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HOT OFF THE GRIDIRON #81
「デイヴィッド・カーの試練」


チャージャーズのホーム、クアルコム・スタジアムは9月いっぱいMLBパドレスと共有される
 4月のNFLドラフトでヒューストン・テキサンズに第1位指名されたフレズノ州立大学出身のルーキーQBデイヴィッド・カーは、今では大金を手にしています。NFLの先発QBになるという全てのQBにとっての最高の夢に、彼は辿り着いたのです。

 しかし、サンディエゴ・チャージャーズに24-3と負けた試合で、彼の身体とその自信は、9回のサック、それに何度も打ちのめされたことによって傷つきました。

 いくらドラフト高順位で指名されたとしても、1年目にルーキーQBを先発として起用するNFLチームはほとんどありません。プロの試合は大学の試合よりもスピードがあり、もっと複雑です。特にQBは、ディフェンスと無数のパスカヴァレッジの動きを読めるようにならなければなりません。

 若いQBを育てる最良の方法は、ベテランQBを観察させ、そこから学ばせることなのです。

 これまでに、高順位でドラフトされたQBをみると、ファルコンズのマイケル・ヴィックは、1年目、クリス・チャンドラーに学び、チャージャーズのドリュー・ブレスはダグ・フルーティーに1年間学び、ヴァイキングスのダンテ・カルペッパーはジェフ・ジョージとランドール・カニングハムに1年間学びました。このような例は、いくらでもあります。



テキサンズQBデイヴィッド・カー
 クリーブランド・ブラウンズも1999年にドラフト第1位でQBティム・カウチを指名しましたが、彼の1年目のシーズンに、ブラウンズはタイ・デトマーを先発で起用していました。その後デトマーが負傷したために、カウチが先発することになりました。

 テキサンズは若いデイヴィッド・カーを初日から先発させました。なぜなら、才能あるルーキーがフランチャイズの明るい展望なのです。

 ジャーニーマンQBトニー・バンクスは、あくまでもカーのバックアップであり、デイヴィッド・カーが、テキサンズのクォーターバックであることは明らかです。

 デイヴィッド・カーの記念すべきNFL最初の試合の対戦相手は、州のライバルであるダラス・カウボーイズでした。ホームでの開幕戦でもあったこの試合、カーは145ヤードを投げ、2TDを決め、カウボーイズを破り、初勝利を挙げました。 

 ただ、その試合、カーは3TDを決めることができたはずです。もし、レシーバーが、カーの投げたパスを落とさなければ。

 “今シーズンは、1勝15敗でもいいから、今夜だけは、カウボーイズを倒してくれ!!”と書かれたボードを持って、応援しているファンもいました。 



上のブースにいるオフェンス・コーディネーター クリス・パーマーとプレイをチェックするカー

肩のケガによりサイドラインからカーを見守るOTトニー・ボセリ
 テキサンズのファンが、初勝利に沸きあがっている一方で、カウボーイズのオーナー ジェリー・ジョーンズにとっては、おそらく人生の中で最低最悪の試合であったことでしょう。彼は、後半になると、興奮したようにスタンドの椅子から立ちあがりカウボーイズ・サイドラインに移動しました。
 カウボーイズは自分たちを「アメリカのチーム」と思っています。それに対しテキサンズは、ただ「テキサスのチーム」になりたいのです。そして、その夜、ルーキーQBデイヴィッド・カーおよびヒューストン・テキサンズは、テキサスの「チーム」でした。

 デイヴィッド・カーは、サンディエゴでの敵地の試合で、はじめて狼の前に投げ出されました。

 テキサンズは、オフェンスラインに、エキスパンジョンドラフトの第1位指名で、NFLプロボウルに5回出場しているトニー・ボセリの肩のけがが回復するまで、ルーキーLTチェスター・ピッツを先発させなければなりません。

 また、ルーキーRGフレッド・ウェアリーを先発させなければなりません。先発に予定されていたライアン・ヤングもけがをしているためです。

 結果、若くて経験のないオフェンスラインがジュニア・セアウとチャージャーズディフェンスと対戦しなければなりません。

 ベテランのオールプロMLBジュニア・セアウはチャージャーズファンを盛り上げ、ディフェンスの狂乱を演じました。彼らは、その日ずっと、カーを攻め、ブリッツし、また攻めてを繰り返し、デイヴィッド・カーにNFLの洗礼を浴びせました。

 テキサンズが、最初のシリーズでやってはいけないこと、それはターンオーバーでした。しかし、それが、セアウがチャージャーズのルーキーでフリーエージェントの強力Sヴァーノン・フォックスにより軽くたたかれたパスを拾い上げたときに、起こってしまいました。



1番のターゲット、コーリー・ブラッドフォードと
 けがをしたロドニー・ハリソンにかわってチャージャーズの先発セイフティになったフォックスは、昨シーズン、フレズノ州立大学でデイヴィッド・カーのチームメイトでした。

 チャージャーズは、3プレイ後にTDを決め、あっというまに14-0とリードを奪いました。これは、チャージャーズディフェンスが、パスをしようとするカーへ、さらにプレッシャーをかけることとなりました。

 この日、カーは、25回投げて、成功したのはわずか6回。2インターセプト、タッチダウンなし、87ヤードを記録したにすぎませんでした。

 その一方で、エンドゾーンでファンブルし、チャージャーズにタッチダウンを許してしまいました。

 また、第1Qには、セアウにタックルされて、セイフティになったかに見えたプレイがありましたが、カーは、その長い腕をいっぱいに伸ばして、なんとかエンドゾーンのぎりぎり外にボールを出しました。



チャージャーズディフェンスからのプレッシャーの中パスを投げるカー
 チャージャーズのプレッシャーから、若いテキサンズのラインはたくさんのペナルティをしてしまい、若いカーは、何度も危険をともなうサード・アンド・ロングの状況に追い込まれてしまいました。もちろん、こうなればチャージャーズディフェンスに分があります。

 ホームでカウボーイズに勝利し、サンディエゴでぼろぼろにたたかれ、まるで山の頂上から谷底に突き落とされたようなカーは、NFLのQBとは何かを学んだことでしょう。

 カーは言っていました。「NFLとカレッジは大きく違うと言われていました。最初の2試合を終え、その言葉が、頭のなかで大きく渦巻いています。最高だと思っていたら、そのすぐあとにはこのざまです。まったく正反対です。」

 ヘッドコーチ ドム・ケイパーズは、「カーが我々のクォーターバックです。彼は、このようなことを経験しながら、戦う術を学んでいくのです。」と言っていました。

 この日、カーは、何度も何度もリングに倒されては起き上がるボクサーのようでした。そして、これでもかというほどのパンチを浴びせていたのが、ベテランのジュニア・セアウでした。セアウは、カーに、地元カリフォルニアの大勢の友人が見ている前で、“NFLへようこそ”というきつい歓迎の挨拶をしたのでした。



テキサンズQBデイヴィッド・カー、試合後の表情
 カーは試合後の記者会見にかなり遅れてきました。驚いたことに、彼はスーツを着て、ネクタイをしめ、きちんとした身なりをして無傷で現れたのです。そして、次のように述べました。

 「これまでの人生のなかで、このような試合をしたことはありません。私はテキサンズの一員であり、チームの一部です。このような日には、船下りでもしたい気分です。」 

 「もし、私たちが、ジュニア・セアウを押さえ込むことができなければ、逆に自分たちが彼に痛めつけられることを、私は分かっていました。今日は、試合をセアウに支配されてしまいました。」

 12年のベテラン、ジュニア・セアウについては、スピードもなくなり、かつてのようではないと言う人もいますが、この日は、全盛期のプレイそのものでした。セアウのコメントです。

 「カーはこのリーグで才能を発揮するようになるだろう。」

 「このリーグの一部になりたいと思うなら、良いときも悪いときも経験しなければならない。私たちは、彼にプレッシャーをかけたかったし、思い通りにさせたくなかった。今日は、ほぼそうすることができた。」

 テキサンズにとって必要なこと、それは、カーがつぶされてしまう前に、カーのパスを守るボセリとヤングの復帰です。それについて、ヘッドコーチ ケイパーは、おそらく2-3週間で戻ってこられるだろうと言っていました。

 エキスパンジョンチームのテキサンズが1年目からプレイオフに出られるとは誰も考えていません。むしろ、カウボーイズを倒しただけで十分だという人もいます。だから、2年目以降のために、カーを大事に育てたいとみなが考えているのです。
 
 若いカーは、「倒されるたびに、そこから起き上がります。すべての試合後に、シュノーケルをつけ、氷バケツの中に入り、次の週には必ず戻ってきます。」と言いながら、新たな決意をしているように見えました。

 次は、デトロイトからのレポートです。

 デトロイト・ライオンズは、まったく元気がありませんが、ルーキーQBジョーイ・ハリントンが、新スタジアム“フォード・フィールド”のグランドオープニングゲームで先発することが決まりました。ハリントンと“フォード・フィールド”をチェックしてきます。楽しみにしていてください。

SEE YOU NEXT TIME!

Bill Marklevits

back number
#115 「リッキー・ウィリアムズの引退はドルフィンズを茫然とさせました。」
#114 「ペイトリオッツは昨年よりもよいチームとなっているようです。」
#113 「NFLの完璧な勝利」
#112 「NFL2004年ドラフト レビュー」
#111 「マニングの願いが叶いました。」
#110 「“NFLドラフト 第1位指名権の行方は?”」
#109 「クラレットのルールへの挑戦は、NFLの根本を揺るがすものです。」
#108 SUPER BOWL 38 レビュー
「ブレイディがペイトリオッツを再びスーパーボウル勝利に導きました。」
#107 「SUPER BOWL XXXVIII プレビュー」
#106 「ファーヴがグリーンベイにマジックをまた取り返しています。」
#105 「ハイズマントロフィーが必ずしもNFLでの成功を確約するわけではありません。」
#104 「バッカニアーズからマジックが消えてゆきました。」
#103 「マービン・ルイスはベンガルズをプレイオフへ導く勢いです。」
#102 「ヴァイキングスは今、NFCで注目のチームです。」
#101 「ディック・ヴァミールはチーフスを好調の波に乗せました。」
#100 「モーリス・クラレットとポール・タグリアブーの対決」
#99 「バッカニアーズはNFLで最高のチームです。」
#98 「全米連覇を狙うオハイオ州立大学」
#97 「ジョン・グルーデンは連覇を狙います」
#96 「トミー・マドックスにどのぐらいの価値があると思いますか?」
#95 「NFLチームがロサンゼルスに戻る日は?」
#94 最善のオーバータイム方式とは?
#93 「NFL のチームはドラフトでディフェンスの選手を探しました。」
#92 「チャールズ・ロジャーズはドラフトで注目のトップアスリート」
#91 「カーソン・パーマーのインタビュー」
#90 「5人の新ヘッドコーチ」
#89 「グルーデンは高くなかった」
#88 「ジョン・グルーデン・ボウル」
#87 「マイケル・ヴィック − 君はどんな活躍をみせてくれるんだい?」
#86 「NFLで最も優れたチームはどのチームでしょうか」
#85 「モーリス・クラレット」
#84 「ジェイク・ポーターのタッチダウン」
#83 「エミット・スミスと偉大なラッシャー」
#82 「デトロイト・ライオンズの新しいスタジアム」
#81 「デイヴィッド・カーの試練」
#80 「大学街でのNFL」
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#78 「マイアミ大学ハリケーンズ、2連覇なるか?」
#77 「スティーヴ・マリウーチとトム・イゾー こどものころからの大親友 (後半)」
#76 「スティーヴ・マリウーチとトム・イゾー こどものころからの大親友 (前半)」
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#72 「プロフットボールの底辺は”アリーナフットボール2”」
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#69 「ジョン・グルーデンとアル・デーヴィス」
#68 「ペイトリオッツが示しました。みんなが間違っていたと!」
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