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写真左、ペン・ステイト時代のコートニー、ブラウン。
写真右、同じく大学時代のラヴァー・アーリントン。
寒々とした中西部、11月のある日の午後、ビッグテン・カンファレンスのシーズン最終戦。
私は、ホームのミシガン州立大がウォーミングアップしている間、ペン・ステイトのディフェンス陣をチェックしていました。
飾りっけのない白いジャージに身を包んだ、#86コートニー・ブラウンは、196cm、124kgのDEとは思えないクイックネスで、まず私の眼を捕らえました。
スターLBラヴァー・アーリントンもウォームアップをしていましたが、ケガで欠場というシーズン最終戦となりました。
GAORAでの放送の最後で、私はともに上位指名が確実なので、NFLドラフトでは、「アーリントンとブラウンに注目してください」と言っていました。
◇HOT◇OFF◇THE◇GRIDIRON◇
1月、私はアメリカンフットボールマガジンの中で、ドラフトのプレビュー記事を書き、ラヴァー・アーリントンを私のナンバーワンピックとしていました。
私がラヴァーをナンバーワンにした理由は、彼はゲームを支配でき、ビッグプレーを演じることができる素晴らしいLBだからです。
1998年イリノイ大とのゲームで、アーリントンは、相手RBエルマー・ヒックマンがボールを受け取る、ちょうどそのタイミングには、センターを飛び越し、RBヒックマンにロスタックルを浴びせていました。
この「ラヴァー・リープ(ラヴァーのひとっとび)」は、98年カレッジシーズンのハイライトで、最もよく目にしたプレーの一つとなりました。
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ドラフトの2日前、クリーヴランド・ブラウンズはまだ自分たちの全体1番目指名権をどう使おうつもりか、表明していませんでした。
彼らはアーリントンにも非常に興味を示していました。
そして、1年前のティム・カウチがそうだったように、ブラウンズはアーリントンにもまた、ドラフトの前に、条件についてなんらかの意思表示をしてほしかったのです。
しかし、カウチとは異なり、アーリントンは事前のサラリーの交渉を望まず、むしろ確実視された高い順位での指名を交渉の道具にしたかったのです。
しかも、アーリントンはドラフト前日にブラウンズから電話があったにもかかわらず、ブラウンズへ興味がなかったアーリントンはこれに応じませんでした。
これにより、彼はスーパーボウルに出場する可能性の高いワシントン・レッドスキンズへの入団を希望していることを知らしめることになりました。
果たしてドラフトで全体2番目指名を受けたアーリントンは、その指名順位にふさわしいサインボーナス、1,000万ドル(約10億5千万円)を受け取りました。
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もし、アーリントンが出ているペン・ステイトのゲームを一度も見たことがなければ、彼はローレンス・テイラー以来のルーキーだといえば、想像がつくでしょうか。
もし、あなたが若くて、LT(ローレンス・テイラー)を見たことがないならば、彼は「On
Any Given Sunday(邦題:エニィ・ギブン・サンデー)」に出てくるマイアミ・シャークスの金歯をしたハードヒッターの選手といえばよいでしょうか。
映画の "LT" とは違って、アーリントンがRBの目玉が飛び出るくらいのハードなヒットをするとは思っていませんが、彼は間違いなく、信じられないようなプレーを披露してくれるでしょう。
ジャンプ力ではマイケル・ジョーダン級のものをもっているアーリントンは、昨シーズン何回かのパントブロックを披露。
インディアナ大では、ヘリコプターのようにスクリメージライン上を浮き上がったかと思うと、37ydsのFGアテンプトを見事にブロックしました。
しかも、ボールが当たったのは彼の胸だったのです。
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今オフのワシントン・レッドスキンズは、全チーム中最も補強をしたチームでした。
昨年、レッドスキンズはラムズに次ぐ、リーグナンバー2のオフェンスを持ちながらも、ディフェンスは毎試合24点、360ydsを献上しつづけてきました。
このオフシーズンに、レッドスキンズは、フリーエージェントのベテランDEブルース・スミスをビルズから、ハードヒッティングで知られるFSマーク・キャリアーをライオンズから、そしてCBディオン・サンダースをカウボーイズからそれぞれ獲得しました。
昨年30位だったディフェンスが突然、恐ろしいものに見えてきました。
ベテランDTダン・ウィルキンソン、DTダナ・スタブルフィールドがインサイドで、ブルース・スミスをエンド、そしてキャリアーがフリーセイフティの位置からヒットし、ディオン・サンダースが依然としてリーグ最高のカバーコーナーバックとして健在、さらにはもうすぐ40歳になろうかというダレル・グリーンが相変わらずリーグ最速の足を持って控えているというのですから。
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このディフェンスが機能するかの鍵は、アスリートルーキーLBラヴァー・アーリントンがいいプレーを見せられるかどうかにあります。
HCノーヴ・ターナーは、3rdダウンのパッシングシチュエーションでDEにアラインさせ、パスラッシャーとして相手にプレッシャーをかけさせるつもりだ、とこれまでも何度か言っています。
ピッツバーグのノース・ヒル高校時代にRBとLBとしてパレイド・ナショナル・プレーヤー・オブ・ザ・イヤーに輝いた191cm、113kgのアーリントンは、ペン・ステイトで先発した2年間で37のロスタックル、16QBサックをマークしてきました。
アーリントンはディフェンスに不足していたインパクトをチームにもたらすものと思われます。
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違う時代に育ったラヴァーのお父さん、マイケル・アーリントンもまた、素晴らしいアスリートでした。
残念ながら、プロになるチャンスはありませんでしたが。
高校を卒業したばかりの当時19歳のマイケルは、1969年8月米軍兵士としてベトナムへ派遣されました。
しかし、ベトナムへ派遣されてから2週間目に、ベトコンとの戦闘中、戦車から落ちたマイケルは、戦車に足をひかれるという大事故に遭ってしまいました。
すぐに日本の米軍基地内の病院に搬送され、手術が施されましたが、その甲斐なく両足を失ってしまいました。
これ以来、ラヴァー・アーリントンの父、マイケルは義足での生活を余儀なくされたのです。
しかし、今、ラヴァーは、父が果たせなかったプロフットボールプレーヤーという夢を、父に与えようとしているのです。
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クリーヴランド・ブラウンズのコートニー・ブラウンは、すぐにインパクトをアピールできる重要なDEのポジションで、若いブルース・スミスといったタイプの選手です。
ティム・カウチ同様、ブラウンもドラフトデーより前に契約に合意した選手です。
このことはべつに驚くべきことではありません。全体1番目指名なのですから。
ブラウンズはドラフトの日、カウチを送りこみ、ブラウンとひき合わせました。
ブラウンズは向こう数年ディフェンスの核として活躍するであろうブラウンを、同じくオフェンスの核として活躍していくだろうカウチにエスコートさせたのです。
今やブラウンズの将来を担うこの二人ですが、実は2年前の1999年ペン・ステイトがケンタッキー大を破ったアウトバック・ボウルで対戦しており、ブラウンがカウチにサックを決めています。
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伝説のHCジョー・パターノは、コートニー・ブラウンは彼がペン・ステイトでコーチをした51年間で最高のディフェンスエンドだと言い続けてきました。
ブラウンはペン・ステイトの2年生で先発の座に就きましたが、親指を脱臼したため、手術を行い、複数の固定用ピンを埋め込みました。
彼は残りのシーズンをとしてプレーしましたが、それでも6QBサック、15のロスタックルをマークしました。
彼が3年生のときには、ブラウンは11QBサック、23ロスタックルをマーク。
そして4年次の昨年は13QBサック、29ロスタックルとそれまでの自身の数字のさらに上を行きました。
彼は通算で33QBサック、70のロスタックルをマーク。
これらはいずれもペン・ステイトレコードとなりました。
ブラウンズのHCクリス・パルマーは、相手チームにダブルチーム、トリプルチームされても、プレーし続けるコートニー・ブラウンをフィルムで見て、高い評価をしています。
「ブラウンはとても、とてもいい選手になるよ。シングルブロック(一人)で止められないだろう」
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コートニー・ブラウンは、サウスカロライナ州アルヴィンという人口たった800人という小さな町の出身だったこともあり、非常に物静かで、取材されることを好みません。
ブラウンは、高校時代にパーフェクトの4.0評定を、ペン・ステイトでも3.4GPA(Grade
Point Average)を獲得する優秀な生徒でした。
多くのNFLドラフト上位指名者は、ドラフトの前に学校を辞めてしまいますが(何人かの選手は学位を完了するためにオフシーズンに大学に戻ったりしています)が、ブラウンはそうしませんでした。
コンピューターグラフィックスの学位を修めたかったのです。
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ブラウンとアーリントンはNFLドラフト史上3組目となる大学のチームメイトによるナンバーワン・ツーピックとなりました。
最初のペアは1967年、ミシガン州立大のDEバッバ・スミス(コルツ、全体1番目指名、映画「ポリス・アカデミー」に出演するなど、現在は俳優として有名)、RBクリントン・ジョーンズ(ヴァイキングズ、同2番目)の2人、2組目は1984年、ネブラスカ大のWRアーヴィン・フライヤー(ペイトリオッツ、同1番目)、OGディーン・シュタインクーラー(オイラーズ、同2番目)の2人でした。
ブラウンとアーリントンは親友ですが、性格は全く正反対の2人です。
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アーリントンは短気でパッと席を立ってしまうようなタイプですが、ブラウンは非常に礼儀正しく、物静かな人間です。
40ydsダッシュで4.3秒を叩き出してやろうと目論んでいたアーリントンは、ドラフト前のワークアウトで、このように宣言しました。
「俺はフットボール界のヴィンス・カーター(NBAのスター選手)になるんだ。NFLのスカウトたちがこれまで見たことないようなパフォーマンスを見せてやる。俺はLBだが、WRピーター・ウォーリックより速い、いい選手だぜ!」
一方、ブラウンはペン・ステイトで行われたプロ・スカウト・デーを前にして、彼の担当教授にこのように話しました。
「今日の午後についてはお許しいただけますか。私は準備のために時間が欲しいのです」
アーリントンはビッグプレーをした後、恐らくファンの前でダンスを踊り、アピールすることでしょう。
その一方で、ブラウンは昨年のパーデュー大戦で、オールアメリカンのQBドリュー・ブリーズのパスをティップして、それをインターセプト、さらにこれをTDに結び付けようと25ydsリターンを見せました。
プレーは惜しくもTDとはならなかったものの、ブラウンは礼儀正しく審判にボールを手渡しました。
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最近では、NFLのタレントスカウトたちは、カレッジでの成績よりもドラフト前のワークアウトを重視するようになっていますが、ブラウンは196cm、124kgのDEとしは前代未聞ともいえる40ydsを4.53で走るなど、まさに今年のチャンピオンでした。
アーリントンが102kgのベンチプレスを20回あげたのに対して、ブラウンは26回あげました。
アーリントンは彼にとっては最悪のワークアウトでした。
通常102cmを跳ぶ垂直跳びも、この日はわずか94cmにとどまり、度肝を抜いてみせようとしていた40ydsも4.51と、スカウトがこれまでに見たことのなかったものではありませんでした。
それでもピーター・ウォーリックよりは若干速くはありましたが。
ブラウンは垂直跳びでも、DEとしては優秀な92cmを記録したのです。
◇HOT◇OFF◇THE◇GRIDIRON◇
私はあなた方がこれまでに知り得たものよりも、より多くの2人の情報をお話しできたと思います。
だれがプロの選手として成功するかは、時間が経てば分かることでしょう。
アーリントンはスーパーボウルに出場する可能性の高いレッドスキンズに入団しました。
一方で、ブラウンはティム・カウチ同様、まだ2年目でこども扱いのブラウンズを強くするという重荷を背負うことになりました。
私はこの2人のペン・ステイト出身者を見守っていくつもりです。
重大なケガさえなければ、2人とも将来、プロボウラーになるでしょう。
この先、あなたはラヴァー・アーリントンの口から、汚く、燃え立つような言葉を聞くことになるでしょう。
対して、コートニー・ブラウンの口から多くのことを聞くことはないでしょう。
まぁ、いずれにせよ、2人のビッグプレーハイライトシーンをたくさん見られることを楽しみにしてましょう。
◇HOT◇OFF◇THE◇GRIDIRON◇
次回、私はダラス・カウボーイズがここ数年欠いていたゲームブレーカーとして多くの期待がかかるWRジョーイ・ギャロウェイについてお話ししたいと思います。
どうぞ、お楽しみに。
SEE YOU NEXT TIME!
Bill Marklevits
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