現在、ほとんどすべての注目が、イーライ・マニング本人と彼のスターター起用の可能性、そして彼がどのくらいNFLで通用しジャイアンツの戦績にどんな影響を与えるかに注がれている。だが、彼がスターターに入るか、ということさえ今は誰にもわからない。ひとつ言えることは、たとえ彼がスターターQBとしてフィールドに立ったとしても、相当な努力が必要になってくるということだ。それがルーキーとして、このNFLというリーグでプレーすることの最初の試練である。イーライの兄ペイトン・マニングのルーキーシーズンは、TD数よりもインターセプト数の方が上回った。同様にブレット・ファーヴについても、彼の3年目シーズンでは、TD数19に対してインターセプトは24だった。さらに、ドリュー・ブレッドソーもデビューから2シーズンで40TDを記録し、ドラフト時のライバルだったリック・マイヤーよりも結果は残したが、それでも42のインターセプトを受けてしまった。
メディアの注目がすべてイーライ・マニングに向けられている一方で、NFL全体を見渡せば、いくつものポジションで2004シーズンに飛躍を期待される選手がたくさん存在する。今年こそベンチを出て、スターターとしてプレーする時がきた。
NFLでは、攻守両面において相手の弱点に基づいたチーム戦術が組み立てられる。チームは相手の若くて経験のないスターター選手に注目を集め、いかなる弱点の可能性も見逃さない。彼らが有名な選手ではないという理由で、相手チームのスタッフが彼らについて研究しないということはない。私がジェッツに在籍していた頃について言えば、ちょうどミニキャンプの直後には、自分たちの地区の新しいスターター候補のリストを編集していた。大学時代の映像やレポートに目を通しつつ、6月1日までには新しい選手に関するスカウティング・リポートがコーディネーターの机の上に置かれていた。
今年の2004シーズンで、そのキャリアを大きく上昇させる新しい選手は誰か。出場時間が大幅に増加することが予定され、オフシーズンの注目を集めるのは誰か。QB陣では簡単に目星がつく。ジョシュ・マッカウン(アリゾナ)、レックス・グロスマン(シカゴ)は徹底的な調査が必要となってくるだろう。カーソン・パーマー(シンシナティ)、カイル・ボラー(ボルティモア)、そしてさらにはティム・ラテイ(サンフランシスコ)も注目の選手だろう。ラテイについて言えば、もし彼が厳しいケガを克服することができるのであれば、彼の資料はプロ、大学時代など、手に入るものなら何でも分析する必要があるだろう。しかし、それは別に彼をはじめQBだけに限ったことではない。
スターターとベンチの中間にいるOLの中で、必然的に早急に研究されるべきは、ニューイングランドのラス・ホチステンである。彼はダミアン・ウッディーがケガをした昨年、その穴埋めに成功を治めた。そして今年、ウッディーがデトロイトに去り、ホチステンの時代が到来しているのは明らかとなった。ペイトリオッツは高いドラフト指名順位でOGを獲得することもできた。だが、それをあえて見送ったことからも、ホチステンへの期待の高さがうかがえる。
冬の間に多くのベテランOLを解雇したマイアミでは、グレッグ・ジャーマンに白羽の矢が立てられている。彼はタックルとしてNFLの世界に入ってきたが、昨年1試合に先発した後は、ガードのスターターとしての方が堅実なチャンスを得ている。
サンディエゴのOLはとにかく謎である。その構成は、ニューヘヴン大学出身の2年目フィル・ボグルをはじめ、リーンダー・ジョーダンや右タックルのコートニー・ヴァンブレンが含まれる。ヴァンブレンは昨年7試合に先発した。この秋、相手DLコーチは、彼に対してスピードで挑むかパワーで挑むかの思案を重ねるだろう。ヴァンブレン自身も試合に出るだけでなく、さらなる飛躍を遂げなければ、こうした対戦相手の彼に対する弱点研究の前に屈することになるだろう。
ルーキーでは3人のOLが開幕戦にスターターとして出場することが濃厚である。それに伴い、各チームの勤勉なDLコーチは既に彼らの大学時代の映像などにかじりついていることだろう。ジャスティン・スマイリー(サンフランシスコ)、クリス・スニー(ジャイアンツ)そしてショーン・アンドリューズ(フィラデルフィア)がその3人である。だが、開幕までには彼らに対する各チームのDLの対応は確立されていることだろう。
この秋、NFLで初のスターター起用が予想される2人のLBが存在する。ジョー・オドム(シカゴ)、ゲイリー・ブラケット(インディアナポリス)は2004シーズン、自分たちのポジションを確立する重大なチャンスが訪れるだろう。オドムは昨年の10月に3試合に先発した。一方、ラトガー大出身の2年目ブラケットは昨年先発としては1試合も出場しなかった。もし相手のオフェンス・コーディネーターが昨年の両選手の全プレーを1つのビデオに編集したならば、その長所と短所に関する重要なヒントを得ることができるだろう。また、両選手とも埋めなければならない大きな穴を抱えている。オドムはウォリック・ホールドマン、そしてブラケットはマーカス・ワシントン。
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| LBジョー・オドムは今シーズン、ベアーズの先発となることが予想される |
穴埋めということで言えば、いまだ現役のプロボウラーであるボビー・テイラーとトロイ・ヴィンセントの穴埋めを期待されるイーグルスのCBリト・シェパードとシェルドン・ブラウンはどうだろう。イーグルスは数年前にこの移籍を実際に予期していたが、ついに事態は実際に目の前までやって来た。相手オフェンスコーチとWR陣は、この新しいスターターDBに関する長所と短所を早急に把握する必要があるだろう。
さらに、まったく同様の事がタンパベイに移籍したマリオ・エドワーズに代わるカウボーイズのCBピート・ハンターにも言える。ハンターは身長6フィート2インチ(約185cm)、体重212ポンド(約96kg)の3年目の選手で、2003シーズン最後の試合に先発し3タックルを記録した。コーチ陣は彼に期待してはいるが、今後の彼にはスターターとしての課題が突きつけられてくるだろう。スターターとなるという事は同時に、オフェンスが絶えず彼に攻撃してくることを意味するのである。
その他にも、インディアナポリスではジョセフ・ジェファーソンがFAの初期段階でチームを去ったデイヴィッド・マックリンの穴埋めができるかを見極めている。また、ブレント・アレクサンダーに代わるSトロイ・ポラマル(ピッツバーグ)やディオン・グラントに代わるトラヴァレス・ティルマン(カロライナ)も同様である。
相手QBにプレッシャーをかけること、それがサンディエゴがオーティス・レヴェレットに期待することである。また、バッファローも同じ事をライアン・デニーに期待する。今、彼らはさらに多くの機会でフィールドに立ち、相手QBにプレッシャーをかける事を要求されている。そのために、両選手は2つ目、3つ目のパスラッシュの動きを研究している。なぜならリーグ中のOL陣は既に彼らの最初の動きを封じ込める術を研究しているからである。さらにジャクソンヴィルでも、トニー・ブラッケンズ復帰の可能性はあるものの、今のところはポール・スパイサーがスターターとなる予定である。スパイサーは2002年に状況に応じての起用をされながら4つのサックを記録した。だが昨シーズンはそれほどの成績を上げられなかった。今年こそ本当の真価を問われる事になる。
2004シーズン、その他にもたくさんの無名選手が先発のポジションを獲得していることだろう。しかし今のところ各チームは、若い選手たちが今シーズンに大きな飛躍を遂げるという予測に沿って戦略を立ててくるだろう。そのため、私がジェッツに在籍していた頃の毎年5月に行っていたように、現在多くのチームが新しい選手たちに関するテープを編集し、レポートを書き、そしてそれをコーチたちに提出している事と思われる。いかなる選手も、誰にも気付かれずNFLのスタート・ラインアップに名前を連ねることはできない。
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