現地時間3月3日からフリーエージェント(FA)期間が始まる。NFLの複雑なFAの仕組みを、よく聞かれる質問として解説する。
■ FAのカテゴリーには、どんなものがあるか?
○FAには“制限付”、“無制限”がある。それらのカテゴリー内には、もとの所属チームがある選手をチームに残すために、他チームとの契約を制限する目的で発動する“フランチャイズ”、“トランジション”というカテゴリーも存在する。
■ FA選手が他チームと契約できる期限はあるか?
○制限付のFAは3月3日から4月16日まで、無制限とトランジション選手は3月3日から7月22日まで(またはNFLチームによるトレーニングキャンプ初日のうちどちらか遅い方)、フランチャイズ選手は3月3日からレギュラーシーズン第10週(11月9日)まで。
■ 制限付と無制限FAの違いは?
○NFLで3シーズンを過ごし、契約の切れた選手が条件付FAとなる。4年以上のシーズンを終えて契約が切れた場合、その選手は無制限のFAとなる。
■ NFLで1シーズン過ごしたとみなされる条件は?
○レギュラーシーズン中に6試合以上で、チームのアクティヴまたはインアクティヴ、リサーヴ、故障者、またはフィジカリー・アンエイブル・トゥ・パフォームのうち、いずれかのリストに記載された選手。
■ 在籍年数以外に、制限付FAを決定づける条件はあるか?
○所属チームから“ある条件を満たした”オファー(qualifying offer: リーグと選手間で交わされた団体選手協約にあらかじめ定められた金額)を受けた選手。オファーを受けた選手は4月16日までの間は、他のどのチームとも交渉することができる。しかし、制限付FA選手が他チームからのオファーを承諾した場合、もとのチームは拒否権を行使できるため同じ条件を提示することでその選手を引き止めることができる。もとのチームはその条件に合わせないことを決めた場合、“ある条件を満たす”オファーの額によってはドラフト指名権を代償として受け取ることができる。他のどのチームからもオファーを受けなかった選手の保有権は、4月16日にもとのチームに戻る。
■ 無制限FAとなる条件は?
○先に述べたように、NFLで4シーズン以上を過ごし契約の切れた選手。これらの選手は7月22日(またはNFLチームによるトレーニングキャンプ初日のうちどちらか遅い方)までは、もとのチームに何の代償もなく他チームと契約することができる。7月23日に、もとのチームが6月1日までにその選手に対して仮のオファー(tender
offer: 昨シーズンの年棒の110%)を行っていれば、その選手の保有権はもとのチームに戻る。その場合もとのチームは、レギュラーシーズン第10週目(11月9日)までその選手と契約する時間がある。11月9日までに契約がまとまらない場合には、その選手はそのシーズンに出場することはできない。6月1日までに仮のオファーを受けなかった選手は、その後もシーズンを通してどのチームとも契約することができる。
■ トランジション選手とは?
○チームはどの年も、1人のトランジション選手(または1人のフランチャイズ選手)を指定することができる。もとの所属チームは、トランジション選手に指定したい選手がプレーするポジションでの前シーズンの年棒トップ10選手の平均額か、その選手の前シーズンの年棒の120%か、どちらか多い額でその選手に対してオファーを行わなければならない。チームはトランジション選手に指定した選手が他チームから受けたオファーに対して、7日以内に同じ条件を提示することで拒否権を発動できる。チームは拒否権を行使することでその選手の保有権を得ることができるが、発動しない場合には何の代償も得られない。
■ フランチャイズ選手とは?
○チームはどの年も、1人のフランチャイズ選手(または1人のトランジション選手)を指定することができる。チームが提示するオファーの金額が、その選手がフランチャイズ選手の中でもどのカテゴリーに属するかを決定づける。“独占的”フランチャイズ選手は、4月16日時点でのその選手のポジションでの年棒トップ5選手の平均額、または前年の年棒の120%のどちらか多い方をオファーされた選手で、他のチームと交渉することはできない。“非独占的”フランチャイズ選手は、前年のその選手のポジションでの年棒トップ5選手の平均額、または前年の年棒の120%の額をオファーされた選手となり、他チームとの交渉は認められている。もとの所属チームは、その選手が受けたオファーと同じ条件を提示することで保有権を保持でき、拒否権を行使しない場合、相手チームからドラフト1位指名権2個を代償として受け取る。
■ チームは行使したフランチャイズまたはトランジションの指定を、取り下げることはできるか?
○チームはフランチャイズまたはトランジションの指定を取り下げることはできるが、その時点または契約が切れ次第、選手は無制限のFAとなる。チームはその後、新たなトランジション選手を指定することはできなくなるが、翌年には新たなフランチャイズ選手を指定することが可能となる。しかしチームはフランチャイズ選手の代わりとしては、いつでもトランジション選手を指定することができる。
■ チームのサラリーキャップはどのように決められるのか?また、サラリーキャップはいつでも有効となっているのか?
○サラリーキャップとは、各チームがある年に選手の年棒として使っていい金額の上限である。2004シーズンはその額が、“規定されたリーグの収入”の64.75%を32チームで割った金額と定められている。規定されたリーグの収入とは、プレシーズン、レギュラーシーズン、そしてポストシーズンのチケット収入、ラジオとテレビの放映権からなる。キャップは1年365日有効となる。3月3日からシーズン開幕の前日までは、チームの年棒上位51選手の年棒、全選手の契約金、成功報酬、その他がサラリーキャップに計上される。その後は、チームのロースターにいる全選手の報酬が、サラリーキャップに計上されることになる。2004年のサラリーキャップの上限は1チーム$80,582,000、下限は$67,337,000と定められている。 |