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HOT OFF THE GRIDIRON #48
「RBロバート・スミス引退!」
 

 「私にとって悲しい出来事は、長く居すぎることだ」
 ミネソタ・ヴァイキングズ史上のリーディングラッシャー、RBロバート・スミスはしばしばチームメイトにこのように話していました。

 1,521ydsを走ってNFCのリーディングラッシャーになり、ヴァイキングズの通算ラッシング記録を破るなど、NFL在籍8年間で最高のシーズンを送ったスミスですが、今月始めに突如引退を表明し、フットボール界に衝撃を与えました。


 ロバート・スミスはバリー・サンダース同様、引退の記者会見を開かなかった代わりに、彼のユークリッド高校時代から、オハイオ州立大バッカイズまでを追いかけ続けたオハイオの記者にe-メールを送っただけで済ませました。

 スミスも、サンダースのように、つねにメディアと距離を置く人間でした。

 引退を宣言する彼の言葉は次の通りです。
「私の選手生活を通じて、私を信頼してくれたチームメイト、コーチに感謝の言葉を述べたい。私がどんなに感謝しているのかはお分かりいただけるだろうが、私が良い時にも、悪いときにも、その存在が私にとってどんなに支えになったかを言い尽くすことはできない。コーチ、グリーンとそのスタッフの下、ヴァイキングズが成功を続けることを祈っています。」


 まだ28歳のスミスは、つねに一生懸命プレーするランナーでした。

 ハイニースタイルで知られるスミスは、彼の選手生活で初めて、ヴァイキングズの全ゲームに出場することができた昨年まで、毎年ケガによってシーズンを途中で終えてしまっていました。

 私は昨年の10月、雨のサンデーナイトNFCライバル対決、ヴァイキングズ対ベアーズ戦をソルジャーフィールドで観戦しました。

 この日は、ホームのベアーズが、スタールーキーMLBブライアン・アーラカーがQBサックのチームルーキー記録を更新するなど、力強いスタートを切りました。

 ヴァイキングズは苦戦しているように見えました。
 RBロバート・スミスがサイドライン際を駆け抜けるロングTDランを決めるまでは。

 このTDの後、ヴァイキングズのチームメイトたちが、TDと、RBチャック・フォアマンの通算ラッシングヤードのチーム記録(5,879yds)を破ったスミスを祝福している姿を目撃しました。

 しかし、スミスは次の瞬間には、次の攻撃シリーズに備えて、ベンチに座りながら、黙々とひざ上げを繰り返していました。

 ロバート・スミスもこの後ビッグゲインを繰り返し、100ydsを突破。
 チームに28-16のロードの勝利をもたらし、プレーヤー・オブ・ザ・ゲームを受賞しました。

 勝利の後、他の選手、スタッフが引き揚げたあとも、WRクリス・カーター、WRランディー・モス、QBダンテ・カルぺッパーが以前として長いインタビューを行っている間に、スミスは素早くシャワーを浴び、すでに帰りのバスに向かっていました。


 ゲーム後、私は、2000年NCAAチャンピオンのミシガン州立大バスケットボール部ヘッドコーチ、トム・イッゾに会いました。
 イッゾは49ersのHCスティーヴ・マリウッチの親友で、自身もフットボールを大変愛している人物です。

 自身も高校時代は名RBだったイッゾは、私に次のように言いました。
「ビル、私は彼がOSU(オハイオ州立大)にいたときから、彼のことが気に入っていたよ。彼はつねに一生懸命走る選手だからね」

 すべてのRBが毎プレー、ベストを尽くすわけではありません。
 しかし、ロバート・スミスはそれをした一人でした。


 ロバート・スミスは今季フリーエージェントになる予定で、プロボウル連続ノミネートの過去3シーズンからフリーエージェントとして多額なサラリーをを要求できるはずでした。

 私はヴァイキングズでの8シーズンを鑑みると、ざっくり見積もっても2,000万ドルは稼げたはずです。

 さらに、もう2〜3シーズン堅調な成績を残せれば、その2倍はいったでしょう。

 サラリーキャップに悩むヴァイキングズは、3月2日までのデッドラインまでに、約1,400万ドルをカットする必要があり、スミスが引退したにもかかわらず、LBエド・マクダニエルズの契約内容を再構築しなければならなかったほどです。


 私は概して言えば、スミスの引退表明について驚くことはありませんでした。
 というのも、他のだれの物でもない、彼自身のタイムテーブルによれば、彼は長い間いろいろなことを成し遂げてきたわけですから。

 広く注目を集めたオハイオ州ユークリッド高校出身のハイスクール・オールアメリカン、ロバート・スミスは、1989年に、年間全米最優秀男性学生選手賞(theNational
Male Scholar Athlete of the Year)に選出されました。


 1990年には、本当の1年生のとき、ロバート・スミスは、カレッジフットボール史上唯一2度ハイズマントロフィーを受賞したアーチー・グリフィンが1972年に作ったオハイオ州立大のルーキーラッシングレコード(867yds)を更新する、1,126ydsを走り、UPI新人賞(the
UPI National Freshman of the Year)を獲得しました。


 スミスは輝かしい成績を収めた1年生シーズンを終えた時点で、彼は、学業に専念するためにフットボールを辞めると宣言して、オハイオ州立大HCジョン・クーパーとフットボール界を驚かせました。

 その時に、スミスは医者になるための準備をするために時間を使いたい、部活は勉強の時間を奪ってしまう、と述べたのです。

 1991年シーズンをプレーしなかったスミスは、1992年シーズンにフットボールフィールドに戻り、オハイオ州立大を救いました。
 彼はチームのリーディングラッシャーとなり、終盤5試合で平均119ydsを走る活躍を見せたことで、オールビッグテンカンファレンスのセカンドチームに選ばれました。

 ハイニーでスプリンターのような走り方のロバート・スミスは、NCAAチャンピオンのオハイオ州立大1,600m(4×400m)リレー選手の1人でした。
 1993年のこの時のタイムは、同年の世界新記録でした。

 カレッジ時代、スミスは実際、フットボールより陸上が好きでしたが、彼は上手いこと、彼のスプリター体型とストライドをフットボールタイプに当てはめたのです。

 それから、スミスはアーリーエントリーで、NFLドラフトへ進む決意をして、ヴァイキングズからドラフト1巡目全体21番目指名を受けたのです。
 スミスはまだ、このとき、大学で2シーズンプレーする資格がありました。

 彼のヴァイキングズでの最初の4年間も大器の片鱗を見せましたが、両膝の重大な故障などもあり、23試合を欠場するなど、つねにケガと戦っていたようです。

 その後も、ロバート・スミスは、足首、ひじ、ヘルニアなどに悩まされ、昨シーズンも、右ひざの靭帯を伸ばし、終盤5試合では248ydsと奮いませんでした。

 不幸にも、ヴァイキングズはNFCチャンピオンシップゲーム、ニューヨーク・ジャイアンツ戦で序盤早々にリードを許してしまったため、ヴァイキングズは昨季のチームの強みだったランとパスのバランスの取れたオフェンスを展開することができず、スミスという武器を十分生かすことができませんでした。


#26 ロバート・スミス 通算ラッシング成績
年度 ラン回数 ラン獲得ヤード 平均 TD
1993   82     311    4.9  2
1994   31     106    3.4  1
1995  139     632    4.5  5
1996  162     692    4.3  3
1997  232    1,266    5.5  6
1998  249    1,187    4.8  6
1999  221    1,015    4.6  2
2000  295    1,521    5.2  7
通算  1,411   8,818    4.8  32


 シーズン終了後、スミスは右ひざの緩んだ靭帯の手術を行いましたが、医者は大変なリハビリが必要だと言い渡しました。
 ロバート・スミスはそれを繰り返すのが嫌だったんだと思います。

 スミスはここ吸うシーズン、毎年1,000yds超をマークしてきましたが、私には、彼が3度目となる大きなリハビリを経験したいと思わないことの想像がつきます。

 NFCチャンピオンシップでニューヨーク・ジャイアンツに敗れたことで、その考えが彼の精神に影響を及ぼしたかも知れません。


 ハードワーキングのRBを愛するフットボールファン同様、ヴァイキングズファンは、ロバート・スミスがいなくなることを残念がるでしょう。

 彼はこれまでも興味を示していた遺伝の研究もしくは天文学に時間を割こうと考えています。
 しかし、やはり、ロバート・スミスがいってしまうのは、残念で仕方ありません。

 これにより、ヴァイキングズは、サラリーキャップ枠でかなり余裕ができましたが、デニス・グリーンに、ベンガルズのフリーエージェントで高額のコーリー・ディロンを走らせるほどの余裕はありません。


 ヴァイキングズのコーチ、デにス・グリーンは、昨季、NFLで最高のオフェンスを擁していましたが、それでもスーパーボウルへ導くことはできませんでした。

 「私たちはすべてのチームを上回ることはできない。時には、素晴らしいディフェンスが、素晴らしいオフェンスを破ることもあるだろう。それはちょうど、レイヴンズの成功について書かれているものと同様だと思う。」

 グリーンとヴァイキングズはまず、壊滅状態のディフェンス、CBだけでなく、ディフェンスライン、セイフティなどを改善するためにフリーエージェントに注目するでしょう。

 代わりがそうそういるわけでもないロバート・スミスの穴を埋めるために、ヴァイキングズはドラフトに力を注ぐでしょう。
 もしくはブロンコズのRB陣−オランディス・ゲイリー、テレル・デーヴィス、もしくはオフェンスの新人賞のマイク・アンダーソン−に目を付けることになるかもしれません。


 インディアナポリスでのルーキー・コンバインはまもなく開催されます。
 次回は4月に行われるNFLドラフトに登場するスター選手たちに注目してみたいと思います。


SEE YOU NEXT TIME!

Bill Marklevits


back number
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