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HOT OFF THE GRIDIRON #114
「ペイトリオッツは昨年よりもよいチームとなっているようです。」

ペイトリオッツ・ヘッドコーチ ビル・ベリチック
 今月末からはじまるトレーニングキャンプに向けてNFL各チームは準備段階に入っているなかで、ニューイングランド・ペイトリオッツはスーパーボウルに出場し、ここ4シーズンで3度目のスーパーボウルチャンピオンになるだろうという見方が強くなってきています。
NFLフリーエージェント制度、そしてサラリーキャップの時代に、チームにとって選手を確保することはとても難しいこととなっています。それでも、今シーズンのペイトリオッツは、1月にスーパーボウルで勝利したときよりもよいチームとなっていると専門家はみています。

ビル・ベリチックはNFLでトップクラスのコーチと評価されています。2004年シーズンも、オフェンス・コーディネイターにチャーリー・ワイス、ディフェンス・コーディネイターにロメオ・クレネルを配置しています。ベリチックは選手達が不快に思うことを無理強いするのではなく、個々の選手の持てる力を彼の技術に適応させることに秀でています。そのよい例がクォーターバックです。QBトム・ブレイディは、クォーターバックとしては肩がそれほど強くありませんが、正確にボールを投げることができます。その正確さを最大限に利用できるようにするために、ペイトリオッツは通常の5ステップのドロップバックではなく3ステップのドロップバックを基本的に使っています。
ペイトリオッツの大黒柱であるQBトム・ブレイディ
ブレイディは素早くボールを投げることができるので、パス・プロテクトに弱いオフェンス・ラインは、ブレイディがパスを投げるまでの数秒間(これは他のチームよりも短い時間です。)、彼を守ればよいのです。ブレイディのクイックリリースは、パス・プロテクトを苦手としているオフェンス・ラインの負担を軽くしました。
ブレイディに早くパスを投げさせる作戦はスーパーボウルでもうまくいき、カロライナ・パンサーズのパス・ラッシュの威力は半減しました。

 スーパーボウルMVPに2度輝いたブレイディは現在46試合連続先発中で、人々は伝説的なQBジョー・モンタナと比べ始めています。彼は昨年パス成功率60.2%と、NFLで最も正確なQBのうちの1人でした。昨年、彼は肩の痛みに悩まされていましたが、2月に受けた手術が成功、今シーズンをいい調子で迎えることができるでしょう。ブレイディはまだ26歳ですが、プレーオフ6戦全勝の成績をあげ、オフェンスの絶対的リーダーとしてますます期待されるでしょう。ヴィンス・ロンバルディ・トロフィーを受けとった後、メディアに囲まれたベリチックは、「私達は2004年シーズンの戦いへの準備に5週間遅れています。」と言いました。ペイトリオッツは、ベンガルズから移籍を希望していたスターRBコーリー・ディロンを獲得し、オフシーズン大型補強の動きの1つをうまく仕上げるなど、ベリチックは早々に仕事にとりかかりました。ディロンはペイトリオッツが手放したRBアントワン・スミスを上回る活躍をするでしょう。ディロンは負け続きに嫌気がさし、ベンガルズの経営陣に腹を立てるようになりました。それまでの、デビューから6シーズン連続での1,000ヤード以上のラッシュは、NFL史上4人しか記録していませんでした。ペイトリオッツに加わる際に減棒に同意したディロンは、ファースト、セカンドダウンの主要なボールキャリアとなるでしょう。ディロンの加入により破壊力を増したランニング・アタックはブレイディへのプレッシャーを取り除き、シーズン後半の寒い気候での試合でリードを守り、時計をすすめる必要のあるときに効果をあげるでしょう。

ラン攻撃の核となることが期待されるRBコーリー・ディロン
 ペイトリオッツはまた今年のドラフトで、スーパーボウルチャンピオンであるのに、驚くべきことに第1巡で2つの指名権をもっており、マイアミ大学DTヴィンス・ウィルフォーク、ジョージア大学 TE ベン・ワトソンを指名しました。そして第2巡でLSU DTマーキーズ・ヒルを指名しました。ウィルフォークとヒルは今年のDラインローテーションには入るでしょう。

 ペイトリオッツがベアーズから獲得した巨漢DTキース・トレイラーは、フリーエージェントで失ったDTテッド・ワシントンの穴埋めをするでしょう。左腰の故障で昨シーズン2試合以外は欠場していた俊足LBローズヴェルト・コルヴィンの復帰により、ペイトリオッツのパス・ラッシュに大きな力添えとなるでしょう。プロボウルに出場したDTリチャード・シーモア、LBマイク・ヴレイベル、昨シーズン23サックを記録したLBウィリー・マクギネストと共にコルヴィンは、ペイトリオッツのディフェンスをNFLで最も恐れられるディフェンスに作り上げるでしょう。

 ペイトリオッツの最大の疑問の1つはオフェンス・ラインです。フリーエージェントで先発のGダミアン・ウッディとマイク・コンプトンを失いました。ウッディはラインのリーダーでしたから、彼を失ったことの影響は大きいでしょう。41試合連続出場のTマット・ライトは、今リーダーになりつつあります。ペイトリオッツは、オフェンス・ラインの比較的若い選手にけが人が増えれば、彼らの連覇の望みをあきらめざるをえない結果になりかねないのですが、そこへの補強には力を注ぎませんでした。

契約問題が注目されるCBタイ・ロー
 スーパーボウル後の一番大きな問題は、ペイトリオッツがスターCBタイ・ローと再契約できるかどうかでした。交渉は予想通り難航し、ローの代理人とペイトリオッツとの交渉は未だ進行中です。ローは今春早々、「自分が再びペイトリオッツのユニフォームを着ることはない。ベリチック・ヘッドコーチはうそつきだ。」と発言、チームを去ることが決定的だと思われました。チームが初回に提示した4年2600万ドルの契約延長オファーに対しては、ローは「侮辱」であるとしてそれを拒絶しました。しかし状況は変化し、今ではどうやら両者間で何らかの合意に達しそうな模様です。ローはAFCタイトルを巡るコルツとの戦いで、コルツのQBペイトン・マニングから3つのインターセプトを奪う活躍をみせ、スーバーボウルタイトルに結び付けました。

 ペイトリオッツのスペシャルチームはレベルアップしたように見えます。昨シーズン、調子の悪かったスーパーボウルの勝利キッカー アダム・ヴィナティエリは、プレーオフで最高の活躍をしました。プレーオフで多くの活躍をし、スーパーボウルで勝利のキックを決めるNFLキッカーはほとんどいません。パンターのポジションは、平均41.9パントを記録しているフリーエージェントのジョシュ・ミラーをスティーラーズから獲得しました。キックオフ・リターナーのベセール・ジョンソンは平均28.2ヤードを記録していて、NFL2位です。ただパント・リターナーのトロイ・ブラウンは、ミスをせずターンオーバーもしませんが、以前に比べるとそれ程力はありません。

  歴史的にみて、スーパーボウル連覇は大変困難なことです。NFL史上たった7チームしかスーパーボウル連覇を成し遂げていません。ジョン・エルウェイのプロンコスが1998、1999年と連覇し、それ以降はありません。ダラス・カウボーイズ(1993-94年、1996年)は、4シーズンに3回スーパーボウルチャンピオンとなった唯一のチームで、今シーズンのニューイングランド・ペイトリオッツはそれを成し遂げようとしています。ピッツバーグ・スティーラーズは、6シーズンで4回(75年、76年、79年、80年)スーパーボウルを勝ち取ったNFLの偉大な“王朝”を築いたチームです。

  昨年のこの時期、タンパベイ・バッカニアーズは紙面上でNFCチャンピオンへの返り咲きはたやすいと見られていました。しかし昨年8月に私が東京ドームのアメリカンボウルで見たチームとは同じチームではなくなり、不本意な結果に終わりました。7勝9敗となり、プレーオフ出場も逃したのです。フリーエージェントによる移籍、けが、ヘッドコーチ ジョン・グルーデンとWRキーション・ジョンソンとの不和、そして起伏の激しいキッカー マーティン・グラマティカ、それらがバッカニアーズの運命を決定付けました。今、スーパーボウルチャンピオンシップのロースターを作ったGMリッチ・マッケイは、アトランタ・ファルコンズに去り、ウォーレン・サップ、ジョン・リンチ、キーション・ジョンソンら主要選手らも同様に去りました。バックスは2001年のレイヴンスのように、1年だけの奇跡に終わり、しばらくはスーパーボウルに返り咲かないでしょう。

スーパーボウルに勝つ為には、よいコーチ、よい選手がいることは当然ですが、主力選手のけがを防ぐこと、またきわどい判定とターンオーバーをものにする必要があります。スーパーボウルのディフェンディングチャンピオンであるペイトリオッツは、NFLで一番きついスケジュールとなっており、どの週もベストをつくし相手を倒さなければなりません。しかしながら、よいコーチングでほとんどミスを犯さず、強靭に相手を打ち負かすでしょう。ペイトリオッツの選手達は精神的にもタフで、接戦に勝つ為の自信を持っています。「紙面上では」、私はブレイディを擁するペイトリオッツは、ベリチックの舵取りもあり、昨年より強いチームになっていると思います。再度スーパーボウルに勝つチャンスがあるでしょう。

SEE YOU NEXT TIME!
Bill Marklevits

back number
#115 「リッキー・ウィリアムズの引退はドルフィンズを茫然とさせました。」
#114 「ペイトリオッツは昨年よりもよいチームとなっているようです。」
#113 「NFLの完璧な勝利」
#112 「NFL2004年ドラフト レビュー」
#111 「マニングの願いが叶いました。」
#110 「“NFLドラフト 第1位指名権の行方は?”」
#109 「クラレットのルールへの挑戦は、NFLの根本を揺るがすものです。」
#108 SUPER BOWL 38 レビュー
「ブレイディがペイトリオッツを再びスーパーボウル勝利に導きました。」
#107 「SUPER BOWL XXXVIII プレビュー」
#106 「ファーヴがグリーンベイにマジックをまた取り返しています。」
#105 「ハイズマントロフィーが必ずしもNFLでの成功を確約するわけではありません。」
#104 「バッカニアーズからマジックが消えてゆきました。」
#103 「マービン・ルイスはベンガルズをプレイオフへ導く勢いです。」
#102 「ヴァイキングスは今、NFCで注目のチームです。」
#101 「ディック・ヴァミールはチーフスを好調の波に乗せました。」
#100 「モーリス・クラレットとポール・タグリアブーの対決」
#99 「バッカニアーズはNFLで最高のチームです。」
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#96 「トミー・マドックスにどのぐらいの価値があると思いますか?」
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#94 最善のオーバータイム方式とは?
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#82 「デトロイト・ライオンズの新しいスタジアム」
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#78 「マイアミ大学ハリケーンズ、2連覇なるか?」
#77 「スティーヴ・マリウーチとトム・イゾー こどものころからの大親友 (後半)」
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#69 「ジョン・グルーデンとアル・デーヴィス」
#68 「ペイトリオッツが示しました。みんなが間違っていたと!」
#67 「第36回スーパーボウルプレビュー」
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