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HOT OFF THE GRIDIRON #84
"ジェイク・ポーターのタッチダウン"

有名なランニングバック、ジェイク・ポーターのことを聞いたことがありますか? 
フットボールファンのあなたが、知らないだなんて…。いやいや、お気を悪くしないで下さいね、オハイオ州南部以外の人々は、先週金曜日の夜まで誰も彼のことを知りませんでしたよ。

あなたは“感動的な”フットボール映画を観たことがありますか?
最後に、ノートルダム大学でプレイすることができた“ルーディ”、“タイタンズを忘れない”、そして、シカゴ・ベアーズの親友ゲイル・セイヤーズとチームメイトに助けられながら、がんと戦うブライアン・ピッコロの悲しい映画“ブライアンソング”など。
今日ここでする感動的な話は、いつの日か間違いなく、新たなフットボール映画の題材になることでしょう。

 ジェイク・ポーターは、オハイオ州の小さな街マクダーモットにあるノースウェスト高校の4年生で、精神障害を抱えています。マクダーモットの全人口はわずか3,000人。ジェイクは他の子供たちと同じ学校に通ってはいますが、特別クラスに出席しています。ジェイクは、心底スポーツが好きです。特にフットボールが大好きで、4年間、ノースウェスト高校モーホークスでプレイしていました。

 ジェイクの母リズ・ポーターは彼を特殊学校に通わせたくありませんでした。ジェイクが、さまざまな困難にぶつかるであろうことはもちろん承知していましたが、地域の子供たちと一緒に過ごすことの方がもっと大切だと感じています。
 「ジェイクは、他の子供たちからとても多くのことを学んでいるわ。」とリズは言っています。他の子供たちもジェイクからたくさんのことを学んでいます。

 ジェイクが、はじめてノースウェスト高校モーホークスに入ったとき、チームメイトは、彼が防具を身に付けるのを手伝わなければなりませんでした。時がたつにつれ、彼は、フットボールプレイヤーのように、パットをつけ、パンツをひっぱりあげ、靴紐を結べるようになっていきました。

 ジェイクは4年間、どの試合でも防具を身につけていましたが、1度しかプレイしたことはありません。そのプレイは、3年生の最後の試合で、ハンドオフを受け、すばやくニーダウンをし、ゲームを終わらせることでした。

 金曜日(11月1日)の夜、ノースウェスト高校モーホークスはシーズン最終戦で、パワフルかつ無敗の地区チャンピオン、オハイオ州コロンバスのウェイバリー高校セイラーズと対戦することになりました。
 ウェイバリー高校のヘッドコーチは、元大学フットボール選手であった若いデリック・ドゥイット。彼にとっては、はじめてのシーズンでした。ドゥイットは、セイラーズのディフェンスコーディネーターでもあります。彼は、南オハイオからは遠く離れたロサンゼルスで育ち、ほとんどの若いヘッドコーチがそうであるように、良い記録を作り上げることに懸命です。

 試合に先立ちノースウェスト高校ヘッドコーチ デイブ・フランツはドゥイットに、試合の結果に何の影響もないとして、試合の最後のプレイで、ジェイク・ポーターに試合を終わらせるニーダウンをさせたいと申し出ました。ジェイクの高校生選手としてのキャリアを終わらせるために。
 若いドゥイットはその要望に驚き、フランツが彼に何をもたらそうとしているのかと考えました。

 試合は、大方の予想どおり、ドゥイットのウェイバリー高校セイラーズが人員不足のノースウェスト高校モーホークスを圧倒していました。
 試合時間、わずか残り5秒。ウェイバリー高校が42−0でリードしている状況で、フランツはタイムアウトを取りました。コーチたちは、ミッドフィールドに集まりました。
 ノースウェスト高校はウェイバリー陣内49ヤードラインでボールを持っていました。フランツはドゥイットに、「ハンドオフを受けニーダウンをさせるために、ジェイクをフィールドに入れます。」と伝えました。
 ドゥイットは状況を考えました。チームとして、はじめてのシャットアウト勝利が欲しいと思っていました。しかし、ドゥイットはジェイクを見て、「彼に点を取らせよう。」とフランツに言いました。フランツは呆然とし、瞬間的に「ノー」と言っていました。ドゥイットは審判を呼び寄せ、コーチたちが障害者の少年に点を取らせようとしていることを説明しました。
 ジェイク・ポーターは、モーホークスが“84-iso”(ニーダウン)と叫んでいる輪に入り、テイルバックの位置につきました。

 スナップの後、フィールドの他のすべての選手21人が、ブロックやタックルをするかわりに、道をつくりました。ジェイクはハンドオフを受け、膝をつこうとしていたそのとき、チームメイトは叫びました。「GO! ジェイク。GO!」
 最初、ジェイクは間違えた方向に走り始めましたが、チームメイトが彼を正しい方向に向け、そしてセイラーズディフェンスまでも、彼がゴールラインに向かって走っていけるように手をかしてくれたのです。

 ジェイクが走るのとともに、両チームの選手やサイドラインで試合を観戦していた人々も、次第にエンドゾーンに近づくジェイクを応援しながら、ともに走りはじめました。
 ジェイクは50ヤードを走りに走り、ゴールラインを超え、腕を空に突き上げました。「まるで、彼がローズボウルで勝利したかのようだったよ。」ドゥイットは言いました。
 ジェイクがコーチ ドゥイットのシャットアウト勝利の夢を破ったとき、フィールド上にもスタンドにも、涙を流さない人はいませんでした。

 その試合にいたすべての人、両チームの選手、ファンは、“Jake took it to the house!”と叫びながら、興奮していました。(タッチダウンをとったことを、このように言うことが多いです。)
 ウェイバリーのファン、ノースウェストのファンは、歓声をあげ、踊り、泣きました。みながジェイクと一緒に写真を撮りたがりました。子供たちは、エミット・スミスでもなく、オハイオ州のスターRBモーリス・クラレットでもなく、ジェイク・ポーターのタッチダウンランを真似してフットボールを持って走っていました。
 オハイオ州の小さな街マクダーモットでは、こんなことははじめてでした。

 人ごみの中から、リズ・ポーターはウェイバリーのヘッドコーチ ドゥイットを探し、やっと見つけて、会ったこともない二人でしたが、フィールド上で抱き合いました。リズが泣きながら言った「ありがとう」の言葉に対し、ヘッドコーチ ドゥイットは「いいえ」とこたえました。「私たちはこの場に居合わせたことをありがたく思っています。」

 ジェイク自身は、ウェイバリー戦で勝利を決めるタッチダウンを決めたと思っています。彼の喜びを見た人もそう感じています。

 今、ノースウェスト高校ヘッドコーチ デイブ・フランツとウェバリー高校ヘッドコーチ デリック・ドゥイットは全米中の賞賛を浴びています。
 彼らは、「自分たちは教師であり、フットボールは教育システムの一部なのです。」と言っています。「私たちは、若者がいい経験を得られるように手助けをしているだけなのです。」
 これはまぎれもない事実です。いつか映画の中でジェイク・ポーターを見れることを期待します!

SEE YOU NEXT TIME!

Bill Marklevits

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