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| パンサーズの快進撃を支えるQBジェイク・デローム |
1月11日の夜遅く、部屋を埋め尽くしたリポーターたちは、そのしばらく前にフィールド上で今シーズン数度目となる奇跡を起こした、パンサーズQBジェイク・デロームの話を聞こうと待ち構えていた。
しかしデロームには、その前にやらなければならないことがあった。デロームはエドワード・ジョーンズ・ドームの通路で、かつてNFLELアムステルダム・アドミラルズでともにプレーしたラムズQBカート・ワーナーにばったり会った。ワーナーはまだ赤ん坊の息子を手に抱いており、息子は父のチームが負けたせいかあまり機嫌がよくない様子だった。デロームはその子に顔を近づけおかしな顔をしたり、指でくすぐったりすると、その子はおとなしくなった。
ワーナーの子も、デロームのマジックにかかったのだ。
「この子、おれに微笑んだよ!」、デロームは得意げに言うと、ようやくインタビュー室に連れて行かれた。
それまで比較的無名だったQBは、パンサーズをNFCチャンピオンシップへと導いた。デロームのキャリアの始まりを考えれば、全く予想できなかった展開である。
ワーナー同様、デロームもキャリアの序盤を海外か、サイドラインでボードを持ちながら過ごしていた。セインツでの6年で、ルイジアナ=ラファイエット大からドラフト外でチームに入ったデロームは、86回のパスを投げた。NFLELにも2シーズン参加したが、そこでもあまり出場機会には恵まれなかった。
しかし、パンサーズはデロームについて、いろいろな人に話を聞きながら調査を進めるうち、彼こそがチームに相応しいと確信した。
「調査をしていくうちに、彼の数字に表れないポテンシャルやリーダーシップに関して、すばらしいことしか聞かなかった。チームに合流してからも、日に日によくなっていくように感じたよ。そして、試合が大きくなればなるほど、彼もそれに応えてくれる。それがQBに求められることであり、まだこれで終わらないことを願うよ」と、パンサーズ・ヘッドコーチ ジョン・フォックスはチームの司令塔を評する。
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| ワイルドカード・プレーオフでのカウボーイズ戦29対10での勝利を祝福するパンサーズ |
デロームは開幕時にはスターターではなかったが、すぐにチャンスをつかむとそれをものにした。ジャガーズとの開幕戦で前半を終えて14対0とリードされると、デロームは先発のロドニー・ピートに代わり出場、そこから“デローム・ストーリー”が始まった。その試合で、チーム史上最大の逆転劇を成功させると、シーズンを通して同じような活躍を続けた。
ディヴィジョナル・プレーオフでのラムズ戦勝利は、今シーズン8度目となる最後の攻撃での勝利だった。また、パンサーズはレギュラーシーズン中、7試合での3点差以内での勝利によりリーグ記録に並ぶなど、“劇的勝利”がチームの代名詞となった。
フォックスは、ジャガーズ戦の時点でその先のデロームの活躍を予測できたかと聞かれると、笑った。「私が誉められるべきだよ。あの時は、勝つために必要なことをしただけだ」と、9月7日の逆転劇について語った。「ジェイクが入って、週を追うごとにチームがよくなって行った。でも、このことを初めから予想していたと言うと、うそになるね」。
デローム自身も、この快進撃には驚いている様子だ。そして、最初の試合以来、チームに自分がどんなに不利な状況からでも、チームを救い出せると信じ込ませようとしていると語る。
「開幕戦では、どんなプレーでも成功させてくれるチームメイトがいることが幸運だった。その試合の勝ち方がその後の好調をスタートさせ、さらに同じような試合にもう何試合か勝つことができたんだ。QBとしては、チームメイトの信頼が何よりも大切だよ。おそらくみんな僕を信じてくれていると思うし、僕もチームメイトを信頼している」。
デロームはレギュラーシーズン中、3,219ヤード、19TD、16INTを投げ、現在残っている4人のQBの中ではコルツのペイトン・マニングに次ぐ成績を残している。パンサーズに来る前、マイク・ディトカ時代のセインツで2度の先発を経験しただけのQBにしては、悪くない数字だ。
ラムズ戦後、フォックスは、「これが初めてじゃないしね。私は我々のオフェンス、ジェイク・デローム、レシーヴァーのことが書かれている記事を見ると、いつも笑ってしまいそうになる。彼らはみんなが思うより、もう少しいい働きをしているよ。特にジェイクは、難しい場面ですごい事をやってのける。バッカニアーズ戦では強力ディフェンスに対し、1分ぐらいでフィールドの端から端までドライヴして逆転したし、NFL1位のカウボーイズ・ディフェンスにも、同じような活躍で勝利に導いた。私は彼が好きだし、他の人間がジェイクを好きでも嫌いでも気にしないよ」と、コメントした。
アメリカは彼を知り始めているのかもしれないが、カロライナではデロームがすでに共通の言葉になっている。ここまではデローム自身も予測できなかったような、起伏に満ちながらも驚くべき快進撃だった。
デロームは今シーズン成し遂げたことの重大さを実感しているかと聞かれると、少々考え込み、実感できないと答えた。
「おそらくその答えは、オフシーズンになって落ち着いて考えられるようになった時に出ると思う。パンサーズと契約したとき、ただプレーする機会だけを求めていた。契約したとき、契約したその日に、自分たちがチャンピオンシップでプレーするなんて考えていたかな?たぶん考えていなかったよ。自分はプレーする機会を求め、それを得て突っ走った感じだよ。でも、さっき答えられなかった質問への答えは、できれば2月になるまで答えられないでいたいね」。 |