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HOT OFF THE GRIDIRON #87
"マイケル・ヴィック − 君はどんな活躍をみせてくれるんだい?"

 今シーズン、NFLで最も話題を集めた選手は、2年目を迎えたアトランタ・ファルコンズのQB マイケル・ヴィックでした。
 先週、ヴィックの率いるアトランタ・ファルコンズは、驚いたことに、雪のランボーフィールドでいとも簡単にブレッド・ファーヴのパッカーズに勝ってしまったのです。わたしたちは、NFL ナンバーワンQBの世代交代、ファーヴからヴィックへバトンが手渡された瞬間を目の当たりにしたのかもしれません。
 ファーヴはいまだ健在ですが、彼を助ける選手がけがによりつかえなくなっていました。一方、ヴィックは、ファルコンズを一身に背負っています。
 今シーズン、ヴィックほど、ハイライトビデオに登場し注目を集めた選手はいません。NFL の単シーズンレシーブ記録を更新したコルツのWRマービン・ハリソンでもなければ、不動のブレット・ファーヴ、レイダースをAFC首位へと導き、プレイオフでのホームフィールドアドバンテージ獲得の原動力となたリッチ・ギャノンやジェリー・ライスでもありません。
 今は、マイケル・ヴィックが、NFL で最も話題性があり、注目されている選手なのです。
 NFL のスターティングQBとしてはじめてのシーズンで、スーパーボウルに勝つことはないでしょう。しかし、彼の成長には目をみはるものがあります。
 マイケル・ヴィックは、NFL のこれまでのQBの中で最も速く走り、リーグの中では最も豪腕な選手のひとりです。マイケル・ヴィックよりボールを遠くへ投げられる選手は誰もいません。
 多くのNFLスカウトがそうであったように、私は、2000 BCSシュガーボウル全米チャンピオン決定戦で、はじめてマイケル・ヴィックの信じられない運動能力をみることになりました。その試合、まだ、レッドシャツフレッシュマンQBであったヴィックは、驚くようなスピードと豪腕で、フットボール界に衝撃を与えました。
 ヴィックのいるバージニア工科大学は、フロリダ州立大学に対し、圧倒的に不利だと予想されていて、そのとおり、あっというまに28−7と大差をつけられてしまいました。そのとき、ヴィックはチームメイトを集めて言いました。「こんな負け方をしない。これから力を発揮するんだ。俺はやるぞ。」
 ヴィックは225ヤードを投げ、97ヤードを走り、29−28と逆転に成功しました。そして、ついには強敵を46−29で打ち破ったのです。そのときから、ヴィックのNFLでの活躍が保証されました。
 彼は、あと1シーズン大学に残り、スターティングQBとしての2年間を20勝1敗の記録で終了しました。バージニア工科大学での最後のシーズン、誰もが、彼が2001年ドラフトで第一位指名されることをわかっていました。
 サンディエゴ・チャージャーズが、誰もが欲しい第一位指名権をもっていました。ところが、ドラフト直前、GM ジョン・バトラーは、弱いチームに必要なのは、1人ではなく、1人以上の選手だとして、WRティム・ドワイトとNFLドラフトでの最初の3ラウンドの指名権を交換条件に、ファルコンズへ第一指名権を譲渡しました。
 今シーズン序盤、このトレードは成功したかに見えていました。そのときに指名した、リーグ最高の若い走者の一人であるオールプロRBラダニアン・トムリンソン、そして、シーズンはじめにチームを勝利へと導いたQBドリュー・ブリーズがいい活躍をしていたからです。
 しかし、マイケル・ヴィックがNFLオールプロとなり、リーグで最も勢いのある選手の1人となり、チャージャーズの首脳陣は、もしや大きな過ちをしたのではないかとひそかに危惧しています。
 バージニア工科大学のときと同じように、ヴィックは、ほぼ独力で、ファルコンズをプレイオフに導こうとしています。彼はNFLのMVPへの道をひた走り、アトランタでNFL熱に火をつけました。
 2年前まではファルコンズの試合は空席ばかりめだっていましたが、今ではすべてのホームゲームのチケットは売切れになっています。その訳は、もちろんマイケル・ヴィックの大活躍です。
 40ヤードダッシュ4.3秒の記録をもつヴィックはNFLで最速のQBというだけでなく、全てのポジションの選手の中でも一番速いのです。第13週に、ヴィックはミネソタ・バイキングズに衝撃をあたえました。1試合に、QBがランで173ヤードを獲得するという新記録を達成したのです。
 ヴィックはファルコンズを延長戦に導きました。延長戦では、バイキングスのディフェンスをかわすダッシュで、その驚くべきスピードを見せつけました。そして、その試合に勝利をおさめました。
 光のようなスピードで、レフトエンドへの46ヤードTDランを決めました。彼が真中に切り込んだとき、バイキングズ ディフェンスは滑稽に崩れさりました。
 この試合のヴィックのハイライトシーンは何度も何度も放送されました。もし、延長戦でヴィックが走っているときに、フィールドでランディ・モスだけがヴィックを追いかけていたとしたら、誰がNFLで最速の選手か分かったはずです。
 ヴィックは、走力だけでファルコンズを勝利に導いているわけではありません。毎週毎週、パッサーとしても、着実に成長しています。
 
 グリーンベイで、はじめてプレイオフに出場したとき、ヴィックは、スターティングQBとして1年目には思えませんでした。その堂々としたプレイぶりでランボーフィールドのパッカーズを相手に、ファルコンズをプレイオフでの初勝利に導きました。
 シーズン後半のライオンズ戦で、ヴィックは自己ベストの337ヤードを投げ、ファルコンズは36−15で勝ちました。
 ヴィックに関して最も驚くべきことは、その若さです。彼は、若干22歳です。NFLに2年早く来ていなかったら、まだバージニア工科大学の4年生なのです。もし、ヴィックがまだ大学でプレイしていたら、彼は少年選手の中でプレイしている大人の選手に見えていたことでしょう。彼が、今のスピードで成長を続ければ、まもなくNFLディフェンダーはメ少年モのように見えてくるでしょう。
 NFLのクォーターバックとして成長していくには、時間がかかるということを誰でも知っています。昨年、彼はクリス・チャンドラーのもとでプレイを学び、8試合(内スターティングは2試合)に出場したのみでした。予想されたとおり、彼は苦労し、パス成功率はわずかに44.2%、パッサーレイティング62.7はNFCで下から2番目の成績でした。限られたプレイ時間では、そこまでしかできなかったのです。
 オフシーズン、ファルコンズはアトランタファンが待ち望んだ1つの決断をしました。ヘッドコーチ ダン・リーヴズは、クリス・チャンドラーをベアーズへ放出し、わずか2年の経験しかないマイケル・ヴィックをファルコンズのスターティングQBにすることにしたのです。
 ブロンコスでジョン・エルウェイをNFL QBに育て上げたリーヴズは、ヴィックのために、ファルコンズのプレイブックを単純にし、プレイコールの言葉を短くしました。プレイコールを短くし、複雑なオフェンスコールを少なくすることにより、ヴィックが、そのプレイコールの意味するものが何かを深く考える時間を減らし、ディフェンスにメ反応モする時間を増やしたのです。
 オフシーズン、ヴィック自身は身体能力を高め、パスの技術を磨くだけでなく、NFLのディフェンス、パスカバレッジ、そしてファルコンズのオフェンスについて、とても一生懸命に研究しました。今年、マイケル・ヴィックの一番の変化は、彼の自信と試合に対する理解度です。リーヴズは、「彼はすぐに結果を出したがっている。しかし、彼に必要なのは辛抱です。」と言っています。
 ヴィックはパントが嫌いです。彼の生まれつきの本能が、常に、彼のもっている能
力を最大限に使ってプレイしようとしているのです。
 ヴィックは、長期にわたってスターQBでいるための身体能力がまだ自分には充分ではないことをわかっています。ヴィックは、最近、次のように話しています。
 「走力だけですべてを倒すことはできません。それについては、もっと厳しくならなければならないことはわかっています。遅れはとりたくありません。ただ、前に進もうとしているだけです。試合を動かし、チームを動かしたいのです。すぐにでもそれができるように学んではいますが、僕はまだ22歳です。キャリアを積み重ねていくにしたがって、自分が成長していく自信は十分にあります。」
 ヴッイクに必要な改善していくべき点のひとつは、直接の衝突を避けること、そのためのスライディングの仕方を学ぶことです。この夏ファルコンズは、MLBアトランタ・ブレーブスのコーチ テリー・ペンドゥルトンに、ヴッイクにスライドの仕方を教えてくれるように頼みました。ヴィックは、ボールの抱え込み方、野球選手のようなスライディングの仕方を知りませんでした。彼は、これまで頭から滑り込むスライディングしかしたことがありませんでした。彼は、まだスライディングが上手ではなく、このオフシーズンに学ばなければいけないことを自覚しています。彼は、NFLで長くスターティングQBとして活躍するためには、体への直接の衝撃を減らす必要があることをわかっています。特に、肩の痛みで、1試合ベンチに退いてからは。
 ヴィックは、大勢の前で、インタヴューを受けたり、話したりすることが苦手ですが、何とかしようと努力しました。彼は、メディアのマイクの前で話すときに自信をもてるように、専門家と一緒に訓練しました。
 さあ、マイケル・ビックはどこまでいくでしょうか?
 けがをせずに、その努力を惜しまなければ、彼の可能性に限界はないでしょう。NFLで、最もエキサイティングな選手になることができるでしょう。マイケル・ヴィックは、NFLのマイケル・ジョーダンになれるかもしれません。
 
 ヴィックは、信じられないような運動能力、スピード、そして腕力をもっています。NFLのスターディングQBとして長く勝ちつづけるために、試合、ディフェンス、そしてパスカバレッジをよりよく理解することが必要です。
 NFLファンのみなさん、彼は注目すべき選手のひとりです。マイケル・ヴィックより可能性を秘めた選手はいません。彼は、すでにNFLディフェンスコーディネーターの頭痛の種となっていいます。一方で、彼の素晴らしいプレイにファンが熱狂しています。
Have a Happy New Year, and SEE YOU NEXT TIME!

Bill Marklevits

back number
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