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HOT OFF THE GRIDIRON #33
「エディー・ジョージ "THE BEAST"」
 

 当然のごとく、第34回スーパーボウルの後、多くのメディアがMVPを受賞したラムズQBカート・ワーナーとHCディック・ヴァーミールに集中しました。
 5年前スーパーマーケットで商品を袋詰めからスーパーボウルMVPに登り詰めたワーナー、それに14年間のカレッジフットボールのTVアナリストからラムズのHCとしてコーチに復帰し、3年目にスーパーボウルに勝ったヴァーミールのいずれもが素晴らしい物語でした。
 ゲームは第25回スーパーボウル(ジャイアンツ 20、ビルズ 19)、第23回(49ers 20、ベンガルズ 16)に並び、チャンピオンシップゲーム史上に残る一戦でした。
 ゲームは規定のゲーム時間の最後の一瞬で、同点となるまであと1yds足らずという結末でした。
 スーパーボウル史上初のオーバータイムを見ることができれば、それは本当に素晴らしいものだったでしょうが、いつかそれは起こり、そしてそれはどんなにか熱狂的なドラマであることでしょう。

             ◇   ◇   ◇

 ワーナーとヴァーミールのゲーム後のインタビューを聞いた後、私はRBエディー・ジョージに会うためにタイタンズのロッカールームへ行きました。
 数人のレポーターたちが彼の周りに集まっていましたが、彼が頭を垂れて言うことはすべて、「I'm just dissapointed we didn't win. I'm just dissapointed.(我々が勝てなかったのは本当に残念でならない。本当に残念だ)」というものでした。
 ジョージは後半、2TDラン、対ラムズディフェンスではシーズン最多の95ydsを獲得するなど、タイタンズの勇敢な反撃をリードしました。
 しかし、彼は敗戦の後のロッカールームでは手負いの人間のように見えました。
             ◇   ◇   ◇

 私はスーパーボウルを観戦にいくとき、高校時代からいいプレーをしていて、継続して追っかけていたビッグテンカンファレンス出身の選手を見るのが楽しみです。
 リターナーのデズモンド・ハワード(ミシガン大)は第31回スーパーボウルで99ydsリターンTDをマークしてパッカーズでMVPを受賞したし、昨季のティム・ドワイト(アイオワ大)はファルコンズにキックオフリターンTDをもたらしました。
 今年、私の眼は、オハイオ州立大出身のタイタンズRBエディー・ジョージとラムズOTオーランド・ペースの2人に集っていました。
 私はスーパーボウルで、ビッグテンカンファレンス出身の選手が目覚ましい活躍をしたとき、卒業生が素晴らしい活躍を見せたときの先生のような気分になるのです。

             ◇   ◇   ◇

  エディー・ジョージがスーパーボウルでエンドゾーンへ進むためにみせた第2、第3、第4エフォートは、彼がまだオハイオ州立大のRBだったころ、私がGAORAスポーツでアナウンスした多くのゲームで見せたそれを思い出させました。  私はいまだに、ビッグテンカンファレンスフットボールを一緒に担当している、漣了造氏のその当時の興奮した声を覚えています。
 「ジョージ、ジョージ、ジョーーーーーーージッ!! TD! OSU! ビルさん、エ ディー・ジョージはすごいですね!!!」  エディー・ジョージは今、NFLで最高レベルの巨大パワーRBです。  ジョージのニックネームは「the beast(人間の獣性、獣)」です。しかし、彼にとっては「warrior(強者)」の方が良いでしょう。  彼が受けたヒットのすべてにしては、エディー・ジョージは1996年にNFLに入って以来、ケガでゲームを休んでいません。  数回ひざの靭帯を痛め、肩を壊し、背中がけいれんし、腹筋を傷つけながらも、エディー・ジョージはずっと出続けてきました。

             ◇   ◇   ◇

<エディー・ジョージ NFLラッシング成績>
Year Games Att rush yards AVG LG TD
1996 16  335  1,368  4.1 76 8
1997 16  357  1,399  3.9 30 6
1998 16  348  1,294  3.7 37 5
1999 16  320  1,304  4.1 40 9
(レギュラーシーズンのみ)              
             ◇   ◇   ◇

 剃り上げた小さな頭のエディー・ジョージは全身筋肉で覆われた、巨大でパワフル、それでいた素早い肉体を誇っています。
 判断の良さ、タフネス、リーダーシップ。これらがエディー・ジョージを真に素晴らしいランニングバックとしているものなのです。
 3度プロボウルに選出されたというだけでは、優れたNFLのランニングバックを説明したことにはなりません。
 エディー・ジョージは最高の選手になりたいのです!
 NFLには多くのRBが存在しますが、エディー・ジョージがオフシーズンにするようなフィジカルトレーニングをしている選手はそんなにはいません。
 夏の間、エディー・ジョージはオハイオ州コロンバスに戻って、オハイオ州立大ウッディー・ヘインズ・フットボール・トレーニングセンターで何日間も練習に励みます。  昨夏、彼はカリウム不足による脱水症状になり、12時間の入院加療が必要となったくらい、午前中はランニングに、午後はウェイトトレーニングに励んでいました。  ジョージはそれにより、酷使し続ければ、「the Beast」の肉体にも影響が出る部分があるんだということを悟ったのです。
 スーパーボウルのときに、タイタンズが口封じをした地元紙のライター、ジェフ・レグウォルドから私が利いたところでは、昨季、ベアーズのホール・オブ・フェイムRBウォルター・ペイトンが死去した後、ジョージはペイトンと一緒にプレーした経験を持つHCジェフ・フィッシャーのもとへ行き、彼のゲームへの取り組み、練習中の態度について様々な質問をしました。
 フィッシャーはこう言ったそうです。 「ジョージはベストになるために必要なことはすべてこなしていた。彼は何をしたいのか、どのようにすればなれるのかを懸命に考え抜いていた。彼はNFLでベストのRBになりたがっていたし、私もそれに近い存在になるだろうと思っていた。」
 ジョージのNFL最初の3年間、ジョージは12月に3試合100ydsラッシングゲームを記録しました。しかし、チームはいずれもプレーオフ進出を逃したのです。              
             ◇   ◇   ◇

エディー・ジョージのシーズン終盤戦の成績

1996年(ルーキーシーズン)   キャリー回数 獲得ヤード
 ニューヨーク・ジェッツ      28      141
 ジャクソンヴィル・ジャガーズ   16      45
 シンシナティ・ベンガルズ     24      76
 ボルティモア・レイヴンズ     21      85

1997年
 シンシナティ・ベンガルズ     5      11
 ボルティモア・レイヴンズ     26      129
 ピッツバーグ・スティーラーズ   16      25

1998年
 ボルティモア・レイヴンズ     27      63
 ジャクソンヴィル・ジャガーズ   14      46
 グリーンベイ・パッカーズ     15      30
 ミネソタ・ヴァイキングズ     14      54

1999年
 ボルティモア・レイヴンズ     8      32
 オークランド・レイダース     28      199
 アトランタ・ファルコンズ     19      55
 ジャクソンヴィル・ジャガーズ   26      102
 ピッツバーグ・スティーラーズ   8      32
☆バッファロー・ビルズ       29      106
★インディアナポリス・コルツ    26      162
※ジャクソンヴィル・ジャガーズ   25      86
◎セントルイス・ラムズ       28      95

☆=ワイルドカードプレーオフ、★=ディヴィジョナルプレーオフ ※=カンファレンスチャンピオンシップ、◎=スーパーボウル              

             ◇   ◇   ◇

 今年、ジョージはオフシーズンの練習を調整して、以前よりさらに食生活に気を使いました。
 その結果、最後の7試合でジョージは4試合の100ydsゲームをマークするに至ったのです。
 ジョージはまたランナーとしての能力と同じように、レシーブ能力(47回レシーブ)、ブロッキング能力も高めてきました。
 そしてエディーはこう言うのです。
 「クロスカントリーを行い、ダッシュを繰り返し、ウェイトトレーニングをする理由は、シーズン中、チームの勝利に貢献するためなのさ。」  エディー・ジョージはフィールドではタイタンズの口に出して鼓舞するリーダーであるだけでなく、オフフィールドでも、他のスター選手とは異なり、自信に溢れていながらも、紳士的で、謙虚で、柔らかい口の利き方をします。
 彼は紳士的なので、一度彼と話をしたら、応援したくなるような人物なのです。  私は、多くの甘やかされてきたスター選手とは異なり、ジョージが謙虚でいられるのは、NFLのスター選手になるにつれ、豊かになっていく過程で、謙遜という薬を投薬さえれているからのように思います。
 その最初は彼が学生の時でした。  エディーの母は、エディーが高校1年生を終えると、ヴァージニア州のフォーク・ユニオン・ミリタリー・アカデミーに送り、残りの2年間をそこで生活させました。
 ジョージは厳格な軍事訓練を受けて育ったので、多くのスター高校生アスリートよりもかなり遠慮がちになりました。
 ジョージはオハイオ州立大でハイズマントロフィーを受賞、バッカイズ史上第2位の3,768yds、第3位の44TDをマークしましたが、彼はスターティングRBとして輝きを放つ機会を得られるまで、忍耐と強い決断力を持たなければなりませんでした。
 彼が1年生のときのシーズンに、シラキュース大との一戦で控えRBながら、3TDをマーク、チームに23-12の勝利をもたらし、カレッジフットボールシーンに存在をアピールしました。
 その2試合後のイリノイ大戦で、激しいビッグテンのゲームにおいて、彼はエンドゾーン目前にして2つのファンブルを犯し、チームは18-16で敗れるという洗礼を浴びることになりました。
 それ以来、ジョージはヘッドコーチ、ジョン・クーパーにひどく嫌われ、1年半の間疎外され続けたのです。
 しかし、エディー・ジョージは練習を続け、多くの才能溢れるRBが揃うオハイオ州立大で3年次にようやく先発の座に就くと、残りの大学生活で大成功を収めました。
 オハイオ州立大では、彼はつねに勝とうが負けようが、品格と威厳をもって対処してきました。
 他の選手が勝利のうちに喚起に沸いて、胸をたたき、こぶしを突き上げる中で、メディアとの接触を断る中で、彼は何度かあった苦い敗戦の後でも、他のOSUの選手と一緒にメディアのインタビューに応じました。
 私は、エディー・ジョージがオハイオ州立大で学んだいくつかのレッスンが、彼が良いときもあれば、悪いときもあるNFL生活の中で、そこまで謙虚で品格を持っていられる理由だと思います。
 彼はNFLで最高のRBになりたがっていますし、その目的を達成するために一生懸命努力しています。
 彼はまだ若干26歳です。  私はみなさんが、エンドゾーンに向かって、そしてチームの勝利に向かって、フィールドで第2、第3とエフォートをするエディー・ジョージを、これまでに書かれた内容を思い起こしながら、見続けていって欲しいです。

SEE YOU NEXT TIME
Bill Marklevits


back number
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#113 「NFLの完璧な勝利」
#112 「NFL2004年ドラフト レビュー」
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#108 SUPER BOWL 38 レビュー
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