第1巡と5巡の指名権とトレードしました。

 こうしてマニング一家は悪夢を脱し、幸せな一日が始まり、イーライ・マニングはニューヨーク・ジャイアンツのキャップを被り、ジャイアンツのジャージを持って写真に収まりました。サンディエゴ・チャージャーズも困った状態を脱し、本当に欲しかったQBリヴァースと3つの重要なドラフト指名権を獲得しました。

 先週、イーライの父であり、自身も元NFLQBのアーチー・マニングはサンディエゴを訪れた後、「チャージャーズに、頼むから息子を指名しないでくれと話してきました。」と述べました。ドラフトに先立って、イーライ・マニングは、もし選ばれたら今シーズンは見送って、来シーズンのドラフトに再エントリーする意向を固めていました。マニング一家、特にコルツのQBペイトン・マニングがチャージャーズでプレーしないように望み、チャージャーズが公式発表せずに他の選手と交渉し、他のチームとトレードすることを願っていました。チャージャーズGMのAJ・スミスは即座にアーチー・マニングに応え、「イーライをドラフトすることも含め、私達はフランチャイズの為にベストを尽くす。」と述べました。

 AJスミスが「マニングはチャージャーズにドラフトされたくないし、プレーしたくもない。」と言っていたと公式に発表したことで、NFLで深く尊敬されるマニング一家の顔に泥を塗ってしまいました。私がアメリカンフットボールマガジンの記事の為に、イーライとアーチー・マニングにインタビューした今年1月、アーチーは、「私は幾つかのNFLチームの状況を危惧しています。ヘッドコーチはチームを作り上げる時間もなく、勝利のプレッシャーに苛まれています。私はイーライが組織、ヘッドコーチなど、勝つ条件の整ったチームにドラフトされることを望みます。」と述べていました。


チャージャーズの指名から1時間後、マニングはジャイアンツにトレードされた。右は兄のコルツQBペイトン
 彼は明らかに、サンディエゴ・チャージャーズが多くの問題を抱えた組織であることをわかっていました。チャージャーズとサンディエゴ市は、クァルコム・スタジアムのリースについて裁判で争っています。オーナーのアレックス・スパノスは新しいスタジアムが欲しい為、もし新しいスタジアムが建設されなければ、チームは移転すると脅しています。2週間前スパノスは、「GMのAJスミスとヘッドコーチのマーティ・ショッテンハイマーは時間の問題だ。もしチームが今シーズンいいスタートを切らなければ、首になるだろう。」と公式に述べました。1971年に全体2位でセインツに指名されたアーチー・マニングは、プレイオフに一度も出場できないチームでプレーするはめになりました。私がアーチーに、プロキャリアについて質問した時、彼は「試合は多くの違いがあり、今のほとんどのチームにも該当せず、我々セインツはただよくなかった、ということです。」と述べました。サンディエゴのヘッドコーチ、マーティ・ショッテンハイマーはノースカロライナ州立大学QBフィリップ・リヴァースを、今年のシニアボウルでコーチしてから好んでいました。チャージャーズはイーライ・マニングを獲得するナンバーワンスロットを手放しても、トレードダウンしてより多くの指名権を得て、リヴァースをドラフトしたがっているのは明白でした。

 もちろんマニング一家は賢いので、イーライ・マニングがチャージャーズでのプレーを望まない理由を公表しません。私は、アーチーがサンディエゴでのチャージャーズの状況を見るにつけ、彼が過ごしたセインツを思い起こしていたと思います。裏では、エージェントのトム・コンドンが、ニューヨーク・ジャイアンツに入れる様、精を尽くしました。ニューヨーク・ジャイアンツは、マニングにチャージャーズよりいいオファーをしました。ジャイアンツは1年目のヘッドコーチ、トム・コフリンのもと再建しており、そしてコリンズが居なくなる為、マニングにとっての今の状況は、2年前にヒューストン・テキサンズがデビッド・カーを全体1位指名した時の状況と似ています。そしてドラフト当日の夜、マニングはニューヨークニックスの試合で紹介されたり、今週に入って、テレビのバラエティ番組に出演するなど、ニューヨークという都会では成功したNFLのQBがたいそうなお金を稼ぎ、有名人になる保証があり、その機会はサンディエゴと比べ物になりません。

 興味深いことに、ジョン・エルウェイがコルツに入るのを拒んだ1983年までボルチモア・コルツのGMをしていたジャイアンツのGMアーニー・アコーシは、今年、チャージャーズでプレーしたくないマニングを獲得する働きをしました。アコーシは、ジョン・エルウェイで経験した21年後に同じ様なことをイーライ・マニングで経験したことを「驚くべき事だ。」と言いました。エルウェイが西地区のチームでプレーしたがり、コルツでプレーしたくない本当の理由は、彼の父がコーチのフランク・カシュを好きでなかったことでした。また、コルツは他のチームほど、彼に払う給料を準備できていませんでした。

 今年のドラフトでイーライ・マニングが1位指名されることは明白でした。彼はベストプレイヤーにもベストQBにもならないかもしれません、しかしマニングの家系が殆どのNFLチームの注目を集め、一位を獲得したのです。私は、アーチー・マニングがチャージャーズのヘッドコーチ、マーティ・ショッテンハイマーとチームと街との問題に飽き飽きしていたのだと思っています。ショッテンハイマーが言う所によると、彼らはリヴァース、或いはOTのロバート・ギャラリーを指名したがっていましたが、そうしたらマニング一家を激怒させることになっただろうとのことです。

 何故ジャイアンツとチャージャーズはドラフト前に、マニングとチャージャーズの困惑を避け、合意に至れなかったのでしょうか。それは大きな疑問です。明らかにチャージャーズのAJスミスの望んだ事が、ジャイアンツのアーニー・アコーシが出せる事より多かった為、取引が実現しませんでした。イーライが、もしチャージャーズに指名されてもプレーしないと公表したとき、プレーしない選手を1位指名することの無駄をスミスに示したことになります。スミスは彼らの選択に先立って、取引をしたかったのですが、マニングを選ぶまで取引は成立しませんでした。レイダースは全体2番目にアイオワ大学のOTロバート・ギャラリーを指名し、カーディナルスはピッツバーグ大のWRラリー・フィッツジェラルドを全体3位で指名し、それによりジャイアンツは全体4位でリヴァースを指名する機会を得ました。選択は、チャージャーズの大注目を浴びて、アコーシとジャイアンツは、マイアミ大学オハイオ校のQBベン・ロスリスバーガーがドラフトの高順位に居ても、リヴァースを指名しました。アコーシはリヴァースを獲得し、ちょうどチャージャーズが彼を欲しがっていたのを知っていたので、結果的には、来年の第1位指名権を提示し、そしてチャージャーズが同意したのです。

 イーライ・マニングは、チャージャーズでプレーすることを拒んだ結果、プレッシャーが高まることでしょう。彼は、40年前にニューヨーク・ジェッツにドラフトされたジョー・ネーマス以来の、ニューヨークのチームにドラフトされた最も宣伝されたクォーターバックなのです。イーライ・マニングはプレッシャーには慣れています。なぜなら、彼の一生は、アーチーの息子であることと、兄にペイトン・マニングが居るからです。彼は、チャージャーズに選ばれたときも、やじに惑わされなかったと言いました。「私は大学の敵陣のスタジアムでやじを浴びてきましたから。」マニングがQBケリー・コリンズの控えとしてスタートすればよかったのですが、やはりジャイアンツは2人の高給取のクォーターバックを抱えることが厳しいのです。契約上後1年残っているコリンズはジャイアンツのサラリーキャップ8,060万ドルの内の、895万ドルを貰っているのです。今後ジャイアンツはコリンズをリリースしてマニングを使うでしょう。

 何人かの批評家は、アコーシがマニングを得る為にいろいろと出し過ぎたと言っていますが、アコーシは、「マニングはNFLフランチャイズのバックボーンになることができる数少ないQBです。私が過去20年間で見てきた大学のクォーターバックの中で、最も優れた3〜4人の選手の内の1人です。」と言いました。アコーシはイーライ・マニングがジョン・エルウェイやダン・マリーノの様な優れたクォーターバックになると考えています。

 アコーシは、ジョン・エルウェイがデンバー・ブロンコスにどれ程のインパクトを与えたか、またボルチモア・コルツがトップQBが居ないことで苦心したことを充分わかっているのです。彼は、イーライ・マニングがNFLのトップQBになるかの大きな賭けにでました。私はその賭けはよかったのではないかと思っています。もしイーライが兄のペイトンに少しでも近づく事ができたら、ニューヨーク・ジャイアンツで彼はNFLのスターの仲間入りをすることができるでしょう。

SEE YOU NEXT TIME!
Bill Marklevits

back number
#115 「リッキー・ウィリアムズの引退はドルフィンズを茫然とさせました。」
#114 「ペイトリオッツは昨年よりもよいチームとなっているようです。」
#113 「NFLの完璧な勝利」
#112 「NFL2004年ドラフト レビュー」
#111 「マニングの願いが叶いました。」
#110 「“NFLドラフト 第1位指名権の行方は?”」
#109 「クラレットのルールへの挑戦は、NFLの根本を揺るがすものです。」
#108 SUPER BOWL 38 レビュー
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#107 「SUPER BOWL XXXVIII プレビュー」
#106 「ファーヴがグリーンベイにマジックをまた取り返しています。」
#105 「ハイズマントロフィーが必ずしもNFLでの成功を確約するわけではありません。」
#104 「バッカニアーズからマジックが消えてゆきました。」
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#102 「ヴァイキングスは今、NFCで注目のチームです。」
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#100 「モーリス・クラレットとポール・タグリアブーの対決」
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#96 「トミー・マドックスにどのぐらいの価値があると思いますか?」
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#92 「チャールズ・ロジャーズはドラフトで注目のトップアスリート」
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#76 「スティーヴ・マリウーチとトム・イゾー こどものころからの大親友 (前半)」
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#69 「ジョン・グルーデンとアル・デーヴィス」
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#67 「第36回スーパーボウルプレビュー」
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#47 「NFLコーチに対する勝利へのプレッシャーはどんどん上昇しています!」
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