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HOT OFF THE GRIDIRON #76
「スティーヴ・マリウーチとトム・イゾー〜子供の頃からの大親友」(前半)

 サンフランシスコ・フォーティーナイナーズのヘッドコーチ、スティーヴ・マリウーチの大親友は、ミシガン州立大学のバスケットボールチームのヘッドコーチ、トム・イゾーです。

フットボールに賭ける情熱は誰にも負けない、スティーヴ・マリウーチ

 マリウーチは、NFLでもトップクラスのオフェンスコーチの一人です。イゾーは、ミシガン州立大学を、4年連続ビッグテンカンファレンスチャンピオン、2000NCAAカレッジバスケットボール全米チャンピオンという実績をもって、NCAAのエリートバスケットボールチームへと育て上げました。

 偶然にも、私がはじめてマリウーチとプライベートに話す機会を得たのは、インディアナポリスでした。ミシガン州立大学が、全米チャンピオンになった日の深夜3時ごろのことでした。

 トム・イゾーは、個人的に開いた全米チャンピオン祝勝パーティに、大勢の友人を招待していました。何と、そのパーティは、翌朝、日が昇り始めるころまで続きました。

 そこで、マリウーチは私に話してくれました。イゾーの試合を見るために、ミシガン州立大学を訪れたことがあること。ミシガン州立大学のTシャツを着て、「イゾン」と呼ばれる学生応援グループと一緒になって応援していたこと。また、NCAAトーナメントという大きな試合で、ミシガン州立大学と親友(トム・イゾー)を応援し、コーチミーティングにも参加したこと。

大親友イゾーのバスケットボールチームを応援するマリウーチ
チャリティーゴルフに参加する2人
大学のバスケットボール界では知らない者はいない、トム・イゾー
「ホームタウンの誇り」と書かれたアイアン・マウンテン入口の標識

 また、トム・イゾーも49ersを訪れたことがあります。49ersのコーチミーティングに参加したこともあれば、NFLの試合中にはチームのサイドラインに立っていたこともあります。

 マリウーチとイゾーは、毎週、電話で話をしています。また、毎年、夏には、ミシガン州アイアン・マウンテンで、一緒にチャリティーゴルフ大会を開催しています。

 マリウーチが指揮する49ersのトータルオフェンスのこの5年間の成績は、1試合平均362.8ヤードで、ラムズについで2位にランキングされています。彼は、ターンオーバーが嫌いです。そのためか、1試合平均でわずか1.5のターンオーバーは、1970年以来、NFLコーチの中では最高の数字です。

 ミシガン州立大学で成功をおさめているトム・イゾーは、今のミシガン州では、聖人君子のような評価を得ています。

 一方のスティーヴ・マリウーチは、前ヘッドコーチ、ジョージ・シーファートがスーパーボウルチャンピオンやNFCチャンピオンになったときから繰り延べられているサラリーキャップの問題に直面しながら、ロースターを再建しなければならないという苦しい時期にあっても、NFL名門チームのヘッドコーチである限り、期待されるているものは非常に大きいです。

 49ersのファンは、もう一度、スーパーボウルを争って欲しいと願っています。NFLのプレイオフに出場しただけでは、ファンにとっても、マリウーチにとっても、決して十分ではないのです。

 マリウーチとイゾーは、ミシガン州の上部に位置する半島の西側、ウィスコンシン州グリーンベイから100マイルほど北にある、ミシガン州アイアン・マウンテンというごく小さな町で育ち、コーチという職業の頂点に登りつめました。

 ミシガン州の人口わずか8,644人というアイアン・マウンテン出身のイタリア系アメリカ人の少年2人が、ヘッドコーチとして成功する見込みは、ほとんどないに等しいようです。まして、マリウーチとイゾーが育っていたころは、その人口は、現在よりも200人か300人は少なかったです。

 アイアン・マウンテンは、かつては探鉱の町(ここからアイアンの名がつきました。)です。この町は、これまで、世界一の人工スキージャンプ台(374の木製階段があります)があることで有名でしたが、今は、マリウーチとイゾーの出身地として世界的に有名になっています。

 彼らの出身地であるミシガン州の上部に位置する半島は、冬が終わらない場所、この地方の人々はイグルー(エスキモー人の家屋で、通常は、氷雪を固めたブロックを丸屋根に積み上げたもの)に住んでいる、また、すべての面で文明化された世界に遅れている、というようにいわれている地域でもあります。もちろん、皆が本気でこう言っているわけではありませんが。

 マリウーチとイゾーは、アイアン・マウンテン高校マウンテイニアーズで、アメリカンフットボール、バスケットボール、野球、そして陸上を一緒にやっていました。当時、ミシガン州の高校はその規模に応じて、クラスAからクラスDに分けられていました(現在は、6つに分けられています。)が、このマウンテイニアーズは最も小さいクラスDに所属しています。

 チームメイトとしても、この2人は大親友でした。アメリカンフットボールでは、マリウーチはイゾーにパスし、陸上のリレーでは、イゾーがマリウーチにバトンをわたしていました。そして、1,600メーターリレーでは校内記録を樹立しました。

 バスケットボールでは、ミシガン州クラスDの決勝戦まで勝ち進みました。1点を追いかけていたマウンテイニアーズは、残り2秒のところで、イゾーがファウルされました。イゾーは、ワンアンドワン(1本成功すれば、もう1本もらえる)のショットをするために、フリースローラインに立ちました。しかし、イゾーはこれを決めることができませんでした。イゾーは泣き崩れ、マリウーチはイゾーを抱きかかえていました。

 2人は、アイアン・マウンテン高校から1時間ほど離れた、マーケットにある北ミシガン大学に進みました。
 2人とも、スポーツ奨学生になることはできませんでしたが、ウォークオン(スポーツ奨学生ではない。それほどその能力を買われていない)で、マリウーチはQBとしてフットボールチームに入り、イゾーはポイントガードとしてバスケットボールチームに入りました。

 マリウーチとイゾーは、ルームメイトとして一緒に生活し、一緒にトレーニングし、ともにヘッドコーチになることを夢みていました。ほかの学生と仲良くして、大学生活を楽しむかわりに、何時間もスポーツの話をしたり、“X”や“O”(“X”や“O”はコーチが使うディフェンスとオフェンスの記号)を使って、プレイのシミュレーション図を書いたり、それについて議論したりしていました。

 マリウーチは言いました。「私たちは、次のレベル(プロ)でプレイすることはできないであろうと気づきはじめました。そして、スポーツの世界にとどまるためには、コーチという職につくことが現実的に思えてきました。また、それが最後の拠り所になることも分かってきました。私たちは、教員免許を取得し、夏に時給にして6ドルを稼げるように、運転免許教員の資格も取得しました。」

 マリウーチとイゾーは賭けをしました。どちらが先にノートルダム・ファイティングアイリッシュのヘッドコーチになれるか。マリウーチはアメリカンフットボールで、イゾーはバスケットボールで。

 2人とも、小さいころからグリーンベイ・パッカーズのファンだったので、当時のヘッドコーチ、ヴィンス・ロンバルディから受けた影響は大きく、“タフな人が勝つ”が2人の哲学です。

 マリウーチ、イゾーはともに、選手としてNCAAディヴィジョンIIのオールアメリカンに選ばれています。
 特に、マリウーチは、1974年には0勝10敗の成績であった北ミシガン大学を、翌年1975年には13勝1敗の成績で全米チャンピオンに導き、ディヴィジョンIIの伝説的なQBになっています。そのときのヘッドコーチは、ビル・ラダメイカーでした。ビル・ラダメイカーは、ニューヨーク・ジェッツがQBジョー・ネイマスを擁して、第3回スーパーボウル(1969)チャンピオンになったときのジェッツのWRであり、後にミシガン州立大学のアシスタントコーチになりました。

 イゾーは、メジャーな大学のバスケットボールコーチになりたくて、1979年に給料なしのアシスタントコーチとして、ミシガン州立大学にきました。そして、ビル・ラダメイカーの家の地階に暮らすことになりました。
 イゾーは、大抵のフットボールコーチがそうするように、チームにタフなディフェンスとリバウンドを徹底的に取ることを教え込みます。選手たちの間で“戦争”と呼ばれているリバウンドの練習のときには、より積極的になることを強調するために、イゾーが、選手たちにフットボール防具を身に付けさせていることはよく知られています。この5年間、彼のチームは、特に体の大きいセンターがいないにもかかわらず、NCAAのリバウンドをリードしています。

 イゾーの父、カール・イゾーは、誇らしさあり、驚きありといった様子で、次のように語っていました。
「『どのようにして、そのように立派な息子に育てたんですか。』、とよく聞かれますが、私は2つのことを教えただけです。『絶対に仕事に遅れてはいけない。絶対に早く帰ってはいけない。』と」
 この懸命に努力するという哲学を、マリウーチ、イゾーのどちらのチームにもみてとることができます。2人は、選手たちに、練習でも試合でも最大限の努力をするように求めています。

(次週に続きます。お楽しみに。)

SEE YOU NEXT TIME!
BILL MARKLEVITS

back number
#115 「リッキー・ウィリアムズの引退はドルフィンズを茫然とさせました。」
#114 「ペイトリオッツは昨年よりもよいチームとなっているようです。」
#113 「NFLの完璧な勝利」
#112 「NFL2004年ドラフト レビュー」
#111 「マニングの願いが叶いました。」
#110 「“NFLドラフト 第1位指名権の行方は?”」
#109 「クラレットのルールへの挑戦は、NFLの根本を揺るがすものです。」
#108 SUPER BOWL 38 レビュー
「ブレイディがペイトリオッツを再びスーパーボウル勝利に導きました。」
#107 「SUPER BOWL XXXVIII プレビュー」
#106 「ファーヴがグリーンベイにマジックをまた取り返しています。」
#105 「ハイズマントロフィーが必ずしもNFLでの成功を確約するわけではありません。」
#104 「バッカニアーズからマジックが消えてゆきました。」
#103 「マービン・ルイスはベンガルズをプレイオフへ導く勢いです。」
#102 「ヴァイキングスは今、NFCで注目のチームです。」
#101 「ディック・ヴァミールはチーフスを好調の波に乗せました。」
#100 「モーリス・クラレットとポール・タグリアブーの対決」
#99 「バッカニアーズはNFLで最高のチームです。」
#98 「全米連覇を狙うオハイオ州立大学」
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#96 「トミー・マドックスにどのぐらいの価値があると思いますか?」
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#86 「NFLで最も優れたチームはどのチームでしょうか」
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#82 「デトロイト・ライオンズの新しいスタジアム」
#81 「デイヴィッド・カーの試練」
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#78 「マイアミ大学ハリケーンズ、2連覇なるか?」
#77 「スティーヴ・マリウーチとトム・イゾー こどものころからの大親友 (後半)」
#76 「スティーヴ・マリウーチとトム・イゾー こどものころからの大親友 (前半)」
#75 「イーストコーストオフェンスがNFLにやってきた」
#74 「フットボールとサッカー」
#73 「さよなら、クリス・カーター」
#72 「プロフットボールの底辺は”アリーナフットボール2”」
#71 「ドラフトを振り返って」
#70 「新しいエクスパンションチーム、ヒューストン・テキサンズは、2002年のNFLのドラフトで、ナンバーワンピックを取るでしょう。」
#69 「ジョン・グルーデンとアル・デーヴィス」
#68 「ペイトリオッツが示しました。みんなが間違っていたと!」
#67 「第36回スーパーボウルプレビュー」
#66 「天はニューイングランドに味方した!」
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