Thu, 08/28/2003 1:17 pm UPDATE
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HOT OFF THE GRIDIRON #74
「フットボールとサッカー」


私の母校・ミシガン州立大のアメリカンフットボールの試合
 ワールドカップで、日本代表チームが日本中に巻き起こした興奮は新鮮なものでした。
 私は、サッカーファンではありませんが、ワールドカップでの白熱した試合を観て、各国代表のワールドカップにかける意気込みを感じ、サッカーというものをはじめて楽しんでいるような気がします。

 また、スポーツチーム(日本代表チーム)やスポーツイベントで、日本がこれほどまでに盛り上がっているのを見たことはありませんでした。日本チームが勝利を重ねるにつれ、青色のレプリカジャージとTシャツがますます目につくようになってきました。街中や電車の中で聞こえてくる会話は、すべてがワールドカップサッカーのことであるかのようにさえ感じられました。これは、アメリカでのNFLスーパーボウルやカレッジフットボールのボウルゲームの雰囲気に似ていますが、一つの国でのイベントではなく、全世界的なイベントですね。

 アメリカ代表チームは決勝ラウンドに勝ち進み、決勝トーナメント第1回戦ではメキシコに勝利するという素晴らしい活躍をしているのですが、サッカーはアメリカのスポーツ文化の中ではマイナーなスポーツとしてしか見られていません。ただ、みなさん、勘違いはしないでください。アメリカにおけるスポーツというエンターテインメントすなわち娯楽、興行の面からみたときに、サッカーというスポーツがマイナーであるということを、ここで強調しておきます。なぜなら、若者がするスポーツとしては、サッカーはアメリカでも間違いなくメジャーなものだからです。

 この一ヶ月、世界のほとんどの国では、ワールドカップがスポーツのトップニュースでしたが、アメリカにおいては、ロサンゼルス・レイカーズが3年連続でNBAチャンピオンになったこと、デトロイト・レッドウイングズがNHLチャンピオンになったこと、そしてタイガー・ウッズが全米ゴルフトーナメントで優勝したことがトップになっていました。アメリカでは、すべてのスポーツが話題になる中で、サッカーだけがその存在を忘れさられてしまっているようでした。アメリカ代表チームがポルトガル代表チームに勝った試合でさえ、そのニュースはわずか30秒しか放送されなかったそうです。

 なぜでしょうか?なぜ、アメリカは、ワールドカップという世界的な盛り上がりを共有しようとしないのでしょうか?

 これは、簡単に答えられる疑問ではありませんが、アメリカにおけるサッカーは、スポーツというエンターテイメントとしての基盤ができていないということだけは言えるでしょう。

 今のところ、アメリカのスポーツメディアは、サッカーにほとんど興味を示していません。テレビ業界は、過去に何度も一つのエンターテイメントスポーツとしてプロサッカーを広めようとしてきましたが、あまりの視聴率の悪さに疲れきってしまいました。今年のワールドカップが、アメリカのネットワークテレビではなく、ESPNのケーブルテレビでだけしか放送されていないということが、これを裏付けているように思います。



スーパーボウルの華やかさは、もはやスポーツの範疇を超えているかのようです
 アメリカンフットボールは、ポゼシンが替わったとき、クォーターが終了したとき、そしてタイムアウトのあいだなど膨大な数のコマーシャルタイムをつくりだすことができます。そのため、アメリカンフットボールはテレビのために作り上げられたスポーツであるということもできます。

 アメリカのテレビ局は、NFLやカレッジフットボールが惹きつける大勢のテレビ観戦者を取り込みたいスポンサーのために、できるだけ多くのコマーシャルタイムを設定することが大好きなのです。タイムアウトのないサッカーでは、コマーシャルタイムを設定することができず、コマーシャル収入がほとんど期待できないのです。

 しかしながら、アメリカでのサッカー人気は変わりつつあります。最近では、サッカーはアメリカの若者のあいだで、最も人気のあるスポーツの一つとなっており、約2,000万人がサッカーをしています。サッカー人口は世界一です。4年前と比べるとおよそ25%も増加しています。

 でも、アメリカンフットボールファンは、まだ何も心配する必要はありません。なぜなら、ベストアスリートは、高校生になると、アメリカンフットボールに転向する傾向があるからです。その理由は、アメリカンフットボールのほうが社会的な知名度を得る機会が多いこと、またNFLと契約する魅力のほうが、メジャーサッカーリーグ(MLS)と契約する魅力よりもはるかに大きいことです。その金額にあまりにも差がありすぎるのです。

 1975年以前、組織だった少年サッカーというものは、アメリカにはほとんどありませんでした。私が育ったミシガン州でも、サッカーは外国人のするスポーツだと思われていました。少年サッカーチームや中学や高校のサッカーチームもなく、体育の授業にもサッカーはありませんでした。

 ある日、友達がサッカーボールを持ってきて、そこで、はじめてサッカーボールを蹴りました。たった一度の、わずか数分、もしかしたら2、3分間の経験でした。すぐにボールを蹴ることに飽きてしまい、いつものようにアメリカンフットボールに夢中になっていました。

 今のアメリカの若者たちは、サッカーをしながら育ち、サッカーに慣れ親しんでいます。一方、30歳以上の人々は、新しい芸を覚えることのできない老犬のように、サッカーという比較的最近のスポーツを見ることに全く興味を示さないのです。

 本当の意味で、サッカーがアメリカのスポーツエンターテインメントの世界で認められるようになるためには、アメリカ代表チームが決勝に進出するだけでなく、常にワールドカップチャンピオンを狙える位置にいる必要があるでしょう。

 アメリカのスポーツファンはチャンピオンが好きです。もし、アメリカ代表チームが国際的なサッカー大会でチャンピオンになることができなければ、サッカーが、平均的なアメリカのスポーツファンの関心を一番に惹きつけることは難しいでしょう。サッカーへの注目度は、いつまでたっても2番目、3番目のままでしょう。

 ワールドカップ2002も、準決勝、三位決定戦、決勝を残すのみとなりました。アメリカ代表チームは、6月21日(金)にドイツ代表チームに敗れベスト8で姿を消しました。アメリカ代表チームとドイツ代表チームの試合は、現地では6月21日(金)の7:30AM(東部時間)にキックオフでした。イングランドでは、イングランド代表チームの試合の日は、平日であっても朝からビール片手にパブに集まって応援していたそうですが、果たして、アメリカではどうだったでしょうか?

 その日、『USA Today(アメリカの全国紙)』では、はじめてワールドカップのニュースを紙面のトップにもってきたそうです。そこには、サッカーというスポーツでは、ヘッディングが認められているものなんだ、というようなサッカーのルールについてのコーナーもあったそうです。いかにサッカーがアメリカで知られていないかを示しているような気がします。

 また、ブルース・アリーナ監督は、試合前に次のようなコメントをしていました。
「もし、試合に負けても、我々はうれしいです。家に帰れますから。」
 これは、選手をリラックスさせるためのものなのか、それとも本心なのか? これが、本心であれば、サッカーがエンターテインメントとしてアメリカで認められるようになるまでには、まだまだ時間がかかりそうです。
 ちなみに、ドイツ代表に敗れたというニュースは、NBC放送でわずか13秒だけだったそうです。アメリカの高校および大学では、アメリカンフットボールとバスケットボールがメインスポーツになっています。



アメリカンフットボールは選手やコーチ以外にもたくさんの人々が関わっているのです
 アメリカンフットボールは、100年以上ものあいだアメリカの教育制度の一部としての役割を果たしています。これがすぐに変わることはないでしょう。サッカーをする人は増えてきていますが、アメリカンフットボールの試合は、選手だけではなく、マーチングバンド、チアリーダー、また、学生や卒業生といった、たくさんのファンが参加する学校全体のイベントです。そのフットボールの試合は、ほとんどの学生のカレンダーにマークされます。高校生にとっては金曜日の夜、大学生にとっては土曜日の午後がそうです。

 大学のサッカーの試合が、このアメリカンフットボールの試合のようなスケールと人気に到達するとは、現時点ではとても想像できません。アメリカンフットボールファンも、今は、もうまもなく終わってしまうワールドカップ2002を楽しみましょう。

 8月になれば、今度は、私たちの好きなアメリカンフットボールの新しいシーズンがはじまります。もうすぐです。私は、今から8月になるのが待ち遠しいです。

SEE YOU NEXT TIME!
Bill Marklevits

back number
#115 「リッキー・ウィリアムズの引退はドルフィンズを茫然とさせました。」
#114 「ペイトリオッツは昨年よりもよいチームとなっているようです。」
#113 「NFLの完璧な勝利」
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#108 SUPER BOWL 38 レビュー
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#100 「モーリス・クラレットとポール・タグリアブーの対決」
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