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HOT OFF THE GRIDIRON #69
「ジョン・グルーデンとアル・デーヴィス」

 NFLでは、サスペンスドラマの佳作よりもよくできた、オフシーズンの裏工作に出くわすことがあります。

 チームは選手やコーチをおびき寄せたかと思えば、彼らを取り除こうともするのです。

 また、チームはベテラン選手のサラリーカットを試み、サラリーキャップの下、何とかとどめようとしたりもします。

 チームには移転の噂も飛び交い、最近では、サンディエゴ・チャージャーズがロサンゼルス近郊にあるローズボウルを修復して移転するのではないかというものがありました。

 スーパーボウルが終わり、フリーエージェントの交渉が開始されて以来、いつもどういうわけか情報に飢えたメディアに漏れ伝わってしまうバックルームでの交渉、いわゆる秘密裏の交渉が数多く行われてきました。

 オフシーズンの最大の契約は、レッドスキンズがフロリダ大のヘッドコーチ、スティーヴ・スパリアーを1年間500万ドルの過去最高額の年俸で雇い入れたことと、バッカニアーズがレイダーズから年俸350万ドルの条件をぶら下げてジョン・グルーデンを引き抜いたことでしょう。

 有力カレッジ校とNFL間でのトップコーチを巡る争いは、それぞれにおけるコーチに対する年俸の急激な上昇の原因ともなっています。

 バッカニアーズがレイダーズからジョン・グルーデンをトレードで獲得した顛末で、誰が一番得をしたのでしょうか。

 3年前、ジェッツとペイトリオッツは、ヘッドコーチ、ビル・ベリチックを巡って、激しい議論となりました。

 このとき、NFLは、ペイトリオッツがベリチックを雇い入れるのであれば、ドラフト1巡目指名権をジェッツへ譲渡するように命じました。

 果たして、後知恵ですが、ベリチックが就任2年目でチームを初のスーパーボウル優勝に導いたのですから、ペイトリオッツが一番得をしたということになるでしょう。

 タンパベイ・バッカニアーズは、レイダーズからグルーデンを獲得するために、驚くほど多くのものを譲渡してしまいました。

 後に、レイダーズのアル・デーヴィスは、3つのドラフト1巡目指名権と2つの2巡目指名権、さらに現金2,000万ドルを要求しました。

 ビル・パーセルズ、スティーヴ・スパリアー、さらにはその他の候補者にもことごとく断られ、やけっぱちを起こした、バッカニアーズのオーナー、マルコム・グラッツァーは、スティーヴ・マリウッチを獲得しようとして、デーヴィスよりもさらに条件の良い契約内容を49ersに提示しなければなりませんでしたが、結局は49ersにももてあそばれることになりました。

 実際、グラッツァーは、マリウッチに対して、ヘッドコーチとGM職を与えることとし、49ersには向こう2年間のドラフト1巡目から4巡目までの指名権を譲渡するという内容を提示、さらにマリウッチには年俸4,500万ドル超を用意していたのです。

 最終的に、マリウッチは、49ersから頂戴しているチームへの権限やサラリーよりもはるかに好条件を提示されていながら、家族をサンフランシスコから移動させたくないという決断をしたのです。

 ジョン・グルーデンは、オークランドにあと1年しか残らないはずでした。

 グルーデンも、そしてアル・デーヴィス自身も、ともに、デーヴィスという人間はコーチには高額なサラリーを払わないことをよく知っていました。

 バッカニアーズがマリウッチと交渉を始めた一方で、デーヴィスは、再び交渉の場に戻り、条件を低くしました。

 マリウッチがバッカニアーズに対して、「申し訳ないが、今回は遠慮させてもらうよ」と言うなり、デーヴィスは、要求を一段下げた、2つのドラフト1巡目指名権、2つのドラフト2巡目指名権、現金800万ドルという条件で合意を取り付けようとしました。

 バッカニアーズがグルーデンの権利を獲得するために、オールプロのDTウォーレン・サップを譲渡するのではないかとの噂も数多く流れましたが、デーヴィスは賢くもドラフト指名権を選択したのです。

 過去2年間にわたって、オハイオ州立大、ノートルダム大、フロリダ大といった有力カレッジ校のコーチ職が空く毎に、グルーデンが候補者として名前が挙がりました。

 グルーデンは、新しいコーチを探している他のNFLチームのときにも、言及されてきました。

 ピープル・マガジンが選ぶアメリカで最もハンサムな男ベスト10にも選ばれた、若くてこじゃれた少年のジョン・グルーデンは、みんなの最も望ましいヘッドコーチリストに掲載されていたのです。

 いかにグルーデンが優れているのか、それは時の経過とともに明らかになっていくでしょう。

 私は、彼は少し過大評価されているのではないかと思っています。

 彼は見栄えもするし、話も上手です。

 しかし、彼がビル・ベリチックのようなフットボールマインドを持っているようには思えません。

 彼には経験が不足しています。

 雪中戦でペイトリオッツに負けたゲームは、確かにグルーデンの勝利というべきでしょうが、彼の過去2年のレイダーズは、レギュラーシーズンを強い戦い方で勝ち抜いてきた後、プレーオフで崩れてしまっています。

 タンパベイに迎え入れられた際も、グルーデンは、「私は容赦しないつもりだ。大胆な予言をするつもりもない。私が言えることはただ、ハードワークと努力をたくさんするということだけだ」と話しています。

 私が思うに、老練アル・デーヴィスが最も得をしたのではないでしょうか。

 レイダーズはNFLで最もロスターの平均年齢の高いチームです。

 ドラフト指名権という軍事資金を得たデーヴィスは、将来に向けたチームつくりを行い、高価なベテラン選手を放出することができるようになりました。

 このことは、デーヴィスはこれまでいつも、ルーキーよりもベテランを好んでいたため、容易には進まないでしょう。

 彼が最初に行った異動は、35歳のFA選手、LBビル・ロマノウスキーをブロンコズから獲得することでした。

 NFLで最もミーンな選手の一人であるロマノウスキーは、例え彼が3年前と同じプレーができなくなっていたとしても、完璧なまでに典型的なレイダーなのです。

 さて、誰がレイダーズの新ヘッドコーチになるのでしょうか。

 前ヴァイキングズのヘッドコーチ、デニス・グリーンは、興味がないと言いつづけています。

 アート・シェルがヘッドコーチとして復帰するかもしれません。

 コーチを獲得するには時間が経ち過ぎて、トップコーチたちでは、ほとんど候補者が残っていませんし、デーヴィスもコーチに高額なサラリーを払うつもりもありません。

 依然として舞台の裏で老練アル・デーヴィスがすべての糸を操っていたとしても、それはそれでも構わないのではないでしょうか。

SEE YOU NEXT TIME!

Bill Marklevits


back number
#115 「リッキー・ウィリアムズの引退はドルフィンズを茫然とさせました。」
#114 「ペイトリオッツは昨年よりもよいチームとなっているようです。」
#113 「NFLの完璧な勝利」
#112 「NFL2004年ドラフト レビュー」
#111 「マニングの願いが叶いました。」
#110 「“NFLドラフト 第1位指名権の行方は?”」
#109 「クラレットのルールへの挑戦は、NFLの根本を揺るがすものです。」
#108 SUPER BOWL 38 レビュー
「ブレイディがペイトリオッツを再びスーパーボウル勝利に導きました。」
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#106 「ファーヴがグリーンベイにマジックをまた取り返しています。」
#105 「ハイズマントロフィーが必ずしもNFLでの成功を確約するわけではありません。」
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#100 「モーリス・クラレットとポール・タグリアブーの対決」
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#94 最善のオーバータイム方式とは?
#93 「NFL のチームはドラフトでディフェンスの選手を探しました。」
#92 「チャールズ・ロジャーズはドラフトで注目のトップアスリート」
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