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HOT OFF THE GRIDIRON #94
"最善のオーバータイム方式とは?"

元ミシガン州立大学ヘッドコーチ ダッフィー・ドーティー

 1966年11月下旬、無敗のミシガン州立大学(9勝0敗)と無敗のノートルダム大学(8勝0敗)が対戦し、その試合は“THE GAME OF THE CENTURY (世紀の名試合)”となりました。カレッジフットボールの全米チャンピオンを決定する試合で、60分間の激しい戦いを終え、スコアは10−10の同点で試合終了となりました。選手やコーチたちはすっきりしない気分でフィールドを去り、ファンは“どの大学がチャンピオン?”という釈然としない思いを抱えたまま帰途につきました。
 当時のミシガン州立大学ヘッドコーチ ダッフィー・ドーティーは言っていました。
 「勝敗の決まらない試合は自分の姉妹にキスするより気分が悪いものです。」

 決着がつかず、同点のまま終了する試合が好きな人はいないでしょう。
 NFL ではオーバータイムルールが採用されるまで、実に78もの試合で勝敗が決まらないまま試合が終了していました。そして、1974年になってNFLはオーバータイムルールの採用を決めました。しかし、カレッジフットボールでは1996年になるまで延長戦を戦うことはありませんでした。それまで、なんと多くの試合が未決着のまま終了していたことでしょう。

2002シーズンはNFL新記録となる26試合がオーバータイムに突入した

 NFL のメサドンデスモ方式とカレッジのオーバータイム(ラウンド方式)は全く異なります。はたして、60分間を戦い終えて勝敗の決まらなかった試合に決着をつけるための最善の方法はどのようなものでしょうか?
 私はNFL 方式が好きではありません。それには2つの理由があります。まず、正しいかどうかは別にして、コイントスで先にボールを得たチームがほとんど勝っているという認識が私の中に強くあるからです。そして、NFL の延長戦の場合、ほとんどがフィールドゴールで決まってしまうということです。

 5年程前、私はペイパービュージャパンのNFL 生中継で解説をしていたことがあります。
 それは、1998年の感謝祭に行われたあの有名なデトロイト・ラインオンズとピッツバーグ・スティーラーズの試合で起こりました。ジェローム・ベティスはメおもてモを選び、コイントスの結果もメおもてモでした。しかし、なんと審判は間違った判定を下し、ライオンズがコイントスでボールを得たのでした。結果、スティーラーズ陣内を攻めあがり、フィールドゴールを決めたライオンズが勝利をおさめました。ベティスだけでなくスティーラーズ関係者はみなショックでした。

数々のオーバータイムでのFGでチームを勝利に導いているペイトリオッツKアダム・ヴィナティエリ

 NFL 方式では、試合結果を左右するものがコイントスとフィールドゴールであり、延長戦のコイントスとフィールドゴールの過度の重要性を私に印象付けた試合となりました。
 その試合後、デトロイトで起こったような過ちが二度と起こらないように、NFLはコイントスのやり方を早急に改めました。
 雪の中で行われたオークランド・レイダースとニューイングランド・ペイトリオッツの2002NFL プレーオフも印象に残っている試合の一つ
です。ペイトリオッツが追いつき、試合を振り出しに戻すこととなった疑惑つきの判定後、ペイトリオッツがコイントスでボールを保持し、フィールドゴールで勝利を決め、レイダースにはショックだけが残りました。

 私は、延長戦では、両チームに攻撃のチャンスを与え、相手チームを抑えるチャンスを与えるべきだと考えています。しかし、NFL のオーバータイム形式は2003シーズンも何の変更もありません。
 フットボールのように激しいスポーツで、コイントスやフィールドゴールで試合が決まってしまうような延長戦が好きなファンはいないと思います。

フォード・フィールドでの著者

 昨シーズンのデータでは、NFL では延長戦に突入した試合が26試合あり、そのうち16試合はコイントスでボールを得たチームが勝っています。ただ1つの例外は、2003シーズンのシカゴ・ベアーズとデトロイト・ライオンズの1戦です。この試合の延長戦、コイントスに勝ったのはライオンズです。コイントスでボールを得たチームの勝率が高いことを知っていながら、当時のライオンズのヘッドコーチマーティ・モーニンウェグはディフェンスを選んだのです。結果は、ベアーズがフィールドゴールを決め、ライオンズは攻撃することもできませんでした。結果として、コイントスに負けはしても、ボールを得たベアーズがこの試合の勝者となったのです。
また、コイントスでボールを得たチームが勝った16試合のうち11試合は最初のポゼションで勝敗が決まっています。
 ファンや選手にとって、そのような試合は後味が悪く、試合の勝者を決める方法としてのコイントスやフィールドゴールに重きをおきすぎている気がします。NFLの延長戦で敗れたチームは、およそ4試合に1試合の割合でオフェンスをするチャンスすら与えられていないのです。また、延長戦26試合のうち18試合は
フィールドゴールで勝敗が決まっています。これも多すぎると思います。
 1994年以降、NFLでは、最初の攻撃権で勝敗が決まった延長戦が増えてきています。この傾向にはいくつかの理由があります。1つには、フィールドゴールキッカーが長い距離を蹴ることができるようになってきたこと、その正確性が増してきたことがあります。また、キッキングボールを使うことによって、キックオフの距離が短くなり、レシービングチームに有利なフィールドポジションになってきたことが挙げられます。
 カレッジフットボールのオーバータイム形式では、延長戦ではどちらのチームにも攻撃のチャンスが与えられます。敵陣25ヤードラインから攻撃を開始します。
各チームが2回ずつの攻撃を終えて、まだ同点であれば、タッチダウンのあとにエクストラポイントを狙うのではなく、2ポイントコンバージョンを狙うよう要求されます。

あなたの考える最善のオーバータイム方式とは?

 2003 BCS フィエスタボウル全米チャンピオン決定戦で、オハイオ州立大学は2度の延長戦の末、マイアミ大学を倒し、全米チャンピオンに輝きました。この試合は、以後、名勝負の1つとして語り継がれていくことでしょう。また、この試合の白熱した延長戦、その興奮も、何年間にもわたり語り継がれていくことでしょう。
 この試合の終わり方のすばらしさ、それはフィールドゴールや得点をあげて試合が終わったのではなく、オハイオ州立大学ディフェンスが、ゴール前1ヤードラインからのマイアミ大学のフォースダウンの攻撃を抑えて、勝利を決めたところにあります。
 カレッジフットボールのオーバータイム形式も完璧ではありません。
 全米チャンピオン決定戦終了後に、オハイオ州立大学出身で元NFLのスターRBキース・バイヤーズとオーバータイム形式について話をしました。バイヤーズは、スペシャルチームのキックオフでプレイがはじまるNFLのオーバータイム形式の方が好きだと言っていました。バイヤーズの指摘には納得です。確かに、カレッジフットボールのオーバータイム形式にはキックオフはありません。また、これまで最高7度の延長戦にもつれ込んだ記録がありますが、カレッジフットボール形式では勝敗が決まるまで延長戦が永遠に続く可能性があります。試合が長引けば、けがをする可能性も増えていきます。その理由もあり、延長戦が長時間に及ぶような形式にNFL選手会が同意するはずはありません。
 NFL は、この3月、両チームに攻撃チャンスを与え、その後サドンデス形式をとるオーバータイム方式に変更することを考えました。このルール変更が成立するためには、NFL32チーム中24チームの同意が必要です。しかし、第1回目の投票結果は、賛成17チーム、反対14チーム、棄権1チームでした。主要なルール変更がなされるまで、何年間もかけて議論が繰り返される、それがNFL の歴史でもあります。NFLのように人気のあるスポーツでは、議論をつみ重ねることは大切なことです。急いで結論を出す必要はありません。しかし、私は、このオーバータイム方式についてはルール変更がされるべきだと考えています。そして、最終的に、NFLはルール変更をすることでしょう。
 過去2シーズンのNFL プレーオフで2試合がオーバータイムに突入しました。
2001 AFC ディヴィジョナルプレーオフではペイトリオッツがレイダースを下し、昨シーズンのAFC ディヴィジョナルプレーオフではタイタンズがスティーラーズを下しています。そのどちらの試合も、コイントスでボールを得ることができなかったチームは延長戦でボールに触れることすらできませんでした。

 みなさんは、フィールドゴールで勝敗が決まってしまう延長戦をみたいですか?
 それとも、積極的に得点を狙う延長戦をみたいですか?
SEE YOU NEXT TIME!
BILL MARKLEVITS


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