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NFL Report Japan


このコーナーでは米国のNFL記者クラブ的存在であるPro Football Writers of Americaに日本人として唯一所属するジャパンタイムズ記者、生沢浩がNFLチームの存在する都市をいろいろな角度から紹介します。どうぞお楽しみに!!

第3回 《サンディエゴ編》

 降り注ぐ陽光と一面に広がる青い海がウェストコーストらしさを演出する街、カリフォルニア州サンディエゴ。ご存知第37回スーパーボウルの舞台となる都市だ。

 我々日本人にとって馴染みの深い西海岸の都市といえば、ロサンゼルス、サンフランシスコ、そして、イチローや佐々木主浩の所属するマリナーズのあるシアトルだろう。しかし、アメリカ人の間ではサンディエゴはカリフォルニア州でも有数の観光地として人気が高い。

 年間を通して温暖でドライな気候は暮らしやすく、治安もいい。世界的規模の動物園や水族館があるので、観光客が絶えない。地元の人たちはこういった環境の下で過ごしているせいか、陽気でフレンドリーだ。

 僕は第32回スーパーボウルの取材で初めてこの街を訪れた。サンディエゴ国際空港から一歩外に出た瞬間、眼前にパッと白い色が広がったという印象を持った記憶がある。1月下旬にもかかわらずまばゆいばかりの太陽の光が、屋内から出たばかりの僕の視界から一切の色を奪ってしまったのだ。目が慣れてくると、パームツリーの生い茂る風景が見えてきた。砂漠気候特有の赤茶けた土の大地が広がり、それと真っ青な空の色が奇妙なコントラストを描いていた。

 ガイドブックを紐解けば、1542年にポルトガルの探検家ホアン・ロドリゲス・カブリロがロマ岬を発見したのがこの街の発祥とされる。その後18世紀半ばからスペイン人が入植し、発展した。

 こういった歴史とメキシコとの国境近くに位置する地理的条件が、サンディエゴの異国情緒を醸し出している。実際、スペイン語が語源と思われる地名は多いし、そこここにメキシコ文化の匂いを感じる。余談だが、この街ではマクドナルドよりもタコベル(タコスのファーストフードチェーン)の数のほうが多いくらいだ。

 西海岸最南端に位置するサンディエゴはロサンゼルスから約200キロ南下した場所にあり、メキシコ国境までは30キロと離れていない。ロサンゼルスからサンディエゴのサンタフェまではアムトラックが連結している。海岸沿いを3時間かけて走るこのルートは旅の情緒を感じさせるとして人気がある。終着駅サンタフェ駅の白を基調としたスペイン建築が美しい。

 サンディエゴの街は面積約850キロ平方メートルで東京の約3分の1。公共の交通機関も充実しているので観光はしやすい。路面電車のサンディエゴ・トロリーを利用すれば主だったところへは行ける。チャージャーズのクォルコムスタジアムへも、ダウンタウンからこのトロリーを使えば行くことができる。

 ダウンタウンでお薦めなのはホートンプラザ(Horton Plaza)というショッピングモールだ。スポーツショップも多いので、フットボール観戦の際にはぜひとも立ち寄りたい。

 サンディエゴ位置の繁華街はガスランプ・クオーター。19世紀始めに栄えた商業地域跡を再開発したものだそうだ。一説にはワイアット・アープによって設けられたギャンブルタウンだったとも言われる。20世紀に入ってさびれる一方だったこの地域をレストランやナイトクラブの集まる歓楽地として復興させた。

 その名のとおり、道にはガスランプが立っており、夜には灯がともされてきれいな光を放っている。

 しかし、サンディエゴの最高の観光スポットはサンディエゴ動物園とシーワールドだ。動物園はバルボアパーク(Balboa Park)と呼ばれる総合自然公園の中にあり、その規模は世界最大級。飼育している動物は800種を超えるとされる。絶滅の危機にある種の保護でも名高い動物園で、パンダなど希少動物も見ることができる。同じくバルボアパークの中にある自然史博物館(Natural History Museum)ではカリフォルニア州で発掘された恐竜の化石なども見ることができる。

 シーワールドはシャム・アドベンチャー(Shamu Adventure)と呼ばれるシャチのショーが有名。そのほか、イルカやアシカなどの曲芸ショーももちろんある。イルカやエイに直に触れることができるのもこのシーワールドの特徴だ。

 サンディエゴの歴史に触れるのであればオールドタウンを訪れるといい。スペイン風の建築物の並ぶ町並みは眺めているだけでタイムスリップしたような錯覚を覚えるという。

 サンディエゴでの食事はバラエティに富んでいる。ステーキなどの肉料理はもちろん、シーフードやスペイン料理、メキシコ料理など長期滞在でも飽きさせない。ただし、僕の一番のお薦めは寿司だ。海の街なのでネタは大きくて新鮮だし、カリフォルニア米は日本人の口にあう。なんと言っても、日本に比べて安いのがいい。ぜひお試しを。

 観光地という性格から、またはロサンゼルスが近いせいか、メジャーなプロスポーツは少ない。わずかにMLBパドレスとチャージャーズがフランチャイズを構えるのみである。

 ナショナルリーグ西地区に所属するパドレスは1969年に誕生、チャージャーズは1960年にAFLのチームとしてスタートした。パドレスは84年と98年にワールドシリーズ出場を果たしているが、いずれもアメリカンリーグの代表に敗れた。一方のチャージャーズは94年シーズンに初のスーパーボウルを実現したものの、49ersに敗れてしまった。現在はともにクォルコムスタジアムを使用している。

◎スタジアムの歴史
クォルコムスタジアム
 現在クォルコムスタジアムと呼ばれるチャージャーズのホーム球場は、1967年にサンディエゴスタジアムとして誕生した。当時NFLとチャージャーズが所属していたAFLは70年の合併の準備として、両リーグ間でプレシーズンゲームを行うことにしていた。そのため、スタジアムの柿落としとして行われた試合ではチャージャーズがライオンズと対戦した。チャージャーズにとってNFLのチームと対戦したのはこれが最初である(結果はライオンズ38、チャージャーズ17)。81年には建設運動の功労者ジャック・マーフィが死去。その功績をたたえるためにスタジアムは「ジャック・マーフィースタジアム」と改名された。97年に電話会社クォルコムが命名権を買収。現在の正式名称は「クォルコムスタジアムatジャック・マーフィーフィールド」である。これまで第22回、32回、37回のスーパーボウルがこのスタジアムで行われた。

生沢浩(いけざわひろし)
ジャパンタイムズ運動部主任。1965年北海道生まれ。高校生のときに偶然テレビで見たボー・ジャクソンのランに魅せられてフットボールの虜となる。上智大学でRBとしてプレイ。米国のNFL記者クラブ的存在であるPro Football Writers of Americaに日本人として唯一所属。現在は『アメリカンフットボールマガジン』、『Sports Yeah!!』などの雑誌にNFLの記事を寄稿する傍ら、「NHK-BS」や「G+」でゲーム解説を務める。訳書に『NFLに学べ フットボール強化書』(ベースボールマガジン社刊)がある。

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第20回 《デトロイト編》
第19回 《クリーヴランド編》
第18回 《アトランタ編》
第17回 《セントルイス編》
第16回 《フィラデルフィア編》
第15回 《ニューイングランド編》
第14回 《ヒューストン編》
第13回 《ボルティモア編》
第12回 《シアトル編》
第11回 《ワシントンDC編》
第10回 《マイアミ編》
第9回 《シカゴ編》
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第7回 《ピッツバーグ編》
第6回 《インディアナポリス編》
第5回 《タンパベイ編》
第4回 《ニューオリンズ編》
第3回 《サンディエゴ編》
第2回 《デンヴァー編》
第1回 《ニューヨーク編》

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