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HOT OFF THE GRID IRON#75
「イーストコーストオフェンスがNFLにやってきた」

 NFLで最も高額のサラリーを受け取っているヘッドコーチは誰だと思いますか?

 2度のスーパーボウル・チャンピオンに輝いているブロンコスのマイク・シャナハンではありません。NFLでほかの誰よりも長くヘッドコーチをしている(11シーズン)スティーラーズのビル・カウアーでもありません。

 それはプレイオフに出場できるような強いチームのヘッドコーチを辞めて、人事権を含む全権を任され、さらに高額の契約をするチームのヘッドコーチになったジョン・グルーデン(レイダーズからバッカニアーズ)やマイク・ホルムグレン(パッカーズからシーホークス)でもありません。

 NFL史上最高額の契約をしたヘッドコーチが、NFLでは、まだ一度も試合をしたことがないという事実を信じられますか?

 最後のヒントは、今年の8月4日に開催される大阪ドームでのワシントン・レッドスキンズとサンフランシスコ49ersの試合が、彼にとってNFLではじめての試合になるということです。


NFLの世界は結果がすべて。最高年俸に相応しい結果をスパリアーは導き出せるだろうか
 1シーズンに210万ドル以上という、カレッジフットボールのヘッドコーチとしては最高額の契約をしていたフロリダ大学のスティーヴ・スパリアーは、ワシントン・レッドスキンズのオーナー、ダニエル・スナイダーと1シーズン500万ドルで5年間、ほかに活躍に応じたボーナスという内容の契約を結びました。

 
 スパリアーは、長年に渡り、オフェンス思考の第一人者、またパッシングゲームの専門家であるとされています。

 以前は、NFLの誘いを断って、自身の出身校であるフロリダ大学に喜んでとどまっていました。そこでは、高得点でかつ見ていて楽しいオフェンスゲームを展開していました。1990年以降、スパリアー率いるフロリダ大学ゲイターズは、1試合平均で、35ポイント、310パッシングヤード、トータル460ヤード以上を記録してきました。

 参考までに、昨年のレッドスキンズの1試合平均は、わずか16ポイント、155パッシングヤード、トータル277ヤードでした。
 
 このスパリアーに、彼にとっては居心地のよいカレッジフットボールから新天地となるNFLへの転身を決心させたのは、ダニエル・スナイダーの巨額の資金力でしょう。

 スプレッドオフェンスでのパッシングゲームはスパリアーが得意としていますが、一般にウェストコーストオフェンスと呼ばれている彼のスタイルは、今シーズンのNFLの試合でよく見られるオフェンスとなることでしょう。

 ワシントンD.C.は東海岸にあるので、これを新たにNFLの“イーストコースト”オフェンスと呼ぶことにしましょう。
 
 スパリアーはこう言っています。「常に、得点することを第一に考えている。私の父はずっと以前に教えてくれました。得点し続けること、それはすなわち勝とうとしていることだと」
 ダニエル・スナイダーは、レッドスキンズのオーナーになってからというもの、他のオーナー以上に、チームに投資してきています。

 わずか1年半のあいだに、3人ものヘッドコーチが入れ替わりました。ノーヴ・ターナー、テリー・ロビスキー、そしてマーティ・ショッテンハイマー。

 すでにピークを過ぎていたディオン・サンダース、ブルース・スミスの獲得にも大金をつぎ込みました。
 保守的なヘッドコーチ、マーティ・ショッテンハイマーの下で失敗することを運命づけられていたQBジェフ・ジョージとも、高額の契約をしました。

 スナイダーは、昨シーズン、このショッテンハイマーをアナウンサー席からコーチング席へ引き戻すために、なんと1,000万ドルも支払っています。

 スナイダーは、2,500万ドルという信じられないような額で契約することにより、スパリアーを手に入れることができたのです。

 近年、NFLの大抵のヘッドコーチ(ジョン・グルーデン、マイク・ホルムグレン、マイク・シャナハンなど)は、コーチとしての権限だけでなく、人事権を含む全権を望む傾向にあります。

 しかし、スパリアーは人事権を望みませんでした。代わりに、ディフェンスに関してはマーヴィン・ルイスに完全に任せるという契約をしました。マーヴィン・ルイスをレイヴァンスから獲得したのは、やはりスナイダーの資金力でした。マーヴィン・ルイスは昨シーズンまで、レイヴァンズのディフェンス・コーディネイターをしていて、MLBレイ・ルイスを中心としたディフェンスで、2001年のスーパーボウルで優勝しています。
 今度、マーヴィン・ルイスは、3年目のMLBラヴァー・アーリントンを中心にディフェンスを組み立てていくことでしょう。

 人事権については、基本的には、スパリアーの希望通りになるようですが、最終的には、ダニエル・スナイダーが決定を下すことでしょう。

 スティーヴ・スパリアーの就任は、ワシントンとの人たちには快く受け入れられています。その証拠に、シーズンチケットの売上が伸びてきています。新しい“イーストコーストオフェンス”で、レッドスキンズのスコアボードが輝いてくるのではないかという期待の現れでしょう。

 スパリアーは、フロリダ大学からレッドスキンズに何人かのコーチング・スタッフを連れてきました。また、息子をWRのコーチとしてオクラホマ大からレッドスキンズのコーチング・スタッフに加えました。さらに、フロリダ大学出身のQBダニー・ワーフェル(ジャイアンツを経てテキサンズ)やシェイン・マシューズ(前ベアーズ)、さらにWRジャッケズ・グリーン(前バッカニアーズ)、リーデル・アンソニー(前バッカニアーズ)、クリス・ドーリング(前ブロンコス)を獲得したりしました。大変興味深い動きをしたと思いませんか。そして、つい最近、これまでのレッドスキンズのトップWRであったマイケル・ウェストブルックの放出を決めました。

 レッドスキンズが契約したこれらの選手は、NFLではほとんど活躍していません。
 しかし、スパリアーは、フロリダ大学での教え子たちが、彼が要求する完璧なまでのオフェンスを展開することができると確信しています。また、そのために、彼らが高額のサラリーを要求しないことも分かっています。

 レッドスキンズはNFLの中でも、ヘッドコーチが先発QBよりも高額で契約をしている数少ないチームのひとつです。

 シェーン・マシューズは、過去8シーズンで20試合に先発し、レッドスキンズでは最も経験のあるQBです。おそらく、スパリアーのNFLでのはじめての試合に先発することになるでしょう。

 ダニー・ワーフェルは、1996年にスパリアーがはじめて全米チャンピオンになったときのQBで、ハイズマン・トロフィー受賞者でもあります。しかし、NFLではわずか6試合に先発しただけです。
 
 スパリアーは、マシューズあるいはワーフェルを使うでしょうが、それがうまくいかなければ、ダニエル・スナイダーはドラフト一巡目指名のパトリック・ラムジーを使うようにプレッシャーをかけてくるでしょう。

 スパリアーのオフェンスシステムでは、彼自身がオフェンスのコーディネイトをすべて行います。また、スパリアー自身がハイズマン・トロフィーを受賞しているQBであったということもあり、最初から、QBにはどのようにして欲しいのかということを教える方法を心得ています。

 スパリアーのシステムでは、ディフェンダーとの距離をおくことのできる、すばしっこいレシーバーが必要です。



スパリアーの構築したパスオフェンスに不可欠なのは俊敏なWRの存在
 フロリダ大学でのスパリアーは、手ごわい相手との試合で得点を積み重ねていくことが好きなヘッドコーチとして有名でした。

 それは,1994年のジョージア大学との試合のことです。試合もほぼ終わりを迎えようとしていました。45−17でフロリダ大学が圧倒的なリードを奪い、勝利もほとんど決まっていました。このとき、フロリダ大学のボールはジョージア大学の8ヤードラインにありました。

 スパリアーはフィールドゴールチームを送り込みました。そのとき、プレスボックスにいたコーチング・スタッフの誰かがスパリアーに、「ジョージア大学のホームであるサンフォード・スタジアムでジョージア大学を相手に、50ポイント以上の差をつけて勝ったチームはこれまでない」と伝えた途端、スパリアーはすぐにタイムアウトをとり、フィールドゴールチームを呼び戻し、パス・プレイに切り替えました。これが見事に成功し、スパリアーは、プレスボックスのコーチング・スタッフに「やったぞ!」と応えました。

 後日、アーカンソー大学との試合で一方的に得点をあげていったこと関して質問されたて、「そう非難されて嬉しいです」と応えました。98シーズン後に、スパリアーは、「私たちは、昨年成長しきれませんでした。

50点以上を一度しか取らなかった、そしてランニングアップザスコアを一度しか言われなかった」
 スパリアーはプロ選手とうまく付き合っていくことができるでしょうか?
 時が経てばわかります。

 スパリアーは選手へ厳しい要求をする完全主義者です。大学の選手はスパリアーを尊敬し、スパリアーは彼らの最大限の力を引き出しました。
 果たして、スパリアーは大学生より年上で高額のサラリーを受け取っているプロの選手との間に、同じような信頼関係を築き上げることができるでしょうか?
 
 スパリアーと対戦するNFLのほかのヘッドコーチは、スパリアーが自分たちとそれほどかわらないということを示そうと努力しています。事実、カウボーイズを筆頭にレッドスキンズの対戦相手は、このオフシーズンに、フロリダ大学ゲイターズのビデオをみて、スパリアーの戦術を徹底的に研究しています。

 “ミスター・スナイダー”にプレゼントする最初のボールは、NFCイーストのライバルで、レッドスキンズが8連敗しているカウボーイズとの11月28日のゲームボールになると言ってレッドスキンズのファンを興奮させました。

 スパリアーは大学選手としてハイズマン・トロフィーを受賞しましたが、NFLのQBとしては特に成功はしていませんでした。49ersでの1967−1975のキャリアの大半は、ジョン・ブローディーのバックアップQBでした。スターターとしてのチャンスは、ケガのためにしばしば潰れてしまいました。

 しかし、コーチとしては恐れられています。なぜなら、スパリアーのオフェンスは、ディフェンスがどのように守ったとしても、そのすべてに対応してしまう力があるからです。

 人々はスパリアーをフットボールのベストサイドラインコーチと評価しています。何度も言いますが、それに対してダニエル・スナイダーが巨額の資金をつぎ込んだのです。

 スパリアーのフロリダシステム、フロリダ選手およびフロリダコーチがNFLでどこまで通用するのか、今から楽しみです。それは、スパリアーがフロリダ大学でしていたようにはいかないでしょう。

 NFL史上最高額の契約をしたヘッドコーチには、結果を出すことが要求されます。その結果とは、すぐに勝つことです。スティーヴ・スパリアーはこのプレッシャーに耐え、結果を出すことができるでしょうか?

SEE YOU NEXT TIME!
BILL MARKLEVITS

back number
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#114 「ペイトリオッツは昨年よりもよいチームとなっているようです。」
#113 「NFLの完璧な勝利」
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#108 SUPER BOWL 38 レビュー
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#69 「ジョン・グルーデンとアル・デーヴィス」
#68 「ペイトリオッツが示しました。みんなが間違っていたと!」
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