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HOT OFF THE GRIDIRON #54
「ジェリー・ライスとサラリーキャップ」
 

 ジェリー・ライスがオークランド・レイダーズのユニフォームを着た姿なんて想像できますか?

 多くの不屈の49ersファンは、このことを算段することなどできないでしょう。

 私は今でもはっきりと覚えています。
1998年のジェッツとのホームでの開幕戦、ライスが前シーズンに負ったひざのケガから復活してフィールドに戻ってきたとき、49ersファンが一斉に「ジェリー! ジェリー! ジェリー!」と歓声を贈ったことを。

 それが今となっては、ジェリー・ライスが16年間使ったロッカールームがすでに、新しい誰かが使うためにすっかり片付けられてしまっています。


 偉大なるサンフランシスコ・49ers。その最後のスターがチームを去ってしまいました。

 1980年代にはジョー・モンタナから、90年代にはスティーヴ・ヤングからTDパスを取りまくったWRジェリー・ライスは、NFL史上最多のパスレシーブ回数を誇る選手です。

49ersヘッドコーチ、スティーヴ・マリウッチ。
サラリーキャップ問題がほぼ解決し、彼の力がようやく発揮できる状況になった。今後の展開が非常に楽しみだ。
写真:NORAM

 サラリーキャップを大きく超過している49ersは、RBチャーリー・ガーナー、WRジェリー・ライスを放出せねばなりませんでした。
 結果、レイダーズが両選手を獲得しました。

 ライスは、サンフランシスコ湾の対岸にあるレイダーズに入団することで同じ家にそのまま住みつづけることができることから、シーホークスから提示されたより高額なオファーや、かつての49ersのオフェンシヴコーディネーターで現ライオンズヘッドコーチのマーティー・モーニンウェグの誘いをそれぞれ断りました。


 ライスがプロ入りした1985年の時点では、彼と49ersが将来スーパーボウルチャンピオンになるとか、大成功を収めるなどとは知る由もありませんでした。

 小さな学校であるミシシッピー・ヴァレー大出身のライスは、ルーキーシーズンにはパスを掴むがやっとという辛い時期を送り、あまり期待をされていませんでした。

 しかし、ライスがモンタナのパスを捕りはじめると、49ersの黄金期が訪れたのです。

 1986年から95年までの10年間にわたって、ライスは、ポストシーズンゲームを含む174試合に出場し、169のタッチダウンをマークしました。

 1988年、ライスは、49ersにとって3度目のスーパーボウルチャンピオンシーズンとなった1988年、ライスはスーパーボウルMVPを受賞しました。

 ジョー・モンタナの49ers最後のシーズンは1990年でしたが、この年はハードヒットで知られたロニー・ロットの最後のシーズンでもありました。

 また、ひざを高く上げて走るRBロジャー・クレイグの最後のシーズンも1990年でした。

 ジェリー・ライスが、オーナー、アル・デーヴィスのシルバー・アンド・ブラックに加わってしまったので、80年代の優勝を知るスター選手がすべてチームを去ったことになりました。


 サラリーキャップの要求に応えるために、NFLの大ベテラン選手が真っ先にカットの対象となることは、まったく悲しい事態としか言いようがありません。

 カウボーイズは、チーム史上最高のクォーターバックだったトロイ・エイクマンを、そして、49ersはジェリー・ライスにさよならを言うことになったのです。

 現行の厳しいサラリーキャップの下では、高額のベテラン選手よりもサラリーの低い若手選手を使った方が、オーナーたちにとっても利益のあることなのです。

 問題は悪化しているので、NFL選手会のエグゼクティヴ・ディレクターのジーン・アップショーとNFLは、2002年から新しいサラリーキャップシステムを導入することを検討しています。

 リーグと選手会が交わした現行のサラリーキャップ協定は2007年まで有効ですが、検討課題のうちの一つは、NFLの最低支給額しか受け取らずに4年間以上プレーした選手には、サラリーキャップに対して、3年目のプレーヤー分にみなすというものです。


 これは賢いやり方だと思います。
 現行のシステムでは、チームがベテランのフリーエージェント選手をとどめておくことが難しくなっているからです。

 49ersとカウボーイズは、チャンピオンシップチーム時代から高額なサラリーを受け取っていた選手が、後に力が衰えてからもロスターに残りつづけたという意味で、際立った例でした。

 ジェリー・ライスは現役の続行にこだわりましたが、トロイ・エイクマンは、プレーを続けるためには受け入れなければならなかった高額サラリーのカットを望みませんでした。

 スティーラーズは、9年にも及ぶ長い期間にわたって、ディフェンスチームのキャプテンを務めたMLBレヴォン・カークランドをサラリーキャップクリアの目的でカットしました。
 こうした状況はさらに続くことでしょう。

 新しいシステムは、年齢やサラリーキャップに気をとられることなく、ベストの選手をロスターに加えることができるようにすべきです。

 以下は来季から採用されるであろう新しいNFL最低年俸額の一覧です。


NFL在籍年数    最低年俸
ルーキー       $225,000
1年 $300,000
2年 $375,000
3年 $450,000
4〜6年        $525,000
7〜9年        $650,000
10年以上       $750,000

注)当該選手が4年以上のNFL在籍経験のすべてがミニマムサラリーの場合、チームのキャップに対して450,000ドルのみが計上されることになります。


 ミニマムサラリープログラムでチームと契約した2年目以降の選手は、サラリーキャップに反映されないNFLインセンティヴ枠の対象となる資格があります。

 このプログラムでは、ベテラン選手は、シーズン中に出場したプレー数の割合によって、ボーナスを受け取ることができます。

 このプログラムにおける恩恵は、200〜250人の選手に対して、総額4,000万ドルにのぼるものとみられています。


 私はかつてのスター選手が自分の選手生活を1〜2年延ばすためにチームを変わることが好きではありませんでした。
 49ersからチーフスへ移籍したジョー・モンタナの場合もそうです。

 ロニー・ロットもジェッツへ、ロジャー・クレイグもヴァイキングズへそれぞれ移籍しました。

 サラリーとインセンティヴの合計が100万ドルに上るような選手でも、チームのサラリーキャップには450,000ドルしか計上されなくて済むのですから、新しいシステムは、たとえばジェリー・ライスのような10年以上在籍したベテラン選手がチームにとどまりやすくなるようになるでしょう。

 これは、チームオーナー、選手、それにファンのいずれにとっても有益であり、まさに「Win Win System」と呼べるでしょう。


SEE YOU NEXT TIME!

Bill Marklevits


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