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HOT OFF THE GRIDIRON #61
「ペンステイトのパターノが、NCAA通算最多勝利を記録」
 
 ペンステイトが18点差をひっくり返してオハイオ州立大に勝利し、ヘッドコーチ、ジョー・パターノが通算324勝をマーク。フットボール史上記念すべき出来事となりました。
 この日の勝利で、パターノは、ポール「ベアー」ブライアントが持つNCAAディヴィジョン1-Aの通算最多勝記録を更新しました。

 ちなみに、コーチの通算勝利数のNFL記録は、ドン・シュラが33年間かけてうちたてた347勝です。
 私は以前、このコラム内で、パターノについて書きましたが、彼の偉業の重要性を考えると、もう一度彼のこれまでについて、触れておく必要があると感じました。 多くの人々は、ニッタニーライオンズが1999年に10勝3敗の好成績を収めたことから、昨シーズンのうちに、記録を破るものと思っていました。

 しかし、ディフェンスのスター、コートニー・ブラウン(現NFLブラウンズ)、ラヴァー・アーリントン(現NFLレッドスキンズ)がNFLへ行き、さらに長年ディフェンシヴコーディネーターを務めていたジェリー・サンダスキーが引退してしまったことは、想像以上に大きな影響があったことを証明してしまう結果となりました。
 昨年、パターノは、彼の35年のヘッドコーチ人生で最低となる5勝7敗に終わり、1988年以来12年ぶりにボウルゲーム進出を逃すことになりました。

 その結果、パターノの記録更新には2勝及ばないことになったのです。
Penn State Unversity

 今季、ペンステイトは、開幕から4連敗を喫してしまいました。
 つまり、パターノは最近20試合で14試合に負けたことになるのです。

 「ペンステイトは今季、1勝もあげられないのではないか」とか、「パターノはもう年をとり過ぎてコーチできないのではないか」とか、「記録を更新する、しないにかかわらず、彼は今季限りで引退するのではないか」といったような噂が出始めました。 フットボールコーチにとって、逆境に直面することは、ゲームの真骨頂なのです。

 ジョー・パターノが、逆境にありながらも、依然優れたコーチであると私は思っています。
 強豪揃いのビッグテン・カンファレンスにおいて、0勝4敗の最下位で、パターノは、リーグトップチームの一つである、ノースウェスタン大ワイルドキャッツと敵地で戦うという、挑戦を選手たちに強いることになりました。

 パターノはチームに、ビッグプレーをして、ミスのないフットボールをするという挑戦を科しましたが、これもやはりうまくいきませんでした。

そして迎えたゲーム後半、ニッタニーライオンズは後半だけで24点を奪う猛攻で連敗をストップ。
パターノは史上最多勝タイとなりました。 先週、1勝4敗のペンステイトは、新しく拡張されたビーヴァー・スタジアムと、フットボール史上の重要なゲームの目撃者になろうという107,000人のファンの前に戻ってきました。

 前半を終え、オハイオ州立大に18点をリードされていましたが、パターノは1年生のQBザック・ミルズを投入しました。

 QBミルズは、QBのパフォーマンスとして、ペンステイト史上に残るような活躍で、29-27という劇的な勝利をもたらしました。

 ミルズは、1974年以降のペンステイトQBとしては最長となる138ydsを走り、32回投げ17回成功、1年生のルーキーレコードとなる280ydsを投げる活躍を披露しました。

 ミルズのパフォーマンスは活気をもたらし、その活躍はパターノに、メジャーカレッジフットボール史上でナンバーワンとする、歴史的な通算324勝目をもたらしました。 彼の選手たちからゲイタレードシャワーを浴びせられた後、パターノは、オハイオ州立大の新ヘッドコーチ、ジム・トレッセルから握手を求められるなど、フィールド中央で取り囲まれました。

 テレビインタビューを受けた際、パターノは次のように話していました。
Penn State Unversity


 「びしょ濡れだよ。ここで、馬鹿げたことを言わないように心がけていたんだけど。私は気が緩むといつもこうなんだ。私自身のためのというよりも、ペンステイトのためとなった喜びの方が大きいんだ。ペンステイトのような素晴らしいファンを持つ学校にいることが出来て、私は本当に幸運な男だ。」

 カレッジフットボール史上最多勝コーチの新しい彫刻をお披露目したことで、大学は「ジョー・パ」を大いに驚かせました。

 パターノが最初に、スタジアムの東側に立てられた214cm、454kgの銅像を目にしたとき、彼は「なんてかっこいい男なんだ」と言ったそうです。 イタリア系アメリカ人のジョー・パターノは、ニューヨーク・シティのブロンクスで生まれ、アイヴィー・リーグのブラウン大学でQBとしてプレーしました。

 卒業後はロースクールに通い、弁護士になろうと考えていましたが、お金を稼ぐ必要性にかられ、彼は、当時のペンステイトのヘッドコーチ、リップ・イングルの誘いを受けて、アシスタントコーチに就きました。
 パターノは、一度もロースクールへ行くことなく、イングルの下で15年間働き、1966年にペンステイトのヘッドコーチに就任しました。

 ジョー・パターノは、1982年、1987年に全米チャンピオンに輝き、ペンステイトにフットボール黄金期を築き上げました。

 1994年のペンステイトは、ケリー・コリンズ(現NFLジャイアンツ)を擁して、12勝0敗をマーク。
 ニューヨークタイムとサガリン・コンピューターランキングで1位に選出されましたが、AP通信、コーチ投票では、同じく無敗だったネブラスカ大に次ぐ2位と評価されました。 パターノは、個人よりもチームに重きをおきました。

 シンプルなネイビーと白のペンステイトのユニフォームは、ジャージーに選手名を記載していません。
 パターノは、1年生にメディアに出すことを許さず、選手のケガの状況をゲーム中にもらすようなこともしません。

 彼のチームは、一般にタフなディフェンス、とくにラインバッカーの優秀さ、そしてオフェンスでは強力なランニングゲームで知られています。

 しばしば、「昔のフットボール」と揶揄されることもありますが、それはパターノにはあっていたのです。
 スポーティングニュース社によるNFLゼネラルマネージャー、人事担当者に対する調査では、NFL入りの準備を済ませたカレッジプログラムとして、ペンステイトが第1位と評価されました。

 パターノは、25人を超えるドラフト1巡目指名選手を含め、200人以上の選手をNFLに送り込んできました。 彼は、ペンシルヴェニアでは、崇拝の対象です。

 私がこのことを始めて知ったのは、飛行機で偶然隣に座った、ペンステイトのスウェットシャツを着た男の話からでした。

 ペンステイトOBで、パターノの大ファンだったこの男は、ペンシルヴァニア州にはパターノより有名で、パターノより愛されている人はいないのだと説明してくれました。

 彼は、おふくろはリビングルームにジョー・パターノの等身大のフォトフレームをつねに置くようにしていること、姉貴が彼はその等身大の写真を結婚式に連れて行ったこと、その披露宴ではまずおふくろが等身大の写真とダンスを踊ると、他のゲストたちも次々とジョー・パとダンスを踊ったことなども付け加えてくれました。
 大きな鷲鼻が印象的なパターノは、いつも分厚いめがねとネクタイ姿、泥跳ねを気にして、いつもパントの裾を捲り上げていました。

 彼のランニングオフェンスのように中央をまっすぐ、が信条のため、彼の名前と好みはしばしば、ゴルフボールに置き換わることもありました。

 ペンステイトのアイスクリーム屋では、多くの製品が売られていますが、その中でも、「ピーチー・パターノ」というアイスクリームは非常に有名です。

 もちろん、パターノの等身大フォトフレームの話を持ち出すまでもなく、ペンシルヴェニア州の女性にも大変人気があります。 パターノは史上最多勝利コーチとなりましたが、これで引退するのでしょうか。
 彼は現在、75歳、現在の契約もまだ3年間残っています。

 パターノは本当に読書以外の趣味がありません。
 ゴルフも、ハンティングも、魚釣りもしません。
 彼の家族を除けば、彼の愛情はフットボールコーチをすることに注がれています。
 彼は常々、次のように言っています。

 「私は朝起きたとき、フットボールコーチである、と自覚するのがたまらないのです。私は、フットボールコーチ以外、ほかの人生の楽しみを一切知らないのです。多くの人は、引退して、人生を楽しむべきだと言いますが、私は今、人生を楽しんでいるわけです。」

 ジョー・パは、人間は書くことが好きなので、85歳までに本を書くのです、と言っています。 パターノは85歳までコーチをしているのでしょうか。

 ありえることです。
 彼の健康状態は良好で、彼は仕事を楽しんでいます。
 今年は、ザック・ミルズという優秀な1年生QBを抱え、向こう3年間は勝てるチームを作ることが出来そうです。

 パターノはまた、偉大なベアー・ブライアントが、アラバマ大のコーチを引退して、そのわずか数ヵ月後に亡くなってしまったことを知っています。

 また、パターノより2つ年下のフロリダ州立大のヘッドコーチ、ボビー・ボーデンが、パターノのすぐ背後、あと4勝のところまで迫ってきていることもあります。

 ボーデンに記録を抜かれないようにするためにも、パターノはコーチをし続けなければならないのです。
 それはまさに彼が望んでいることでもありますが。 記録はつねに破られるものです。

 スポーツ界では、あらゆる記録は将来塗り替えられるものと思われています。

 しかし、NFLやメジャーカレッジでは、勝つことへのプレッシャーが大きくなっているため、ジョー・パターノやボビー・ボーデンが築き上げたような勝利数に挑戦するほど、一つのチームで長期間在籍することは難しくなってきています。 次回のコラムでは、パターノやボーデンのように長期にわたってコーチしてきたわけでもないにもかかわらず、230勝をマークしているサウスカロライナ大の現役コーチ、ルー・ホルツについて、書いてみたいと思います。

SEE YOU NEXT TIME!

Bill Marklevits

back number
#115 「リッキー・ウィリアムズの引退はドルフィンズを茫然とさせました。」
#114 「ペイトリオッツは昨年よりもよいチームとなっているようです。」
#113 「NFLの完璧な勝利」
#112 「NFL2004年ドラフト レビュー」
#111 「マニングの願いが叶いました。」
#110 「“NFLドラフト 第1位指名権の行方は?”」
#109 「クラレットのルールへの挑戦は、NFLの根本を揺るがすものです。」
#108 SUPER BOWL 38 レビュー
「ブレイディがペイトリオッツを再びスーパーボウル勝利に導きました。」
#107 「SUPER BOWL XXXVIII プレビュー」
#106 「ファーヴがグリーンベイにマジックをまた取り返しています。」
#105 「ハイズマントロフィーが必ずしもNFLでの成功を確約するわけではありません。」
#104 「バッカニアーズからマジックが消えてゆきました。」
#103 「マービン・ルイスはベンガルズをプレイオフへ導く勢いです。」
#102 「ヴァイキングスは今、NFCで注目のチームです。」
#101 「ディック・ヴァミールはチーフスを好調の波に乗せました。」
#100 「モーリス・クラレットとポール・タグリアブーの対決」
#99 「バッカニアーズはNFLで最高のチームです。」
#98 「全米連覇を狙うオハイオ州立大学」
#97 「ジョン・グルーデンは連覇を狙います」
#96 「トミー・マドックスにどのぐらいの価値があると思いますか?」
#95 「NFLチームがロサンゼルスに戻る日は?」
#94 最善のオーバータイム方式とは?
#93 「NFL のチームはドラフトでディフェンスの選手を探しました。」
#92 「チャールズ・ロジャーズはドラフトで注目のトップアスリート」
#91 「カーソン・パーマーのインタビュー」
#90 「5人の新ヘッドコーチ」
#89 「グルーデンは高くなかった」
#88 「ジョン・グルーデン・ボウル」
#87 「マイケル・ヴィック − 君はどんな活躍をみせてくれるんだい?」
#86 「NFLで最も優れたチームはどのチームでしょうか」
#85 「モーリス・クラレット」
#84 「ジェイク・ポーターのタッチダウン」
#83 「エミット・スミスと偉大なラッシャー」
#82 「デトロイト・ライオンズの新しいスタジアム」
#81 「デイヴィッド・カーの試練」
#80 「大学街でのNFL」
#79 「2002ビッグテンカンファレンス プレビュー」
#78 「マイアミ大学ハリケーンズ、2連覇なるか?」
#77 「スティーヴ・マリウーチとトム・イゾー こどものころからの大親友 (後半)」
#76 「スティーヴ・マリウーチとトム・イゾー こどものころからの大親友 (前半)」
#75 「イーストコーストオフェンスがNFLにやってきた」
#74 「フットボールとサッカー」
#73 「さよなら、クリス・カーター」
#72 「プロフットボールの底辺は”アリーナフットボール2”」
#71 「ドラフトを振り返って」
#70 「新しいエクスパンションチーム、ヒューストン・テキサンズは、2002年のNFLのドラフトで、ナンバーワンピックを取るでしょう。」
#69 「ジョン・グルーデンとアル・デーヴィス」
#68 「ペイトリオッツが示しました。みんなが間違っていたと!」
#67 「第36回スーパーボウルプレビュー」
#66 「天はニューイングランドに味方した!」
#65 「マイアミ大は押しも押されもせぬ全米チャンピオンです」
#64 「カレッジフットボール シーズン回顧」
#63 「ブレット・ファーヴは、NFL史上最強の鉄人QBです」
#62 「ダ・ベアーズ」
#61 「ペンステイトのパターノが、NCAA通算最多勝利を記録」
#60 「フットボールと戦争」
#59 「第3週を終わって、チャージャーズがまだ負けていません!」
#58 「フットボールが戻ってきました。しかし、以前と同じではあるはずがありません!」
#57 「どのチームがローズボウルに進出するでしょうか?」
#56 「ヴァイキングズWRランディー・モスがついにNFL最高給選手です!」
#55 「ハイスクールNo.1QBがオハイオ州立大学入学を決意!」
#54 「ジェリー・ライスとサラリーキャップ」
#53 「2002年 NFL再編成」
#52 「NFLドラフトレビュー」
#51 「NFLドラフト全体1番目指名権を持つ男、チャージャーズの新エグゼクティヴ・ヴァイス・プレジデント兼ゼネラルマネージャー、ジョン・バトラーとのインタビュー」
#50 「NFLドラフト プレビュー」
#49 「NFLセカンドシーズン」
#48 「RBロバート・スミス引退!」
#47 「NFLコーチに対する勝利へのプレッシャーはどんどん上昇しています!」
#46 「レイヴンズがスーパーボウル優位!」
#45 「NFLプレーオフには、フットボールの興奮が詰まっています!」
#44 「12月はコーチの入れ替わる時期です」
#43 「新HCゲイリー・モーラーは、ライオンズに覇気をもたらす!」
#42 「レイダースが、AFC各チームをびびらせています!」
#41 「ダンテ・カルペッパー、ヴァイキングスをNFLトップに導く」
#40 「ラムズオフェンスは、NFL史上最高に得点力のある攻撃なのです」
#39 「多くの日本のNFLファンには辛い時期ですね」
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#34 「ミシガン州立大とNFLドラフト」
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