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HOT OFF THE GRIDIRON #60
「フットボールと戦争」
 
 アフガニスタン空爆が始まり、アメリカで行われるすべての高校、大学、NFLのフットボールゲームで愛国心からくるセレモニーやプリゲームハーフタイムショーが行われている中、私はつくづく、スポーツの起源は軍事と深くつながっているんだなぁ、と思います。

 フットボールは、運動競技界における戦争の隠喩(メタファー)です。

 運動競技上でのフットボールゲームは、戦場での軍事行動と多くの類似性を持っています。

 他のスポーツ以上に、フットボールというスポーツは、軍事と深いつながりがあり、その起源は19世紀にまで遡ります。

 1800年代後半にゲームが成立するようになって以来、つねに軍事、戦争と親密なつながりが存在してきました。 フットボールは戦争から、語彙、戦略、原理、そして文化さえも持ち込んできました。

 アメリカンフットボールの父、ウォルター・キャンプは、その初期に次のように言っていたそうです。

「軍事はアメリカの文化だ。人々はフットボールに戦争の要素を求めている。」

 ウェスト・ポイント士官学校に立つダグラス・マッカーサー将軍のモニュメントには次の言葉が刻まれています。

「幼少期にゲームで慣れ親しんだ戦いの中で、人々の心に種が植え付けられ、それはいつの日か、勝利という成果を生み出す」 フットボールでの戦争は、芝生と砂、白のチョークで描かれたヤードマーカーとエンドゾーンで作られた100ヤードの戦場で行われます。

 陸軍の世界同様、フットボールは、一方はエンドゾーンに到達することを目標とし、一方はエンドゾーンを死守することを目標とする、オフェンス小隊とディフェンス小隊があります。

 選手たちは、軍隊の人間が行うような正確性と力強さをもって、敵を倒すために、爆弾(パス)を投げ、突撃し、ブリッツを入れ、フォーメーションを動かし、そして戦術を遂行するのです。 スポーツの歴史上、いつの時代も、兵士が戦争で死亡するように、スポーツ選手も実際に命を落とすものがいました。

 1900年代初期では、装具が発達しておらず、多くの人々が腕や足を折った、顔を打撲した、眼を痛めた、鼻を折ったなどで、「負傷兵」としてフィールドを離れる一方で、頭部の負傷で命を落とす者もいました。

 今日の近代的な装具、ゲームルール、反則は、フィジカルコンタクトを制限してきましたが、ヴァイキングズ
のコーリー・ストリンガーやノースウェスタン大のDBラシーディ・ホウィーラーのように、重大なケガや死亡事故は依然として起こっています。 フットボール界で最も偉大なコーチと言われる人々の多くは、偉大な将軍の教え方、言葉に基づいたフィロソフィー、戦略、戦術を基としています。

 スーパーボウルトロフィーの名前にもなっている、かの偉大なパッカーズのコーチ、ヴィンス・ロンバルディですが、1940年代後半にはHC陸軍大佐・アール・「レッド」・ブレックの下でウェスト・ポイント士官学校でアシスタントコーチをしていた経験があります。 ブレックは、自らのデスクの背後に自らの英雄でもある、ダグラス・マッカーサー将軍の写真を飾るなど、コーチというよりは軍の人間でした。

 ロンバルディは、戦術やフットボールのプレーのXとOの図式を討論し、軍事用語の指令を受けるための「ウォー・ルーム」でブレックとミーティングをしていました。 ブレックがロンバルディに大きな影響を与えていたことは、伝説のコーチ、ロンバルディの言葉からも分かります。

「フットボールは、犠牲、自己否定、献身、恐れを知らない強さといったスパルタ主義の美徳を要求するのである。」

 フットボール選手たちは軍隊であり、軍司令官が彼らの兵隊に求めるように、コーチたちは規律、献身、秩序、緻密さを要求します。 偉大なオハイオ州立大のコーチ、ウッディー・ヘイズは、1941年から1946年まで海軍に所属していたこともあり、彼のコーチングは彼の軍隊経験に大きく影響を受けています。

 彼のオフィスの書庫は、軍の歴史、戦術関係書物で占められています。

 ヘイズは、勝つことに対して非常に熱く、献身的で、彼のコーチ生活が65歳のときに、サイドライン際のパスをインターセプトした相手チームのセカンダリーの選手を殴ったことで終えることになるほどでした。 ヴィンス・ロンバルディ、ウッディー・ヘイズ、ミシガン大のボー・シェムベクラー、さらに、元ノートルダム、現サウス・キャロライナ大のルー・ホルツのように、偉大なコーチたちは、大佐ブレックに傾倒していました。
 このようなコーチたちは、タフで、軍に従事している中に誇りを見出し、厳格な軍の規律の中で生きる軍司令官のように、大声で叫ぶのです。 ルー・ホルツは、米国海軍シールズがどのように機能するのかについて研究を重ね、彼のチームをこう呼んでいました。

「シールズは、激しいトレーニングを積む。彼らは自分たちの同士のための命令、義務以外の全てのものを心の中から拭い去る。」

「シールズは、チームメイトを背にして決して逃げ出すことはない。たとえ、健康であろうとも、ケガをしようとも、死に瀕しようとしてもだ。」

「彼らは、痛みや失望に耐え抜いて、職務を実行する。そして、勝利するのだ。」 「米式蹴球」というスポーツは、アメリカ軍によって日本に紹介されました。

 ダグラス・マッカーサー将軍のGHQに勤めていたこともあるアメリカ陸軍のポール・ラッシュは、日本におけるアメリカンフットボールの父と考えられています。

 1946年以降、日本のアメリカ軍チームは、この国におけるスポーツの理解度の向上と発展に貢献するため、定期的にフットボールゲームを行ってきました。

 日本にも山梨県八ヶ岳山麓の清里に、ポール・ラッシュの功績を称え、日本における初期のアメリカンフットボールの足跡を残した素晴らしいメモリアルが建造されています。 フットボールが教えてくれる、チームメイトの存在を忘れないこと、目的を決して見失わないことといったメンタリティーは、まさに戦争における軍隊です。

 アメリカンフットボールというタフなスポーツは、人間の内面に多くの素晴らしい資質を育んでいるのです。 フットボールフィールドや戦場でのリーダーが緊張や痛みに耐えながら職務遂行に励むように、ビジネスの世界や一般社会のリーダーも、彼らの職務を遂行することを求められています。

 戦時中の英雄となった父をもつ、前バッファロー・ビルズのヘッドコーチ、マーヴ・レヴィーは、こう言っています。

「私はつねに、フットボールが人格を形成するのではなく、フットボールが本来ある人格を引き出すのだと信じている。」 私たちが1週間遅れた2月3日にスーパーボウルを観戦するとき、世界中はアメリカの愛国精神の巨大なディスプレーを見ることになるでしょう。

 昨年のタンパで行われたときに、プレゲームセレモニーで、現在は退役した湾岸戦争時の陸軍将軍ノーマン・シュワルツコフが紹介され、空軍のジェット機がスタジアム上を飛来したように、アメリカ軍はこのショーの一部分となっています。

 フットボールフィールドで行われるゲームは、軍隊にその起源を発し、現在では世界中で何百万人もの人が愛する、原理原則とチーム戦術の激しいぶつかり合いなのです。SEE YOU NEXT TIME!

Bill Marklevits

back number
#115 「リッキー・ウィリアムズの引退はドルフィンズを茫然とさせました。」
#114 「ペイトリオッツは昨年よりもよいチームとなっているようです。」
#113 「NFLの完璧な勝利」
#112 「NFL2004年ドラフト レビュー」
#111 「マニングの願いが叶いました。」
#110 「“NFLドラフト 第1位指名権の行方は?”」
#109 「クラレットのルールへの挑戦は、NFLの根本を揺るがすものです。」
#108 SUPER BOWL 38 レビュー
「ブレイディがペイトリオッツを再びスーパーボウル勝利に導きました。」
#107 「SUPER BOWL XXXVIII プレビュー」
#106 「ファーヴがグリーンベイにマジックをまた取り返しています。」
#105 「ハイズマントロフィーが必ずしもNFLでの成功を確約するわけではありません。」
#104 「バッカニアーズからマジックが消えてゆきました。」
#103 「マービン・ルイスはベンガルズをプレイオフへ導く勢いです。」
#102 「ヴァイキングスは今、NFCで注目のチームです。」
#101 「ディック・ヴァミールはチーフスを好調の波に乗せました。」
#100 「モーリス・クラレットとポール・タグリアブーの対決」
#99 「バッカニアーズはNFLで最高のチームです。」
#98 「全米連覇を狙うオハイオ州立大学」
#97 「ジョン・グルーデンは連覇を狙います」
#96 「トミー・マドックスにどのぐらいの価値があると思いますか?」
#95 「NFLチームがロサンゼルスに戻る日は?」
#94 最善のオーバータイム方式とは?
#93 「NFL のチームはドラフトでディフェンスの選手を探しました。」
#92 「チャールズ・ロジャーズはドラフトで注目のトップアスリート」
#91 「カーソン・パーマーのインタビュー」
#90 「5人の新ヘッドコーチ」
#89 「グルーデンは高くなかった」
#88 「ジョン・グルーデン・ボウル」
#87 「マイケル・ヴィック − 君はどんな活躍をみせてくれるんだい?」
#86 「NFLで最も優れたチームはどのチームでしょうか」
#85 「モーリス・クラレット」
#84 「ジェイク・ポーターのタッチダウン」
#83 「エミット・スミスと偉大なラッシャー」
#82 「デトロイト・ライオンズの新しいスタジアム」
#81 「デイヴィッド・カーの試練」
#80 「大学街でのNFL」
#79 「2002ビッグテンカンファレンス プレビュー」
#78 「マイアミ大学ハリケーンズ、2連覇なるか?」
#77 「スティーヴ・マリウーチとトム・イゾー こどものころからの大親友 (後半)」
#76 「スティーヴ・マリウーチとトム・イゾー こどものころからの大親友 (前半)」
#75 「イーストコーストオフェンスがNFLにやってきた」
#74 「フットボールとサッカー」
#73 「さよなら、クリス・カーター」
#72 「プロフットボールの底辺は”アリーナフットボール2”」
#71 「ドラフトを振り返って」
#70 「新しいエクスパンションチーム、ヒューストン・テキサンズは、2002年のNFLのドラフトで、ナンバーワンピックを取るでしょう。」
#69 「ジョン・グルーデンとアル・デーヴィス」
#68 「ペイトリオッツが示しました。みんなが間違っていたと!」
#67 「第36回スーパーボウルプレビュー」
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#44 「12月はコーチの入れ替わる時期です」
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