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NFL Report Japan


このコーナーでは米国のNFL記者クラブ的存在であるPro Football Writers of Americaに日本人として唯一所属するジャパンタイムズ記者、生沢浩がNFLチームの存在する都市をいろいろな角度から紹介します。どうぞお楽しみに!!

第11回 《ワシントンDC編》

 アメリカ合衆国の首都、ワシントンDC。この合衆国政令の中枢部はどの州にも属さない特別地区とされている。DCとはDistrict of Columbia(コロンビア特別区)の略。コロンビアはコロンブスの名前にちなんでいると言われる。ヴァージニア州とメリーランド州の間に位置する東海岸の都市だ。
 遷都は1800年。ワシントンDCは初めから首都たらんとして誕生した。つまり、首都としての機能、体裁、そして風格を兼ね備えるべくして設計された人工都市なのだ。設計したのはフランス人設計士ピエール・ランファンだということだ。計画的に設計されたために、区画がはっきりとしており、通りの表示も実に規則的だ。そして、主要道路にはペンシルヴェニア、マサチューセッツ、ルイジアナなど各州の名称がつけられている。これも、首都を意識しての命名だ。
 ワシントンDC内にはアメリカの政治や歴史を感じさせる建造物、記念館などが立ち並ぶ。さながら歴史が凝縮された街だ。
 ワシントンDCのランドマークとして有名なのが、ワシントン記念塔だ。アメリカ初代大統領ジョージ・ワシントンを記念して1884年に完成。169メートルの塔はワシントンDC内で最長の建造物だ。DC内の条例ではこの塔より高い建築物は建ててはならないことになっている。最上階は展望台になっており、ワシントンの街が一望できる。塔の建設に際し、使用されている大理石は全米のみならず、世界各国から寄贈されたそうだ。
 実物をご覧になった人は、塔の下3分の1ほどのところで石の色が変わっているのに気づくだろう。これは、建設途中に南北戦争が勃発し、工事が中断した名残なのだとか。
 ワシントン記念塔からまっすぐに伸びる690メートルの人工池、リフレクティングプールもワシントンDCを代表する景色のひとつだ。
 最も人気の観光スポットといえば、やはりホワイトハウスだ。毎週火曜日〜土曜日の午前10時から正午までのわずか2時間だけ中を見学できる。見学を許されているのは1階部分のみ。国賓をもてなす晩餐会場も見ることができるが、2階の大統領私邸部分は非公開だ。公開時間が短いこともあって、連日整理券を配布するほどの人気振りだ。整理券は午前7時半から配られるという。
 ホワイトハウスはジョージ・ワシントンの命令で1792年に着工したが、当のワシントンは完成前にこの世を去っており、歴代43人の大統領のうち、唯一ホワイトハウスに住んだ経験がない。イギリスとの独立戦争のさなかに大半を焼失してしまうが、戦後すぐに修復された。その修復の際、焼け跡のすすけた部分を隠すために建物全体を白く塗ったことから“ホワイトハウス”の名前が付いたのだそうだ。
 ホワイトハウスからペンシルヴェニア通りを南東に進むとUSキャピトル(国会議事堂)や最高裁判所、国会図書館のあるキャピトルヒルにつながる。ホワイトハウスとキャピトルヒルの中間辺りにFBI本部がある。
 ワシントンDCは政治の中心地であるだけでなく、博物館、美術館が多く立ち並ぶ文化都市でもある。レオナルド・ダ・ヴィンチの絵画がヨーロッパ以外で唯一展示してある国立美術館や国立航空宇宙博物館などが人気だ。FBI本部の近くにあるリンカーン劇場は第16代エイブラハム・リンカーンが暗殺者の凶弾に倒れた場所だ。現在でもリンカーンの座っていた椅子がそのままの形で展示されている。この劇場はリンカーンの肖像が立っているリンカーン記念館とは違うので、老婆心ながらご注意を。国立公文書館では独立宣言、合衆国憲法、人権宣言の原本が展示されている。
 ワシントンDCのスポーツ事情はちょっと珍しい。と言うのは北米4大スポーツのうち、MLBだけが存在しないのである。NBAでは先ごろまでマイケル・ジョーダンがプレイしていたウィザーズがある。ウィザーズはもともとシカゴ・パッカーズとして1961年に誕生した。その後、チーム名やフランチャイズを変えながら、1974年にワシントンDCを拠点とするキャピタル・バレッツ(後にワシントン・バレッツに改名)となった。97‐98年シーズンから現在のウィザーズを名乗っている。1978年にNBA優勝を経験した。
 NHLのキャピタルズは86‐87年シーズンに誕生。99‐00年にディビジョン優勝を果たした。昨年70周年を迎えたレッドスキンズが最も歴史が深く、スーパーボウルにも5回出場し、3度の優勝を誇っている。

◎スタジアムの歴史
フェデックスフィールド
 1997年にレッドスキンズの新スタジアムとして誕生。総工費は2億5000万ドルで、集客数はかつてのRFKスタジアムの40%増にあたる8万6484となった。しかし、依然としてレッドスキンズのチケットは完売を続け、根強い人気の高さを実証した。所在地はメリーランド州になる。完成時はNFLでも最高レベルの貴賓席を有し、その贅をつくした設計が話題を呼んだ。当初はかつてのオーナー、故ジャック・ケント・クックの名前を冠していたが、99年に現在のダニエル・スナイダーオーナーがチームを買収してネーミングライツをフェデックスに売却した。スナイダーはエレベーターの設置などさらに大幅な改修を施して現在に至っている。

生沢浩(いけざわひろし)
ジャパンタイムズ運動部主任。1965年北海道生まれ。高校生のときに偶然テレビで見たボー・ジャクソンのランに魅せられてフットボールの虜となる。上智大学でRBとしてプレイ。米国のNFL記者クラブ的存在であるPro Football Writers of Americaに日本人として唯一所属。現在は『アメリカンフットボールマガジン』、『Sports Yeah!!』などの雑誌にNFLの記事を寄稿する傍ら、「NHK-BS」や「G+」でゲーム解説を務める。訳書に『NFLに学べ フットボール強化書』(ベースボールマガジン社刊)がある。

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第20回 《デトロイト編》
第19回 《クリーヴランド編》
第18回 《アトランタ編》
第17回 《セントルイス編》
第16回 《フィラデルフィア編》
第15回 《ニューイングランド編》
第14回 《ヒューストン編》
第13回 《ボルティモア編》
第12回 《シアトル編》
第11回 《ワシントンDC編》
第10回 《マイアミ編》
第9回 《シカゴ編》
第8回 《サンフランシスコ編》
第7回 《ピッツバーグ編》
第6回 《インディアナポリス編》
第5回 《タンパベイ編》
第4回 《ニューオリンズ編》
第3回 《サンディエゴ編》
第2回 《デンヴァー編》
第1回 《ニューヨーク編》

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