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HOT OFF THE GRIDIRON #95
"NFLチームがロサンゼルスに戻る日は?"

ローズボウル

 毎年1月1日はカリフォルニア州パサディナ市で開催されるローズボウルに行くことにしています。今年は、そこで珍しい人を見かけました。その人は、ローズボウルスタジアム関係者席に入っていったNFL コミッショナーのポール・タグリアブーでした。NFLでは、その週末からプレイオフがはじまることがほとんどであるため、ローズボウルスタジアムがスーパーボウルの開催地として使われた年(1993年1月31日 第27回スーパーボウル)を除いて、ローズボウルでタグリアブーを見かけることはありませんでした。
 なぜ、タグリアブーがローズボウルスタジアムにいたのか。私には、その理由がすぐに思い当たりました。ロサンゼルス地域にNFLチームを誘致するためのスタジアムとして、この歴史あるスタジアムが使えるのかどうかを個人的に調べていたのでしょう。

 ローズボウル関係者は、81年の歴史あるスタジアムを改築する計画があること、NFLチームを誘致したい意向であることを伝え、NFL の関心を引き寄せようとしています。NFLに提出した計画書には、現在の収容人数(92,000人)をおよそ3分の1減らし、企業スポンサーのためのスイートルームを増やし、地下に駐車場を備えるといった内容が盛り込まれていました。
 また、スタジアム関係者は歴史的建造物としてのローズボウルスタジアムを残したい、楕円形のスタジアムをそのまま残したいとする地元の政治家や住民からの協力が得られるよう努力を続けています。
 ロサンゼルスと南カリフォルニアは、NFLコミッショナー ポール・タグリアブーが抱えている大きな問題の1つとなっています。
 全米第2位の都市ロサンゼルスには全米第2位のテレビ市場があります。しかし、1994年以降この地域にはNFLチームがありません。MLBチームが2つ(ロサンゼルス・ドジャーズ、アナハイム・エンゼルス)、NBAチームが2つ(ロサンゼルス・レイカーズ、ロサンゼルス・クリッパーズ)、さらにNHLチームが2つ(ロサンゼルス・キングス、アナハイム・マイティダックス)あるにもかかわらず、NFLチームだけはないのです。NFLチームがないにもかかわらず、NFLのテレビ視聴率はかなり好調です。ですから、NFL経営陣、テレビ中継権者は、もし地元にチームがあれば、視聴率はさらによくなることを分かっています。
 この地域には、サザンカリフォルニア大学やUCLAレベルのカレッジフットボールに根強い伝統があります。また、南カリフォルニアでは高校生フットボールの評判がたいへんよく、たとえば最近のドラフトで全体第1位指名を受けたカーソン・パーマーのように、数多くの南カリフォルニア出身の選手がNFLでプレイしています。

かつてはレイダースの本拠地だったLAコロシアム

 では、どうして、アメリカで最も人気のあるスポーツのチームが、現在、この魅力的な南カリフォルニア市場に1つもないのでしょうか?この疑問への答えは、結局、フットボールのためだけの近代的なスタジアムを建設しようとしてこなかった地域ということになってしまうでしょうか。
 今は、NFLチームがベースボールスタジアムを使ってフットボールをする時代ではありません。これが理由で、ロサンゼルス・ラムズは、1994シーズン終了後、アナハイムスタジアムからセントルイスのエドワード・ジョーンズ・ドームに本拠地を移し、セントルイス・ラムズとなりました。
 いまだにベースボールスタジアムを使っているチームは、ミネソタ・ヴァイキングズ、サンディエゴ・チャージャーズ、オークランド・レイダースとマイアミ・ドルフィンズだけです。新しい最新設備の整ったスタジアムがどうしても欲しいチームのオーナーは、新スタジアムについて、今の地域の協力が得られないようであれば、協力的な地域への移転も視野に入れています。
 ミネソタとサンディエゴのファンは、ヴァイキングズとチャージャーズを他の都市にとられてしまうのではないかと、たいへん不安に感じています。特に、ミネソタのファンは、NBAレイカーズをロサンゼルスにとられてしまった経験があるため、NFLヴァイキングズもロサンゼルスに持っていかれてしまうのではないかと心配しています。
 また、ポール・タグリアブーは、サンディエゴで開催されたスーパーボウルでサンディエゴの人々にはっきりと言っていました。「NFLはこの地域の気候とフットボールの伝統をたいへん気に入っています。しかし、新スタジアムがなければ、将来、この地域でスーパーボウルを開催することは考えられません。」
 チャージャーズのファンも、チームのトレーニングキャンプがロサンゼルスに近いカーソン市の新しいトレーニング施設で行われることを知り、不安を感じはじめました。
 インディアナポリス・コルツも現在のスタジアムに満足していないチームの1つです。コルツの本拠地RCAドームはフットボールのために建てられたスタジアムですが、その構造が古く、現在の標準的なNFLスタジアムにはとても及ばないのです。
 高額のスイートルームからもたらされる利益を増やすために、NFLチームのオーナーはみな新しいスタジアムを欲しがっています。NFLもこれを後押ししているのでしょう。ニンジンとしてスーパーボウルを用意しています。新しいスタジアムを建設する都市はスーパーボウルを誘致できる可能性が高いのです。その証拠に、次の3回のスーパーボウルはいずれも最新の近代的なスタジアム(ヒューストン・リライアントスタジアム、ジャクソンビル・オールテルスタジアム、デトロイト・フォードフィールド)で開催されることが決まっています。これらのスタジアムの建設費用の一部は地方自治体税によって賄われました。
 アメリカでは、最新の設備を備えた大きなスタジアムの建設ブーム真っ最中です。2006年までに建設されるスタジアムには総額70億ドル以上が費やされることでしょう。
 南カリフォルニアにおけるタグリアブーとNFLの問題は、南カリフォルニアがスタジアムの建設資金に公的資金を投入することを認めない地域であるということです。
 NFL のビジネスモデルは、スタジアムを建設しようとするチームのオーナーに地方自治体や州から資金的援助を得ることができるというものです。しかし、タグリアブーは、このビジネスモデルがロサンゼルス地域にNFLチームを呼び戻す方法としてうまく機能しないことに気づきました。ローズボウルによって提案された計画は、ローズボウルスタジアムの改築費用(4億5,000万ドル〜5億ドル)をNFLが拠出し、その代わりに、パサディナ市はNFLにスタジアム経営を任せ、その収益はすべてNFLが受け取るというものでした。
 NFLは、ローズボウルスタジアムからの収入計画を次のように試算しています。新しくなったフットボールスタジアムに名前(例えば、フォード・フィールドのメフォードモ)を付けることができる権利として1億2,500万ドル、シーズン中に常に同じ席で試合を観戦することができる指定席を確保するための権利として9,000万ドル、ラグジュアリースイートルームを使用できる権利として4,300万ドル、その他に企業からのスポンサー収入、チケット代に含めたマージンからの収入を見込んでいます。
 間違いなく、ロサンゼルスのファンがNFL で最も高いチケットを買うことになるでしょう。
 ローズボウル関係者は、将来のNFLチーム誘致の第一候補地になることを望んでいました。
ローズボウル関係者達は、NFLチームのオーナー達が、南ロサンゼルスにあり、サンディエゴ・チャージャーズのトレーニングキャンプが行われておりそして、新しいサッカースタジアムもできたカーソンに、スタジアムをNFLの資金1000万ドル以上かけて再建するという案に投票した結果、賛成30票反対1票棄権1票となったことは大ショックでした。
 ロサンゼルスに彼のチームだけが戻る権利があると信じる、レイダースのアル・デイビスだけがカーソン案に反対し、一方コルツのオーナーは棄権しました。
 カーソンへの新しいスタジアム建設を調査するNFLの計画を耳にし、パサデナの市議会は、ローズボウルにNFLの競技場計画を受理することを満場一致で票決し、ローズボウルはNFLのチームを誘致するための重要な政治的援助を得ました。
 2006年までロサンゼルスでプレイするチームはありません。どの地域が選ばれようと、建設には少なくとも2年はかかります。ローズボウルとカーソン市は、あらゆる手段を用いて、NFLコミッショナー ポール・タグリアブーとNFL関係者の支持を得ようとしています。
 NFL がロサンゼルス地域にチームを戻そうとしていること、このことに疑いの余地はありません。問題は、いつ、どこに、そしてNFL にとって初めての経験となるスタジアムへの投資をどの程度する必要があるのか、ということです。ローズボウルとカーソン市の関係者は、コミッショナー タグリアブーの「ロサンゼルスは、ニューヨークのように2つのチームが本拠地をおくことができそうだ。」という発言にほっとしていました。
 これまで、ロサンゼルス地域はラムズとレイダースの本拠地でした。この地域には、2つのチームをサポートできる人口と経済力があります。しかし、南カリフォルニアのファンは東海岸のファンよりも気まぐれです。ロサンゼルス地域は潜在的に2チームをサポートする力はあるかもしれませんが、NFLが2つのスタジアムに投資するとは想像できません。NFL はローズボウルとカーソン市を互いに競わせ、より魅力的な方を選ぼうとしています。
 コミッショナー ポール・タグリアブーは南カリフォルニア問題の次の段階に進むことになります。現在のNFLチームにロサンゼルスへの移転を認めるのか、あるいは、33チームから34チームにするのか、それを決めなければなりません。また、タグリアブーは、依然としてレイダースにロサンゼルス地域を独占する権利があると主張しているアル・デーヴィスから訴訟を起こされるでしょう。
 まだしばらくの間、ポール・タグリアブーには頭の痛い状態が続くことでしょう。

SEE YOU NEXT TIME!
BILL MARKLEVITS


back number
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