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HOT OFF THE GRIDIRON #67
「第36回スーパーボウルプレビュー」

 NFC第1シードのセントルイス・ラムズが予想通り、過去3シーズンで2度目のスーパーボウル出場を果たしました。

 ラムズは、不利といわれながらもスティーラーズを下して勝ち上がってきたAFC第2シードのペイトリオッツに対して、圧倒的有利といわれています。

 NFLがヴィンス・ロンバルディ・トロフィーを争う場所として好んで使っているニューオリンズにスーパーボウルが戻ってきました。

 今年のタバスコとケイジャンフードの本拠地、ルイジアナ州での9回目の開催により、フロリダ州マイアミよりも1回多い最多の開催地となります。 アメリカを襲ったテロ攻撃の影響で、今年のスーパーボウルは、とても愛国心にあふれたイベントとなることでしょう。

 多くのアメリカの国旗、それに、今、アメリカで真のヒーローとみなされているニューヨーク警察、消防の人々の姿を目にすることになるでしょう。

 スタジアムに入ろうとするすべての人間は、検査を受けねばならず、厳しい警備にさらされなければなりません。

 アメリカ軍の姿を至る所で見るでしょうし、おそらく、史上初めてアメリカ大統領がスーパーボウルをスタジアムで観戦することになるでしょう。

 また、国歌斉唱を行うマライア・キャリーも、スポーツイベントで今後国歌を歌うつもりはないと言っています。 ラムズとペイトリオッツはそれぞれ3度目のスーパーボウル出場となります。

 ラムズは、ロサンゼルス・ラムズだった1980年にスティーラーズのスティール・カーテンの前に31-19と屈しましたが、その後、2年前の第34回スーパーボウルでタイタンズを23-16で下しました。

 一方のペイトリオッツは、1986年の第20回スーパーボウルで46-10とシカゴ・ベアーズに叩きのめされ、ビル・パーセルズが率いた1997年の第31回スーパーボウルでもブレット・ファーヴのパッカーズに35-21と苦杯を喫してきました。

 ペイトリオッツがいずれも敗れた2回のスーパーボウルを戦った地は、奇しくも、今回の開催地であるニューオリンズであり、今回のビル・ベリチックのペイトリオッツにも、16点差のハンデが見込まれるほど、暗雲が垂れ込めている状況なのです。 NFCチャンピオンのラムズ(16-2)、AFCチャンピオンのペイトリオッツ(13-5)の両チームとも、8連勝でここまで登りつめてきました。

 両チームは第10週にペイトリオッツの本拠地、フォックスボロ・スタジアムで対戦し、ラムズが24-17で勝利しています。

 スコアは僅差に見えますが、これはペイトリオッツのディフェンスのTDがあったおかげで、実際はそうではありませんでした。

 この日、ラムズはペイトリオッツ(13回)の倍にあたる26回の1stダウンを獲得。
 獲得ヤードでも、ペイトリオッツの230ydsに対して、ラムズは倍以上の482ydsを稼ぎ出しました。 過去の対戦はさておき、ここで、第36回スーパーボウルで対戦するラムズとペイトリオッツを人物ごとに評価してみていきましょう。

<オーナー>
ラムズ: ジョージア・フロンティア
 かつてのラスベガスのショーダンサーで、1978年に、当時オーナーだったキャロル・ローゼンブルームの死に伴い、オーナーを引き継ぐ。サザンカリフォルニア地域の新スタジアム建設問題をまとめあげることができず、1995年に49年間親しんだロサンゼルスを離れ、セントルイスへとホームタウンを移転する。ジョージアの一生涯の夢は、セントルイスに有名なオペラ歌手として故郷に錦を飾りたかったと言っていたが、現在は「チームをスーパーボウルに勝たせることは、ソプラノ歌手にはできないこと」と言っている。

ペイトリオッツ:ハーヴァード大のビジネススクールを出て、紙および紙製品会社を起業したボブ・クラフトが1994年に、2億ドルでチームを買収。クラフトは、ペイトリオッツがAFL(AFCの前身)のチームとして誕生した当時からのペイトリオッツファンで、1971年からずっとシーズンチケットホルダーになっていた。

<ヘッドコーチ>
ラムズ:50歳のマイク・マーツは、オフェンスの天才と言われています。マーツは、ラムズが前回スーパーボウルに勝ったときのオフェンシヴコーディネーターで、カート・ワーナーをオールプロのQBにまで成長させた人物です。マーツはラムズのヘッドコーチになってから今年が2年目となりますが、過去26勝9敗の好成績を残してきました。マーツは依然、オフェンスコールを自ら出していますが、ヘッドコーチとしてスーパーボウルを迎えるのはこれが初めてとなります。

ペイトリオッツ:49歳のビル・ベリチックはディフェンスのエキスパートです。ベリチックは、ボブ・クラフトがジェッツから招き入れたヘッドコーチで、今年が2年目のシーズンです。ベリチックには当時、ジェッツもヘッドコーチ就任を要請していました。ペイトリオッツは、ジェッツとの契約下にあったベリチックを呼びせるために、ドラフト1巡目指名権をも引き換えにして招きいれたのです。ベリチックのニューイングランドでの2年間は、18勝16敗でした。ベリチックも、マーツ同様、ヘッドコーチとしてはじめてのスーパーボウルを迎えますが、ビル・パーセルズが率いるニューヨーク・ジャイアンツのディフェンシヴコーディネーターとして、2度のスーパーボウル優勝を経験しています。

<クォーターバック>
ラムズ:シーズンMVP、そして第34回スーパーボウルMVPの経験もある30歳のQBカート・ワーナーが率います。肋骨の痛みを感じながらのプレーとなるでしょうが、体調面での問題はなく、チャンピオンシップ獲得に燃えています。第10週では、ペイトリオッツのゾーンブリッツに苦しんでいました。ワーナーは、ラムズが2度のスーパーボウル優勝を成し遂げるために、自分が何をしなければならないのかを良く理解しています。

2001年
成績
スタッツ 試投
回数
パス
成功回数
パス
成功率
獲得
ヤード
TD INT
#13 カート・ワーナー 546 375 68.7% 4,830 36 22

ペイトリオッツ:ヘッドコーチがゲームを目前にしてスターティングQBが誰になるのかを知らずにスーパーボウルを迎えるのは、これがスーパーボウル史上初めてのことです。トム・ブレイディは、AFCチャンピオンシップゲームの2Qに、スティーラーズのSリー・フラワーズからヒットを受け、その後フラワーズがのしかかったことによって左足首を捻挫してしまいました。ブレイディの代役として、ペイトリオッツはNFL史上最高額の控えQBドリュー・ブレッドソーを送り込みました。ブレッドソーは、ブレイディのドライブの後を引き継ぐと、9月に離脱していこう初のTDパスを決めました。AFCチャンピオンシップゲームが終わりを迎えるにつれ、幸せな表情のブレッドソーの目からは涙が零れ落ちてきました。

 一体、だれがスーパーボウルで先発するのでしょうか。まさにメディアが盛んに取り上げているところですが、ブレイディのケガがプレーできないほどひどいものでない限り、ブレイディがAFC優勝チームのペイトリオッツを率いるべきでしょう。私自身は、ブレイディが先発するものと思っています。しかし、ブレイディが苦戦を強いられた場合、ブレッドソーの投入もありえるでしょう。

2001年
成績
スタッツ 試投
回数
パス
成功回数
パス
成功率
獲得
ヤード
TD INT
#12 トム・ブレイディ 413 264 63.9% 2,843 18 12
#11 ドリュー・ブレッドソー 66 40 60.6% 400 2 2

 トム・ブレイディの足首の状態はどうなっているのでしょうか。それが大きな問題であり、ビル・ベリチックがブレイディに「話すな」といっていることでもあります。
 ブレッドソーは、第31回スーパーボウルで敗北を喫した試合で、253ydsを投げ、2TDパスを決めました。彼もやはり、2度目のビッグゲームでのプレーを望んでいるのです。 みんながスターQBワーナー、エースRBマーシャル・フォーク擁するラムズがスーパーボウルを制すると予想しています。
 一方のペイトリオッツに関しては、だれも、AFC東地区の3位以内に入るとも予想していませんでした。
 非常に良く知られたスター選手が揃うラムズが、ほとんど無名選手で占められているペイトリオッツを容易に下すものと考えられています。

 ペイトリオッツのWRトロイ・ブラウンはこう言っています。
「私たちにリスペクトが払われたことはないが、私たちは敵地で7勝をあげてきたし、こうしてスーパーボウルにも出ているんだ」

 今回の関心事は、ディフェンスの戦略家であるベリチックが、ラムズのハイパワーオフェンスを止めるスキームにあります。

 ペイトリオッツはおそらく、4-3(ディフェンシヴライン<DL>=4人、ラインバッカー<LB>=3人)と3-4(DL=3人、LB=4人)のシステムを頻繁に入れ替えてさまざまな種類のブリッツを仕掛け、ワーナーを混乱させ、ターンオーバーを狙うことに集中するでしょう。 一方、コーディネーター、ルヴィー・スミスが指揮する今年のラムズのディフェンスは、2年前のユニットよりも格段に、速く、そして強くなっています。
 MLBロンドン・フレッチャー、DEグラント・ウィストロームを中心としたディフェンス陣は、今年、8人のスターター選手が入れ替わり、スピードアップするとともに、ターンオーバーを生み出すことができるようになりました。

 これは2週間前に、ブレット・ファーヴが生涯で最悪のゲームの一つと振り返った試合で発揮されました。
 好勝負に持ち込むためには、ペイトリオッツはターンオーバーを犯さないように十分気をつけなければなりません。

 そして、ペイトリオッツはAFCチャンピオンシップゲーム、スティーラーズ戦で見せたように、スペシャルチームでビッグプレーを連発させなければなりません。 今季のラムズは、ディック・ヴァーミールが指揮してスーパーボウルを制した2年前よりも格段に良いチームに仕上がっています。

 ディフェンスは大幅に改善され、オフェンスはこれまでにスーパーボウルに出場したチームの中で最高であるといえるかもしれません。

 ペイトリオッツは運に恵まれたチームで、ニューオリンズの地において、下馬評を覆してチャンピオンシップゲームを勝利したスポーツ史上最も劇的な例となる可能性もありますが、私は、彼らの運もここで尽きようとしていると見ています。 ルイジアナ・スーパードームという屋内のスタジアムで行われるため、ラムズオフェンスのスピードが恩恵を受けることも、ペイトリオッツにとっては、どうしようもない不利な材料となってしまうでしょう。

 ラムズは多彩な攻撃の武器を抱えているだけでなく、経験も備えています。
 ラムズはケガ人なども出ていない上、勝利に燃え、2度目のヴィンス・ロンバルディ・トロフィー獲得に貪欲になっています。

 シンデレラ・ペイトリオッツも、ガラスの靴がもう間もなく崩れ落ちることになるでしょう。スーパーボウル挑戦3度目となる今回も勝つことが出来ずに。

 ずばり、ラムズが35-21でペイトリオッツを下し、ワーナーとフォークがMVPを分け合うような展開になるのでしょう。

SEE YOU NEXT TIME!

Bill Marklevits

back number
#115 「リッキー・ウィリアムズの引退はドルフィンズを茫然とさせました。」
#114 「ペイトリオッツは昨年よりもよいチームとなっているようです。」
#113 「NFLの完璧な勝利」
#112 「NFL2004年ドラフト レビュー」
#111 「マニングの願いが叶いました。」
#110 「“NFLドラフト 第1位指名権の行方は?”」
#109 「クラレットのルールへの挑戦は、NFLの根本を揺るがすものです。」
#108 SUPER BOWL 38 レビュー
「ブレイディがペイトリオッツを再びスーパーボウル勝利に導きました。」
#107 「SUPER BOWL XXXVIII プレビュー」
#106 「ファーヴがグリーンベイにマジックをまた取り返しています。」
#105 「ハイズマントロフィーが必ずしもNFLでの成功を確約するわけではありません。」
#104 「バッカニアーズからマジックが消えてゆきました。」
#103 「マービン・ルイスはベンガルズをプレイオフへ導く勢いです。」
#102 「ヴァイキングスは今、NFCで注目のチームです。」
#101 「ディック・ヴァミールはチーフスを好調の波に乗せました。」
#100 「モーリス・クラレットとポール・タグリアブーの対決」
#99 「バッカニアーズはNFLで最高のチームです。」
#98 「全米連覇を狙うオハイオ州立大学」
#97 「ジョン・グルーデンは連覇を狙います」
#96 「トミー・マドックスにどのぐらいの価値があると思いますか?」
#95 「NFLチームがロサンゼルスに戻る日は?」
#94 最善のオーバータイム方式とは?
#93 「NFL のチームはドラフトでディフェンスの選手を探しました。」
#92 「チャールズ・ロジャーズはドラフトで注目のトップアスリート」
#91 「カーソン・パーマーのインタビュー」
#90 「5人の新ヘッドコーチ」
#89 「グルーデンは高くなかった」
#88 「ジョン・グルーデン・ボウル」
#87 「マイケル・ヴィック − 君はどんな活躍をみせてくれるんだい?」
#86 「NFLで最も優れたチームはどのチームでしょうか」
#85 「モーリス・クラレット」
#84 「ジェイク・ポーターのタッチダウン」
#83 「エミット・スミスと偉大なラッシャー」
#82 「デトロイト・ライオンズの新しいスタジアム」
#81 「デイヴィッド・カーの試練」
#80 「大学街でのNFL」
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#77 「スティーヴ・マリウーチとトム・イゾー こどものころからの大親友 (後半)」
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#72 「プロフットボールの底辺は”アリーナフットボール2”」
#71 「ドラフトを振り返って」
#70 「新しいエクスパンションチーム、ヒューストン・テキサンズは、2002年のNFLのドラフトで、ナンバーワンピックを取るでしょう。」
#69 「ジョン・グルーデンとアル・デーヴィス」
#68 「ペイトリオッツが示しました。みんなが間違っていたと!」
#67 「第36回スーパーボウルプレビュー」
#66 「天はニューイングランドに味方した!」
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