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NFL Report Japan


このコーナーでは米国のNFL記者クラブ的存在であるPro Football Writers of Americaに日本人として唯一所属するジャパンタイムズ記者、生沢浩がNFLチームの存在する都市をいろいろな角度から紹介します。どうぞお楽しみに!!

第1回 《ニューヨーク編》

 アメリカ東海岸の空の玄関口、J・F・ケネディ国際空港からルート678を北上し、クイーンズでルート495に進路を変えると、まもなく正面に水晶の柱を立てたようにまっすぐ高くそびえる高層ビル群が現れる。ニューヨークの摩天楼に出合う瞬間だ。

 ウォール街、ブロードウェイに代表されるように、合衆国の経済と文化・芸術の象徴であり、世界最大の娯楽都市でもある。10数年前までは治安が悪く、犯罪都市の代表格とされたこともあったが、ジュリアーニ前NY市長の都市改造計画の成功もあって、現在では最も安全な観光地のひとつだ。

 ニューヨークは国際都市の名にふさわしく、実に多種多用な民族がコミュニティを形成している。チャイナタウンから2〜3ブロック離れた場所にはリトルイタリーがあり、東西の異文化が隣接しあって奇妙な調和を作り上げている。この異文化が融合しあって新たな文化を生み出したりもする。

 これはニューヨークが移民によって発展した街だという歴史と符合する。17世紀初頭にオランダが入植し、その後その覇権はイギリスへと奪われる。1776年の独立戦争を経て1783年のパリ条約でアメリカの独立が承認されると、各地から自由を求めてくる移民が後を絶たなかった。その玄関口となったのがマンハッタン島だったといわれる。ニューヨークが醸し出す多国籍な雰囲気は、移民たちが祖国から取り入れた文化の融合の賜物なのかもしれない。

 マンハッタン島最南端のロウアーマンハッタンと呼ばれる地域は、ウォール街やニューヨーク証券取引所が存在する世界経済の発信地だ。世界的に名高い場所でありながら、実際に訪れてみると拍子抜けするほどにごく当たり前のビジネス街である。しかし、ニューススタンドで買ったニューヨークタイムズを脇に挟み、街角でホットドッグを買い求めるビジネスマンの姿は、颯爽としていて格好いい。ニューヨーク進出がビジネス成功の象徴とされるのもうなずける。このエリアのハドソン川側に2001年9月11日のテロ事件の被害に遭ったワールドトレーディングセンター跡地(グラウンドゼロ=「被災地」の意味)がある。

 芸能を志すものなら誰しもが憧れる桧舞台、それがブロードウェイだ。タイムズスクエアから50th駅までのわずか8ブロックほどのエリアに『オペラ座の怪人』で有名なマジェスティック劇場、『美女と野獣』のラント・フォンテン劇場、話題の『マンマ・ミーア』が上映されているキャディラック・ウィンター・ガーデン劇場などがひしめきあう。ブロードウェイで上演されるミュージカルの批評としては、ニューヨークタイムズ紙が有名。もともと辛口で知られる同紙だが、酷評されたミュージカルは翌日から客の入りが激減し、上演が中止となる場合も少なくないという。ブロードウェイを訪れたなら、ぜひNYタイムズ紙を買って文化批評欄に目を通すことをお薦めしたい。

 ニューヨークで一大産業となっているのはスポーツも例外ではない。ニューヨークは北米4大スポーツ(NFL、MLB、NBA、NHL)のすべてがそろう有数の都市のひとつだ。この街にフランチャイズを置く北米4大スポーツのチーム数は7チーム(ジャイアンツ、ジェッツ、ヤンキース、メッツ、ニックス、アイランダーズ、レンジャーズ)と合衆国最多を誇る。

 中でも最も伝統と歴史を誇るのがヤンキースだ。1903年にボルティモアにあったチームをフランク・ファーレルとビル・ディヴェリーが買収し、本拠地をマンハッタンに移したのが始まりとされる。20年にはレッドソックスからベーブ・ルースを獲得する。ルースはこの都市に年間54本塁打という当時のMLB新記録を打ち立てて一気にヤンキースの人気選手となった。同時期にはルー・ゲーリックも在籍し、名門チームの黎明期を支えた。21年のリーグ初優勝以来、37回もアメリカンリーグを制している強豪チームだ。2000年にはこのヤンキースとメッツ(ナショナルリーグ)がワールドシリーズで対戦したことは記憶に新しい。

 同じ都市にフランチャイズを置くチーム同士は、リーグまたはカンファレンスが別々になるのが通常だが、NHLではアイランダーズとレンジャーズはともにイースタンカンファレンスのアトランティックディビジョンに所属するライバルチーム。ヤンキースとメッツがインターリーグもしくはワールドシリーズでしか対戦しないのとは対照的だ。

 NBAニックスの名称は、17世紀にマンハッタン島に入植したオランダ人たちが履いていたズボン(ニッカボッカー)に由来する。ニューヨークの歴史を名称に反映させたという意味において、ニューヨーカーを象徴するチームと言えるだろう。

 NFLのジャイアンツとジェッツはともにジャイアンツスタジアムを使用しているが、このスタジアムの所在地はニュージャージー州。チームの本拠地が置かれているオフィスもジェッツはニューヨーク市にあるが、ジャイアンツはニュージャージー州のイーストラザフォードにある。スーパーボウル制覇はジェッツが1回、ジャイアンツは2回ある。

◎スタジアムの歴史
ジャイアンツスタジアム
 ジャイアンツスタジアムがオープンしたのは1976年のこと。ニュージャージー州の地元紙が同州に大規模なスポーツ施設を作るべきだと論じたのが発端とされる。施設建設にはメジャーなスポーツの招致が必要と考えた州と、老朽化が進み、集客数も少ないヤンキーススタジアムから移転したいというジャイアンツの思惑が一致し、75年に30年間のリース契約が交わされた。柿落としとなったカードはジャイアンツ対カウボーイズ戦。84年からはそれまでメッツのシェイスタジアムを使用していたジェッツもここをホームとするようになった。2チームが同じスタジアムをホームとして使用しているのはNFLではこのジャイアンツスタジアムだけだ。2000年からは天然芝に切り替わっている。

生沢浩(いけざわひろし)
ジャパンタイムズ運動部主任。1965年北海道生まれ。高校生のときに偶然テレビで見たボー・ジャクソンのランに魅せられてフットボールの虜となる。上智大学でRBとしてプレイ。米国のNFL記者クラブ的存在であるPro Football Writers of Americaに日本人として唯一所属。現在は『アメリカンフットボールマガジン』、『Sports Yeah!!』などの雑誌にNFLの記事を寄稿する傍ら、「NHK-BS」や「G+」でゲーム解説を務める。訳書に『NFLに学べ フットボール強化書』(ベースボールマガジン社刊)がある。

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第20回 《デトロイト編》
第19回 《クリーヴランド編》
第18回 《アトランタ編》
第17回 《セントルイス編》
第16回 《フィラデルフィア編》
第15回 《ニューイングランド編》
第14回 《ヒューストン編》
第13回 《ボルティモア編》
第12回 《シアトル編》
第11回 《ワシントンDC編》
第10回 《マイアミ編》
第9回 《シカゴ編》
第8回 《サンフランシスコ編》
第7回 《ピッツバーグ編》
第6回 《インディアナポリス編》
第5回 《タンパベイ編》
第4回 《ニューオリンズ編》
第3回 《サンディエゴ編》
第2回 《デンヴァー編》
第1回 《ニューヨーク編》

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