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HOT OFF THE GRIDIRON #43
「新HCゲイリー・モーラーは、ライオンズに覇気をもたらす!」
 
インタビューに応じるライオンズ新HCモーラー ポストゲームインタビューでのHCモーラー HCモーラーのかつての教え子、KRデズモンド・ハワード
 

 ホームのドルフィンズ戦で輝きを失ったまま23-8と敗れた直後にボビー・ロスが突然辞任した後、新HCゲイリー・モーラーが就任して、再びねじをまき直し、集中力を高めたデトロイト・ライオンズは、3勝0敗でスタートしました。
 しかし、第14週に、NFLで現在最も調子のいいヴァイキングズに24-17で初めて負けてしまいました。
 その試合の1Qに、ライオンズのスターティングQBチャーリー・バッチが痛めていた肋骨を悪くしてしまいました。
 このため、セカンドQBストーニー・ケイスが登場、230ydsを投げ、4Qにはカムバック(逆転)する機会もありましたが、エンドゾーンにはついに届きませんでした。
 あと2カ月で60歳になるモーラーは、NFLよりもカレッジフットボール界が長かったコーチで、彼のNFLヘッドコーチへの道のりは他のコーチたちとはやや違うものでした。
 カレッジフットボール界のトップコーチ職を辞任に追いやられてから、6年後にNFLのヘッドコーチとなることができた有能な男のことをラッキーと呼ぶより他はありません。 落胆し、疲弊し切ったように見えたボビー・ロスは、ドルフィンズに敗れた直後の11月5日に、デトロイト・ライオンズのコーチ陣は、実行力に乏しく、熱心に関与していくこともないのが問題だ、とぶちまけました。
 ジョージア工科大で全米チャンピオンに輝き、サンディエゴ・チャージャーズではスーパーボウル進出を果たしたロスは、素晴らしいフットボールコーチでした。
 しかし、ここ3年はライオンズの首領(ドン)ともいうべきスターRBバリー・サンダースの突然の引退、27勝32敗の不振もあり、すっかり疲れ切ってしまっていました。
 ロスがメディアに、「家に帰って、妻と話し合う」と打ち明けたときに、すぐにロスが辞任するかもしれないとの憶測が広がり、翌朝にはまだ5勝4敗でプレーオフ進出を射程に捉えているにもかかわらず、辞任することが確実になりました。 ミシガン大での18年間のアシスタントコーチ生活と、不振に終わった(6勝24敗3分、勝率.227)、3年間のイリノイ大でのヘッドコーチ生活を経て、ゲイリー・モーラーは1990年有名なミシガン大のコーチ、ボー・シェムベクラーの後継者となりました。 ミシガン大ののモーラーは、44勝13敗3分を成績を残したほか、3度ビッグテンカンファレンスを制し、新年のボウルゲームで
4-1 のレコードを樹立しました。
 モーラーが指揮したミシガン大はつねにランキング20位以内でシーズンを終えました。
 伝統校ミシガン大のヘッドコーチとして、ゲイリー・モーラーは、コーチング職でトップに位置されるようになりました。
 彼は1995年春のある晩、デトロイトのレストランでつい飲みすぎ、数時間のうちに全てを失うことになります。
 私が他のコーチたちに聞いてみたところ、コーチの間でも彼がコーラ以外、お酒を飲んだところを見たことがないと言われている、滅多にお酒を飲まないモーラーはレストランに退席を求められて、激高し、警察が呼ばれるほどの騒ぎを引き起こしてしまいました。
 酔っ払ったモーラーが騒ぎを続け、警察といる姿がテレビレポーターにより報じられると、まもなくミシガン中でトップニュースとして扱われました。 騒ぎの模様に困惑したミシガン大は、モーラーに辞任を求め、モーラーは後悔のうちに辞任することになりました。
 おそらくはミシガン大ウルヴァリンのフットボールチームに依然大きな影響力を持つ、かつてのコーチ、ボー・シェムベクラーの主張によるものだったのでしょう。
 事件の後、世間的に辱めを受けたモーラーは、シンシナティ・ベンガルズのTEコーチとしてNFLへその場を移しました。<ゲイリー・モーラー コーチングキャリア>
1964〜66年 ヘッドコーチ        オハイオ州ベルフォンテイン高校
1967〜68年 フレッシュマンコーチ    オハイオ州マイアミ大
1969〜72年 ラインバッカーコーチ    ミシガン大
1973〜76年 守備コーディネーター    ミシガン大
1977〜79年 ヘッドコーチ        イリノイ大
1980〜89年 攻撃/守備コーディネーター ミシガン大
1990〜94年 ヘッドコーチ        ミシガン大
1995〜96年 タイトエンドコーチ     シンシナティ・ベンガルズ
1997〜99年 アシスタントヘッドコーチ/ラインバッカーコーチ  デトロイト・ライオンズ
2000年   ヘッドコーチ        デトロイト・ライオンズ ロスが突然辞任し、オーナーのウィリアム・クレイ・フォード(米国自動車メーカー、フォード社の創始者ヘンリー・フォードの孫)が新しいヘッドコーチを見つけなければならなくなったときに、アシスタントヘッドコーチのギリー・モーラーが真っ先に候補に挙がりました。
 引退していたボー・シェムベクラーはモーラーに、「長期政権ならその仕事を引き受けろ、繋ぎのヘッドコーチなら受け入れるな」と助言しました。
 フォードはモーラーに3年契約を提示し、こう付け加えました。
「彼はチームの全責任を負い、彼がチームにフィットする選手とコーチの人事権を与える。」
 私は彼はやれると確信しました。
 彼はミシガン大で成功したように、大きなフットボール組織での経験があったからです。
 ミシガン大でシェムベクラーの推薦があったように、モーラーはボビー・ロスからの強い薦めがありました。 モーラーはこう話しました。
「デトロイト・ライオンズは際立った選手が揃っている。今出来上がっているチームを最大限利用することが今の私たちの仕事だ。私は再びヘッドコーチをすることができて本当に、本当にうれしい。私はチャレンジできることが嬉しい」
 NFL創成期からのチームの一つであるライオンズは、これまでスーパーボウルに出場したことがありません。
 1972年以降、就任したコーチは全員負け越しているので、ライオンズのヘッドコーチ職は、コーチにとって墓場となってきました。 毎朝6時には仕事を始めているモーラーは、チームに覇気をもたらそうとしています。
 彼のカレッジスタイルのやり方が高給をもらっている大人のNFL選手に通用するかどうかには、多くの人が疑問を唱えています。
 モーラーはベテラン選手のことを「上級生」、ルーキー選手たちを「新入生」、そしてチームリーダーのことを「4年生」と呼んでいます。
 ライオンズの練習は激しさを増していますが、選手たちはこれに応えています。
 モーラーは恐らく、運にも恵まれているのでしょう。
 彼のデビュー戦となったホームでのファルコンズ戦を13-10と勝利した後、彼のかつての教え子であるミシガン大の出身者たち(KRデズモンド・ハワード、DBコーウィン・ブラウン、DEジェームス・ホール)が協力して、彼にゲームボールをプレゼントすることにしました。
 ホールはモーラーに、ミシガン大が勝った時に必ず歌う「ヘイル・トゥ・ザ・ヴィクターズ(Hail
to the Victors)」を歌わせようとさえしましたが、モーラーはそうではなく、ライオンズ・ファイト・ソングを歌おうと話しました。 ヘッドコーチとして最初のロードゲームで、ライオンズは強敵のニューヨーク・ジャイアンツに敗れるだろうとの見方が大宗を占めていました。
 モーラーのライオンズは奮起し、モーラー時代の、かつてのハイズマントフィー受賞者、デズモンド・ハワードのビッグパントリターン、キックオフリターンなどもあり、ジャイアンツを31-21とワンサイドゲームで下しました。
 サンクスギヴィングデーでは、わき腹のケガをおしてプレーしたQBチャーリー・バッチがモーラーにNFL3勝目をもたらしました。
 ロスの下では能力を発揮できなかったかつてのオールプロWRハーマン・ムーアも再びレシーブを見せるようになりました。
 試合に勝つ毎に、カレッジのコーチが昔からよく言うような次のような言葉をチームに話します。
「私たちはプレーオフに目を向ける必要はない。毎試合、そのゲームに集中してい
くんだ」 8勝4敗(第13週終了時)のライオンズはプレーオフ進出が確実となっていますが、ライオンズは、ヴァイキングズを含め、残り4試合中3試合をロードで戦わなければなりません。
 モーラーは力のある選手に、なされるべきであったエナジーを投入し、彼らもカレッジスタイルのやり方によく応えているように思います。
 モーラーとは40年間の付き合いとなるシェムベクラーは、こう評します。
「モーラーは完成したフットボールコーチだ。彼はおそらくNFLで最も両サイド、オフェンスとディフェンスについての知識があるコーチだろう。」 モーラーは、選手たちがお互いにコミュニケーションを取り合い、信頼し合うような関係になることを望む選手のコーチです。
 カレッジのコーチのように、彼はライオンズの選手たちが、一つのファミリーのようになること、お互いに親密になることを望んでいます。
 また、彼はチームにパッションを持って臨むこと、とくに戦いをするという観点からメンタルな面で集中力を高めることを求めています。 モーラーのミシガン大時代、そして今のライオンズ時代を知り、みなさんもモーラーを応援したくなったことでしょう。
 彼は負け越しの記録を残して墓場へと向かうもう一人のライオンズのコーチとなるでしょうか、それとも、スーパーボウルに導く最初のコーチとなるでしょうか。
 それは「時のみぞ、知る」です。
 2度目のチャンスを得た男を見るのは元気付けられるものです。
 モーラーは勝つたびに、より大きなサポートを得ようとしているのですから。SEE YOU NEXT TIME!
Bill Marklevits<次回予告>
 そろそろ、フットボールコーチが移動する時期となりました。
 そこで、次回はNFLとカレッジのヘッドコーチが替わるチームのレポートをします。
 おたのしみに! 


back number
#115 「リッキー・ウィリアムズの引退はドルフィンズを茫然とさせました。」
#114 「ペイトリオッツは昨年よりもよいチームとなっているようです。」
#113 「NFLの完璧な勝利」
#112 「NFL2004年ドラフト レビュー」
#111 「マニングの願いが叶いました。」
#110 「“NFLドラフト 第1位指名権の行方は?”」
#109 「クラレットのルールへの挑戦は、NFLの根本を揺るがすものです。」
#108 SUPER BOWL 38 レビュー
「ブレイディがペイトリオッツを再びスーパーボウル勝利に導きました。」
#107 「SUPER BOWL XXXVIII プレビュー」
#106 「ファーヴがグリーンベイにマジックをまた取り返しています。」
#105 「ハイズマントロフィーが必ずしもNFLでの成功を確約するわけではありません。」
#104 「バッカニアーズからマジックが消えてゆきました。」
#103 「マービン・ルイスはベンガルズをプレイオフへ導く勢いです。」
#102 「ヴァイキングスは今、NFCで注目のチームです。」
#101 「ディック・ヴァミールはチーフスを好調の波に乗せました。」
#100 「モーリス・クラレットとポール・タグリアブーの対決」
#99 「バッカニアーズはNFLで最高のチームです。」
#98 「全米連覇を狙うオハイオ州立大学」
#97 「ジョン・グルーデンは連覇を狙います」
#96 「トミー・マドックスにどのぐらいの価値があると思いますか?」
#95 「NFLチームがロサンゼルスに戻る日は?」
#94 最善のオーバータイム方式とは?
#93 「NFL のチームはドラフトでディフェンスの選手を探しました。」
#92 「チャールズ・ロジャーズはドラフトで注目のトップアスリート」
#91 「カーソン・パーマーのインタビュー」
#90 「5人の新ヘッドコーチ」
#89 「グルーデンは高くなかった」
#88 「ジョン・グルーデン・ボウル」
#87 「マイケル・ヴィック − 君はどんな活躍をみせてくれるんだい?」
#86 「NFLで最も優れたチームはどのチームでしょうか」
#85 「モーリス・クラレット」
#84 「ジェイク・ポーターのタッチダウン」
#83 「エミット・スミスと偉大なラッシャー」
#82 「デトロイト・ライオンズの新しいスタジアム」
#81 「デイヴィッド・カーの試練」
#80 「大学街でのNFL」
#79 「2002ビッグテンカンファレンス プレビュー」
#78 「マイアミ大学ハリケーンズ、2連覇なるか?」
#77 「スティーヴ・マリウーチとトム・イゾー こどものころからの大親友 (後半)」
#76 「スティーヴ・マリウーチとトム・イゾー こどものころからの大親友 (前半)」
#75 「イーストコーストオフェンスがNFLにやってきた」
#74 「フットボールとサッカー」
#73 「さよなら、クリス・カーター」
#72 「プロフットボールの底辺は”アリーナフットボール2”」
#71 「ドラフトを振り返って」
#70 「新しいエクスパンションチーム、ヒューストン・テキサンズは、2002年のNFLのドラフトで、ナンバーワンピックを取るでしょう。」
#69 「ジョン・グルーデンとアル・デーヴィス」
#68 「ペイトリオッツが示しました。みんなが間違っていたと!」
#67 「第36回スーパーボウルプレビュー」
#66 「天はニューイングランドに味方した!」
#65 「マイアミ大は押しも押されもせぬ全米チャンピオンです」
#64 「カレッジフットボール シーズン回顧」
#63 「ブレット・ファーヴは、NFL史上最強の鉄人QBです」
#62 「ダ・ベアーズ」
#61 「ペンステイトのパターノが、NCAA通算最多勝利を記録」
#60 「フットボールと戦争」
#59 「第3週を終わって、チャージャーズがまだ負けていません!」
#58 「フットボールが戻ってきました。しかし、以前と同じではあるはずがありません!」
#57 「どのチームがローズボウルに進出するでしょうか?」
#56 「ヴァイキングズWRランディー・モスがついにNFL最高給選手です!」
#55 「ハイスクールNo.1QBがオハイオ州立大学入学を決意!」
#54 「ジェリー・ライスとサラリーキャップ」
#53 「2002年 NFL再編成」
#52 「NFLドラフトレビュー」
#51 「NFLドラフト全体1番目指名権を持つ男、チャージャーズの新エグゼクティヴ・ヴァイス・プレジデント兼ゼネラルマネージャー、ジョン・バトラーとのインタビュー」
#50 「NFLドラフト プレビュー」
#49 「NFLセカンドシーズン」
#48 「RBロバート・スミス引退!」
#47 「NFLコーチに対する勝利へのプレッシャーはどんどん上昇しています!」
#46 「レイヴンズがスーパーボウル優位!」
#45 「NFLプレーオフには、フットボールの興奮が詰まっています!」
#44 「12月はコーチの入れ替わる時期です」
#43 「新HCゲイリー・モーラーは、ライオンズに覇気をもたらす!」
#42 「レイダースが、AFC各チームをびびらせています!」
#41 「ダンテ・カルペッパー、ヴァイキングスをNFLトップに導く」
#40 「ラムズオフェンスは、NFL史上最高に得点力のある攻撃なのです」
#39 「多くの日本のNFLファンには辛い時期ですね」
#38 「カレッジシーズン、キックオフ!」
#37 「フットボールの匂いが漂ってきました!」
#36 「ジョーイ・ギャロウェイ〜カウボーイズ期待の選手」
#35 「チームメイトだったブラウンとアーリントンがドラフト1-2番目」
#34 「ミシガン州立大とNFLドラフト」
#33 「エディー・ジョージ "THE BEAST"」

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