Thu, 08/28/2003 11:24 am UPDATE
2004シーズン NFLとは NFLヨーロッパ NFLイベント NFLフラッグフットボール サイトマップ
NFLビギナー NFLマニア NFLエンタメ コミュニティレポート NFL JAPAN チアリーダー
   NFL JAPAN top page>NFLマニア>フランチャイズ物語
NFLマニア
シーズン関連トピックス
チーム関連トピックス
今週のプレイヤー、コーチトピックス
フランチャイズ物語
NFL戦略アナライシス
ビジネストピックス
コラム
NFL Report Japan


このコーナーでは米国のNFL記者クラブ的存在であるPro Football Writers of Americaに日本人として唯一所属するジャパンタイムズ記者、生沢浩がNFLチームの存在する都市をいろいろな角度から紹介します。どうぞお楽しみに!!

第6回 《インディアナポリス編》

 北アメリカ中西部、五大湖の南に位置するインディアナ州。その州都がインディアナポリスだ。いくつものインターステートが交差する中西部陸路の要衝でもある。ルート65号を北上すれば4時間でシカゴに到着し、70号を西南に下ればセントルイスにつながる。シンシナティへは74号で約2時間の距離だ。

 インディアナポリスは19世紀始めまでアメリカ先住民が林業を営みながら生活する小都市だった。1820年にインディアナ州の州都に指定され、20世紀に入ってから工業を中心とした都市改造計画が施された。現在は人口80万人の工業都市だ。

 北アメリカの中西部はシカゴを除き、私たち日本人にはそれほど馴染み深い地方ではないかもしれない。それでもNFLファンにはコルツとスカウトコンバインの街、モーターファンにはインディ500レースの開催地として知られている。

 NFLでは4月の大学ドラフトに先立って2月中旬にスカウトコンバインが行われるが、それが開催されるのがインディアナポリスだ。スカウトコンバインとはドラフト候補生がコルツの本拠地RCAドームで、各チームのスカウト陣やヘッドコーチ、GMが見守る中で40ヤード走などの体力測定を行うものだ。フィジカルなテストのほか、隣接しているコンベンションセンターでチーム首脳陣と候補生との面談も行われる。

 アメリカで最大の人気を誇るモーターレースといえば、インディ500。ヨーロッパを主戦場とするF−1はむしろアメリカ人の興味を惹かない。彼らはインディ500やナスカーレースなど自国発祥のカーレースをこよなく愛する。これもアメリカ人気質か。

 インディ500とは毎年5月のメモリアルデー(戦没者記念日)に行われるインディカーシリーズ最大のレースである。1911年に始まったこのレースは年々その規模を拡大していき、今ではスーパーボウルやワールドシリーズと並び称される北米でも最大級のスポーツイベントとなった。チケットは1年前からの予約が必要といわれるが、事実上入手が困難なプラチナチケットとなっている。レースの決勝戦に向けての関連イベントは4週間以上にもわたることからも、その規模が窺い知れる。

 インディカーレースは1周2.5マイルの楕円形のオーバルコースを左回りに周回することによって競われる。複雑に設計されたコースを縦横に走るF−1とはレーススタイルが根本的に違う。

 インディ500が開催される「インディアナポリスモータースピードウェイ」は市郊外にあるが、それに隣接して設立されているインディカーの殿堂博物館は人気観光スポットのひとつだ。博物館には歴代優勝者の肖像やヘルメットはもちろん、これまでにインディ500で実際に走行したレーシングカー75台が所狭しと並んでいる。レースファンならでも夢中になれるスポットだ。

 博物館といえば、インディアナポリスには無料で入館できる博物館、美術館がいくつかある。たとえばインディアナ州の自然史と文化史を紹介するインディアナ州立博物館(Indiana State Museum)は、地下1階から地上3階まで全部見て回るのに2〜3時間はかかるであろう規模を持ちながら、入館は無料だ。そのほか、アメリカ先住民の文化・伝統の品々を展示しているアイテルジョーグ・ミュージアム(EiteljorgMuseum of American Indians and Western Art)も無料。

 インディアナポリスは小規模な街なので、ダウタウンは半日もあれば回りきれてしまう。ダウンタウンの中央部には高さ87mのインディアナ兵士・水兵士記念塔(Indiana Soldiers' and Sailors' Monument)があり、これに上れば市街が一望できる。

 モータータウンだからというわけではないのだろうが、インディアナポリスはスポーツチームがそれほど多くない。北米4大スポーツではNFLのコルツ、NBAのインディアナ・ペイサーズがあるのみだ(WNBAではフィーヴァーが存在する)。

 コルツは46年に設立され、50〜60年代は旧NFLの強豪チームとして人気を博した。第3回スーパーボウルではジョー・ネイマス率いるジェッツに苦杯を舐めたが、その2シーズン後にカウボーイズを破ってスーパーボウルチャンピオンとなっている。83年シーズンを最後にメリーランド州ボルティモアからインディアナポリスに移転した。

 ペイサーズは67年にアメリカンバスケットボール協会(ABA)の一員として誕生した。ABAではプレーオフの常連で、69-70年、71-72年、72-73年シーズンでそれぞれリーグ優勝を果たした。ABAが消滅した後、76年からNBAに所属している。本拠地のカンセコフィールドハウス(Conseco Fieldhouse)は99年秋にオープンしたばかり。

◎スタジアムの歴史
RCAドーム
 1984年にダウンタウンにあるコンベンションセンターの拡張策の一環として設立された。このスタジアム設立がコルツをボルティモア市から移転させるためのインディアナポリス市の切り札だった。当時はフージアドームと呼ばれていた。フージア(Hoosier)とは「正直ものたち」の意味だそうで、インディアナ州のあだ名にも使われている。94年に家電企業のRCAが命名権を買収し、現在の名称となった。99年に2370万ドルをかけて大規模な改修工事が施され、ラグジュアリーシートがNFLで流行の贅を凝らしたものに改修されている。ドームは東京ドームと同様に空気圧を利用して屋根を膨張させるタイプのもので、このタイプのドームは全米でもRCAドームを含めて4つしかない。ターフにはアストロターフを使用。フットボールのほか、大学バスケットボール、陸上競技大会にも使用される。ターフは陸上競技大会で使用されるほどに上質なため、NFLでは毎年2月にスカウトコンバインをRCAドームで開催している。

生沢浩(いけざわひろし)
ジャパンタイムズ運動部主任。1965年北海道生まれ。高校生のときに偶然テレビで見たボー・ジャクソンのランに魅せられてフットボールの虜となる。上智大学でRBとしてプレイ。米国のNFL記者クラブ的存在であるPro Football Writers of Americaに日本人として唯一所属。現在は『アメリカンフットボールマガジン』、『Sports Yeah!!』などの雑誌にNFLの記事を寄稿する傍ら、「NHK-BS」や「G+」でゲーム解説を務める。訳書に『NFLに学べ フットボール強化書』(ベースボールマガジン社刊)がある。

back number
第20回 《デトロイト編》
第19回 《クリーヴランド編》
第18回 《アトランタ編》
第17回 《セントルイス編》
第16回 《フィラデルフィア編》
第15回 《ニューイングランド編》
第14回 《ヒューストン編》
第13回 《ボルティモア編》
第12回 《シアトル編》
第11回 《ワシントンDC編》
第10回 《マイアミ編》
第9回 《シカゴ編》
第8回 《サンフランシスコ編》
第7回 《ピッツバーグ編》
第6回 《インディアナポリス編》
第5回 《タンパベイ編》
第4回 《ニューオリンズ編》
第3回 《サンディエゴ編》
第2回 《デンヴァー編》
第1回 《ニューヨーク編》

→戻る