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HOT OFF THE GRIDIRON #82
「デトロイト・ライオンズの新しいスタジアム」

 デトロイトの新しいフォード・フィールドにはじめて入った私の印象は、この場所は真新しい自動車の匂いがする、ということでした。これは、このスタジアムがフォード・モーター社を所有するフォードファミリーのために建てられたということを考えれば、自然なことなのかもしれません。
 

フォード・フィールドの外観
 デトロイト・ライオンズは世界で最も優れたスタジアムの1つである、新フォード・フィールドを5億ドルをかけてデトロイトのダウンタウンにオープンしました。
 
 スタジアムは、最先端の技術を使ったすばらしい場所になっているのですが、そこを本拠地としているチームは、NFLで最もよくないチームになるかもしれません。

 2002年のデトロイト・ライオンズのモットーは、前代未聞の動物になることです。

 ライオンズがプレイするスタジアムをみれば、それは真実です。しかし、フィールド上で創り出されるものは、それとはまったく違った動物になってしまうかもしれません。

 こちらも新しいコメリカパーク・ベースボールスタジアムの右隣に位置するフォード・フィールドは、デトロイトの高層ビルの風景を見渡せる巨大なガラスの壁をもち、なんと65,000人を収容できます。



コメリカパーク・ベースボールスタジアム
 スタジアムには、そこが昔、1920年に建てられたハドソンデパートの倉庫であったことを示すレンガが残されています。
 
 フォード・フィールドは、人工芝土のドームスタジアムです。砂とゴムの混合物でつくられた実用新案の芝土は、母なる大地に生えている天然芝にそっくりです。歩き心地も、天然芝のそれとまったくかわりません。

 ミシガン州アンアーバー近郊にあり、ミシガン大学のホームスタジアムとして有名なビッグハウスと同じように、フォード・フィールドにもフィールドとスタンドを隔てるレンガの壁があります。
 
 NFLのすべての新しいスタジアムがそうであるように、フォード・フィールドには132ものスイートがあります。このスイートは、チケット収入を増やすために、NFLチームにとっては欠かすことができないものです。

 どのスイートも、8〜30人の人たちが、新しいフィールドでのライオンズの負け試合を見ながら、パーティーを楽しむことができる広さがあります。
 
 スタジアムには4つの大きなクラブがあり、おびただしい数のレストランやフードショップがあります。

 NFLは、新しいスタジアムを建設したチームには、その対価として、その新しいスタジアムでスーパーボウルを開催することを約束しています。そして、このフォード・フィールドも2006年2月5日のスーパーボウルXLを主催することが決まっています。



2006年にはスーパーボウルが開催されるフォード・フィールド
 フォード・モーター社のCEOであり、ライオンズのオーナーでもあるビル・フォードは、ライオンズがそのスーパーボウルに出場することを切望していると誰もが考えるでしょうが、これまでのライオンズの歴史をみれば、その可能性は、天と地がひっくり返る可能性よりも少ないかもしれません。

 デトロイト・ライオンズは人気があります。フットボール狂のミシガン州の人々に試合のチケットを売ることには、まったく苦労していません。昨季、ライオンズは、わずか2勝しかしていないのに、全NFLチームの中で3番目の観客動員数を記録したのです。
 
 しかし、ファンがスタジアムにきて、応援していたチームは、NFLで最も出来の悪いチームのひとつでした。なんと、ライオンズは、45年間で、プレイオフにたったの1度しか勝ったことがないのです。
 ライオンズは、1950年代のNFL初期の時代には強く、4度のディヴィジョンチャンピオン、3度のリーグチャンピオンになったことがありました。

 しかし、NFLが旧AFLと合併し、1966年にスーパーボウルが行われるようになって以来、ライオンズは、1度もスーパーボウルチャンピオンになったことのない数少ないチームの1つになっているのです。

 近年、ライオンズがチャンピオンシップゲームに出場してきたのは1992年。ようやくNFCチャンピオンシップゲームに現れましたが、41−10でワシントン・レッドスキンズに敗れました。

 弱いことで知られるシンシナティ・ベンガルズでさえ、スーパーボウルに出場したことがあるのです。

 NFL当初の12チームのうち、のちにセントルイス、アリゾナへと移ったシカゴ・カーディナルズだけが、スーパーボウルに出場したことのないチームです。

 どの試合においてもエキサイティングであり、私が最高だと思っているRBバリー・サンダーズがいた頃、ライオンズは、レッドスキンズに92敗したあと、5度、ワイルドカード・プレイオフに進出していますが、その度に敗退していました。

 ウォルター・ペイトンのもっていたオールタイムNFLラッシング記録を容易に破ることのできたバリー・サンダーズですが、もういいやと思ってしまったのか、ファンになぜという疑問を残したまま引退してしまいました。

 フォードファミリーは、1964年にクラブの単独所有権を持つようになってからは、めったに人事に干渉せず、チームの運営をフットボール運営部長とヘッドコーチに任せてきました。

 最初のGMラス・トーマスのときのヘッドコーチは、ジョージ・ウィルソン(2年)、ハリー・ギルマー(2年)、全ライオンズスターLBのジョー・シュミット(6年)、ドン・マッキャファティー(2年)、リック・フォザーノ(2年)、トミー・ハッペス(2年)でした。

 その後、1978年に、トーマスはモンテ・クラークをGM兼ヘッドコーチとして雇いましたが、6年後に解雇しました。

 1985年には、元ミシガン州立大学コーチのダリル・ロジャーズをヘッドコーチとして雇いましたが、3年後に解雇し、ディフェンスコーディネーターのウェイン・フォンテスをヘッドコーチにしました。

 ダリル・ロジャーズにとって、何もかもがうまくいかなかったその当時、彼は、「ここでこんなことをしているあいつが解雇されるべきじゃないのか?」と言いました。

 25年間で9人のヘッドコーチを雇っては、解雇していたラス・トーマスが1989年に引退したあと、チャック・シュミットがフットボール運営部長になりました。

 8年後の1996年に、シュミットはウェイン・フォンテスを解雇し、ボビー・ロスをヘッドコーチにしました。

 フォンテスは、ライオンズ史上で最多勝利数67を記録したコーチでしたが、同時に最多敗北数71を記録したコーチでもありました。

 ロスは4年間ヘッドコーチをつとめ、2000年シーズンの9試合を終えたあと、何人かの選手の態度に我慢ならぬと、突然辞めてしまいました。

 前ミシガン大学ヘッドコーチ ゲイリー・モーラーがヘッドコーチに指名され、選手達の信望もえて、昨季、プイオフに出られるかと思われましたが、レギュラーシーズン最後の試合でシカゴ・ベアーズのKポール・エディンガーの「さよならフィールドゴール」で負けてしまい、叶いませんでした。

 その時点で、ファミリー企業で奔走してきた若いビル・フォードは、前NFLラインバッカーであり、FOXスポーツキャスターであったマット・ミレンを雇い、ライオンズのフットボール運営全権を任せました。

 彼の父親と同じやり方で、ビル・フォード・ジュニアはミレンを雇い、チームを運営する自由裁量権を与え、彼に年間、法外な500万ドルを支払っています。

 もちろん、ミレンが雇われたとき、シュミットがGMを辞めました。そして、ミレンの最初の大きな決断は、人気のあるヘッドコーチ ゲイリー・モーラーを解雇し、49ersのオフェンス・コーディネイター、マーティ・モーニンウェグをヘッドーコーチに迎えることでした。



ライオンズ・ヘッドコーチ マーティ・モーニンウェグ
 モーラーはその時点で4勝3敗を記録しており、ライオンズの30年の歴史上唯一の勝利数の多いヘッドコーチとなったわけです。

 ミレンはサラリーキャップの混乱を引継ぎ、7,110万ドルのサラリーキャップのうち1,500万ドルは死に金で、もはやチームに所属していない選手達に支払っています。

 ライオンズのドラフトの歴史は悲惨です。

 1997年の3人の第1巡、第2巡目指名は、誰もチームに残っていません。98年と99年の第1巡目指名も残っていません。

 これらの問題があるにもかかわらず、ミレンは仕事を引き受けました。

 モーニンウェグは、彼のウェストコーストオフェンスをデトロイトにもたらしました。そして、このスキームに合う新しい選手をロスターに組み込まねばなりませんでした。

 チャーリー・バッチはQBとして試されましたが、放出されました。そしてこのオフシーズンに、ミレンとモーニンウェグの間で大きな争いがありました。モーニンウェグは大ボス、ビル・フォードの所に行き、ミレンが切望していたDBクウェンティン・ジャマーの代わりに、オレゴン大QBジョーイ・ハリントンをドラフトする許可を得ました。

 第4週を終えてライオンズは、ミレン、モーニンウェグ体制の下、悲惨な2勝18敗を記録しています。

 メディアとファン達はミレンとモーニンウェグ(M&Mヤs)両者の解雇を要望しました。

 前スティーラーズのオールプロQBそして長年NFLキャスターであるテリー・ブラッドショウはフォード・フィールドのオープニングに先立ち、モーニンウェグの記録からすると彼は解雇されるべきで、マット・ミレンはもはやチームを牽引するには経験不足だと言っていました。

 多くのファン達は、今シーズンの望みは捨てています。そして、チームが最下位になり、来シーズンのドラフトでミシガン州立大学のスターWRチャールズ・ロジャースを第1巡目で獲得することを望んでいます。

 ハリントンは良いQBになる可能性があります。ただし、弱小チームでプレイすることによって多くの試合に負け、挫折することがなければ、の話ですが。



ライオンズの将来を担うルーキーQBジョーイ・ハリントン
 ハリントンからロジャースへのオフェンスは、チーム再構築の刺激的なコンビネーションとなることでしょう。

 デトロイト・ライオンズは40年間、ミシガン州のメディアの笑いの種でした。

 ルーキーQBのジョーイ・ハリントンが一縷の望みです。

 ハリントンは彼の2回目の先発である、第4週の試合でそれまで無敗だったセインツを26-21で破り、フォード・フィールドでのライオンズの初勝利を飾ったのです。

 長年デトロイトでスポーツ記者をしているジョー・フォールズは私に、「ライオンズは、他の何よりも私を落ち込ませるチームです。ライオンズは貴方が彼らを好きになろうと努力しても、貴方の心を粉々にするのです。」と言いました。
 何年もの間、メディアとファン達はライオンズのQB達、ヘッドコーチ達、ジェネラルマネージャー達の数を数えられなくなりました。

 新顔が現れては、成功を収めることなく消えていったのです。

 フォード・フィールドがオープンし、2006年にスーパーボウルが行われることになっている今、フォード一家はもはやチーム経営から遠ざかっているわけにはいかなくなりました。

 フォード・フィールドのオープニングゲームで、第3週にグリーンベイに負けた後、ミレンとモーニンウェク゛の批判が高まる中、ビル・フォードは彼らは今シーズン末までには、何か改善策を講じるでしょうと発表しました。しかし、何人かの人々はミレンは解雇され、その後モーニンウェグは49ersからスティーヴ・マリウーチを彼の故郷のミシガンに戻るよう呼び戻そうとするでしょうと言っています。

 デトロイトを駆け巡っている噂の中に、スーパーボウルに一度も出たことのないフランチャイズにとって、新しいものは何もないのです。

 無用な40年が流れたのは確かです。

 フォードファミリーはもはや後戻りはできません。2006年のスーパーボウル出場に向かって、前進あるのみです。

SEE YOU NEXT TIME!

Bill Marklevits

back number
#115 「リッキー・ウィリアムズの引退はドルフィンズを茫然とさせました。」
#114 「ペイトリオッツは昨年よりもよいチームとなっているようです。」
#113 「NFLの完璧な勝利」
#112 「NFL2004年ドラフト レビュー」
#111 「マニングの願いが叶いました。」
#110 「“NFLドラフト 第1位指名権の行方は?”」
#109 「クラレットのルールへの挑戦は、NFLの根本を揺るがすものです。」
#108 SUPER BOWL 38 レビュー
「ブレイディがペイトリオッツを再びスーパーボウル勝利に導きました。」
#107 「SUPER BOWL XXXVIII プレビュー」
#106 「ファーヴがグリーンベイにマジックをまた取り返しています。」
#105 「ハイズマントロフィーが必ずしもNFLでの成功を確約するわけではありません。」
#104 「バッカニアーズからマジックが消えてゆきました。」
#103 「マービン・ルイスはベンガルズをプレイオフへ導く勢いです。」
#102 「ヴァイキングスは今、NFCで注目のチームです。」
#101 「ディック・ヴァミールはチーフスを好調の波に乗せました。」
#100 「モーリス・クラレットとポール・タグリアブーの対決」
#99 「バッカニアーズはNFLで最高のチームです。」
#98 「全米連覇を狙うオハイオ州立大学」
#97 「ジョン・グルーデンは連覇を狙います」
#96 「トミー・マドックスにどのぐらいの価値があると思いますか?」
#95 「NFLチームがロサンゼルスに戻る日は?」
#94 最善のオーバータイム方式とは?
#93 「NFL のチームはドラフトでディフェンスの選手を探しました。」
#92 「チャールズ・ロジャーズはドラフトで注目のトップアスリート」
#91 「カーソン・パーマーのインタビュー」
#90 「5人の新ヘッドコーチ」
#89 「グルーデンは高くなかった」
#88 「ジョン・グルーデン・ボウル」
#87 「マイケル・ヴィック − 君はどんな活躍をみせてくれるんだい?」
#86 「NFLで最も優れたチームはどのチームでしょうか」
#85 「モーリス・クラレット」
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#83 「エミット・スミスと偉大なラッシャー」
#82 「デトロイト・ライオンズの新しいスタジアム」
#81 「デイヴィッド・カーの試練」
#80 「大学街でのNFL」
#79 「2002ビッグテンカンファレンス プレビュー」
#78 「マイアミ大学ハリケーンズ、2連覇なるか?」
#77 「スティーヴ・マリウーチとトム・イゾー こどものころからの大親友 (後半)」
#76 「スティーヴ・マリウーチとトム・イゾー こどものころからの大親友 (前半)」
#75 「イーストコーストオフェンスがNFLにやってきた」
#74 「フットボールとサッカー」
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#69 「ジョン・グルーデンとアル・デーヴィス」
#68 「ペイトリオッツが示しました。みんなが間違っていたと!」
#67 「第36回スーパーボウルプレビュー」
#66 「天はニューイングランドに味方した!」
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