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| 12年ぶりにレッドスキンズのサイドラインに復帰する名将ジョー・ギブス |
NFC東地区はNFLの中でも最も古い伝統を誇っている。好きか嫌いかは別として…。今、この地区からスーパーボウル王者が1990年代中盤におけるカウボーイズの黄金時代以来誕生していない。だが、全米の注目を集める地区であることはいまだに変わっていない。
例えば、レッドスキンズは昨年5勝11敗という成績に終わりながらも、今年彼らの試合のうち3試合の中継がゴールデンタイムで組まれている。そして昨年プレーオフに出場したとはいえ、それ以前は3年連続で5勝11敗と不甲斐ない成績に終わっていたカウボーイズも今年4試合をゴールデンタイムで行う。
その事実はパンサーズと比較するとより如実に表れてくる。彼らは昨年スーパーボウルでペイトリオッツと激闘を繰り広げた。だが、視聴率が望めるゴールデンタイムでの試合はわずか2試合しかプログラムされていない。ペイトン・マニング率いるコルツの試合でさえカウボーイズが行う試合の全米露出度には及ばない。さらに、シーホークスのようなチームになると、昨シーズン10勝に加え400ポイント以上の得点を挙げ、プレーオフでもパッカーズをOTまで苦しめたにも関わらず、今年ゴールデンタイムで行う試合はたったの1試合である。
もうご理解頂けたと思うが、NFC東地区とはそれだけ世間の注目を集めるのである。今シーズン、特にこの地区で采配を振るう4人のヘッドコーチに注目して欲しい。
4人すべてのヘッドコーチはNFLで勝ち越しの成績を収めている。ジョー・ギブス、ビル・パーセルズ、アンディ・リード、そしてトム・コフリンは合計で391勝155敗1分というキャリア通算成績を誇る。また、プレーオフでも36勝20敗、スーパーボウルでも5勝2敗という驚異的な数字を残している。
1年前にパーセルズがカウボーイズのヘッドコーチに就任し、今年に入ってギブスとコフリンがそれぞれレッドスキンズ、ジャイアンツを引き継いだことでいよいよこの東地区に大激戦の熱が高まってきた。今から2、3年後、NFC東地区は激動の時代を迎えるだろう。
だが皮肉なことに、この地区で最も安定した強さを発揮しているのは最も若いヘッドコーチが率いるチームである。アンディ・リードは4人の中ではキャリア通算で最も少ない勝利数しかあげていないが、第39回スーパーボウル出場に関しては最も高い期待を集めている。イーグルスは今そのためのチーム強化に余念がない。3年連続でのNFC決勝敗退。リードと彼のスタッフはプロボウルで采配を振るうことには既に飽き飽きしているはずだ。もはや2月のジャクソンヴィル以外に彼らの視界に入るものはない。そんな勢力図の中、まさにパーセルズ、コフリン、ギブスはイーグルスのスーパーボウル出場に待ったをかけるべく招聘されたのである。今、NFC東地区の熱き戦いの火蓋は切って落とされた。
激動のNFC東地区、フィールドを彩る才能たちにもまた大きな動きがあった。クリントン・ポーティス、テレル・オーウェンス、ジェヴォン・カース、キーション・ジョンソン、マーク・ブルネルといった名前は数多くの新参者の一部にしかすぎない。また同様に、同一地区内でも競争心に火をつける多くの選手の移籍があった。LBカルロス・エモンス、マイク・バーロー、ダハニ・ジョーンズをはじめ、DTコーネリアス・グリフィン、WRジェームス・スラッシュ、CBラルフ・ブラウン以下多くの選手が元ライバルチームのユニフォームに袖を通す。
2004シーズン、巷の話題をさらっているNFC東地区にまつわる5つの疑問
1. レッドスキンズは、スティーヴ・スパリアー、マーティ・ショッテンハイマー、ノーヴ・ターナーのもと過去数シーズン期待を裏切り続けてきた。今年はプレシーズン中の大規模な動きに恥じない成績を残すことができるだろうか?
2. イーグルスは再びNFC決勝へと辿り着き、今年こそは違う結果を残すことができるだろうか?
3. ジャイアンツの再建計画は多くの人々が考えるほど時間がかかるものなのだろうか?そして何より、彼らが取り組んでいることは本当に再建なのか、それとも単なる選手の入れ替えなのか?
4. カウボーイズは明確な長期的構想を視野に置いている。2005年、彼らは本当に大きな飛躍を望んでいるのだろうか?
5. この地区のすべてのオーナーたちは勝利のためにお金を費やした。もしチームが序盤でつまづいてしまったとしたら何が起こるだろうか?
それでは、今シーズンに向けて準備をする各チームに今いったい何が起こっているか見ていこう。
<ダラス・カウボーイズ>
カウボーイズのオーナーであるジェリー・ジョーンズはパーセルズの1年目の成績にさぞ満足していることだろう。パーセルズはフットボールチームを一夜のうちに改革する天才である。彼は2002年5勝11敗に終わったチームを、2003年10勝6敗のプレーオフ出場チームへと変貌させてしまった。
2004年のカウボーイズはさらに充実したチームになるだろうが、成績までもさらに上向くとは考えがたい。私はスケジュールの難易度というものがNFLで戦う上で存在するとは一度も思ったことがない。すべての試合がチャレンジなのだ。下馬評で勝って当たり前といわれた試合が、終わってみれば大混戦になったというのも珍しくない。何人かの人々は、カウボーイズの2004シーズンのスケジュールは楽過ぎると不満を言う。果たしてそうだろうか。カウボーイズは昨年アウェイでの戦績を4勝4敗で終えた。彼らは今年ヴァイキングズ戦、パッカーズ戦、レイヴンズ戦、シーホークス戦、そして同一地区の強豪たちとの対戦を敵地で行う。それは簡単な試合にはならないはずだ。
忘れないでほしい。パンサーズと戦ったプレーオフでの敗戦を含め、カウボーイズはシーズン終盤を2勝4敗と下降線を描きながら締め括った。彼らはまたシーズン中に2度も完封試合で星を落とした(バッカニアーズ戦0対16、ペイトリオッツ戦0対12)。今年のトレーニングキャンプ開始直後、昨シーズンにスターターを務めたQBクィンシー・カーターを突然解雇。ドリュー・ヘンソンは2004シーズンには間に合わないだろうから、ヴィ二―・テスタヴァーディがスターターとなる可能性が高い。
ラン攻撃では今オフシーズンに解雇されたトロイ・ハンブリックの代役として、ルーキーRBジュリアス・ジョーンズに莫大なプレッシャーがかかってくる。オフェンス・コーディネーターであるモーリス・カーソンはRBの才能を発掘する優秀な目を持っている。数年前に彼はカーティス・マーティンの獲得をパーセルズに説得した経緯を持つ。1995年、ペイトリオッツのドラフト3巡指名ルーキーとして、マーティンは368キャリーで1487ヤード、14TDという素晴らしい数字を叩き出した。ハンブリックが昨年275キャリーで972ヤード獲得できたことを考えれば、ドラフト2巡指名のジョーンズならば300キャリーで1000ヤード以上獲得できるはずだ。
パスプレーについては、新加入のキーション・ジョンソンがターゲットとして素晴らしいパフォーマンスを披露してくれるだろう。パーセルズはキーションを大いに活用してくるだろう。それに伴い彼の成績も75レシーヴ、8TD近くは期待できる。さらにTEジェイソン・ウィッテンにも注目したい。彼は昨年、シーズン最後の6試合で23レシーヴをマークした。今シーズン、彼のレシーヴ数が50近くになると私は見ている。もしテスタヴァーディのプレー時間が増えれば、ウィッテンのボールに触れる機会も増えてくるはずだ。そしてWR陣でいえば、テリー・グレン、アントニオ・ブライアントのコンビも成熟してきた。パーセルズを単にランプレーとディフェンスの好きなヘッドコーチと見なすのは間違いである。パーセルズの指揮下、ドリュー・ブレッドソーは1シーズン600回以上のパスを投じたことがある。またカーターも昨年500回以上のパスを記録した。
ディフェンスはカウボーイズの誇りで魅力である。昨年、ディフェンス・コーディネーターであるマイク・ジマーは許したヤード数でNFL 1位の成績(1試合平均253.5ヤード)にチームを導いた。その他にもディフェンスは許したパスヤード数でもNFL
1位タイ(164ヤード)、許したランヤード数でもNFL 4位(89.3ヤード)という素晴らしい仕事をやってのけた。DEマーシラス・ワイリーの加入はパスラッシュで期待が膨らむ。彼は非常に優秀な選手であり、4
- 3 ディフェンスからチームが恐らく採用を考慮している3 - 4 ディフェンスへとスイッチする柔軟性をチームにもたらしてくれるはずだ。だが、このNFC東地区に所属するオフェンスのコーチたちはカウボーイズの3
- 4 ディフェンスに関する噂を信じていない。1人のコーチは言う。「私は彼らが3 - 4 ディフェンスをするのを逆にもっと見たいね。彼らの4 -3 ディフェンスに比べれば楽なはずさ。それに何よりカウボーイズのメンバーを見る限りじゃ3
- 4ディフェンスに適しているとは私には思えないよ。パーセルズは4 - 3 ディフェンスに固執することを避けようとしているだけなのかもしれない。だが、彼らの3
- 4 ディフェンスの噂が広まることで、対戦チームがそれに備え対策を練らなければならないのもまた事実である。」
もう1つ、カウボーイズについて絶対に触れなければいけない点がある。それはセカンダリーについて。ロイ・ウィリアウムス、ダレン・ウッドソンが形成するS陣は今やNFL最強コンビとの声もあがっている程だ。そして急成長中の新星CBテレンス・ニューマンがそれに続く。だが、唯一の懸念はもう1つのCBサイド、オフシーズンにチームを去ったマリオ・エドワーズの代役として今季から抜擢されるピート・ハンターのポジションである。ハンターはこれまでNFLで2試合の先発出場経験しかないが、今年彼のエリアは忙しくなることだろう。
最後に一言。カウボーイズは今、明らかに栄光の時代復活への途上にある。あと何年パーセルズがヘッドコーチとして在籍するかが、QBドリュー・ヘンソンがどれくらい早い時期に表舞台に登場するか、そしてRBジュリアス・ジョーンズがどれだけマーティンを彷彿とさせる活躍ができるかが鍵になってくるだろう。パーセルズは今年もそんなに多くの試合を落とすことはないだろう。時間をうまく使ってリードを守り、そして限られたチャンスをものにする。それこそが彼のチームが勝負強い理由である。そのためにパーセルズは昨年チームを厳しく統率した。そして今年もそれを繰り返す必要があるだろう。だが、私にはブライアントのような男がパーセルズの下で長い間精神的にタフでいられるか疑問である。昨年と同じ成績(10勝6敗)を残すのは少し難しいかもしれない。恐らくレッドスキンズから2勝もぎ取るのは今年は厳しいだろう。9勝7敗が妥当なところだろう。
<ニューヨーク・ジャイアンツ>
ジャイアンツは今、チーム再建の激動の中にある。これまでNFLでは多くのチームが様々なスタイルで再建を行ってきた。だが、今のジャイアンツの状況はそのどれにも当てはまらないものなのかもしれない。
契約問題もすべてがうまく進んだわけではなかった。マイケル・ストレイハン、アマニ・トゥーマー、ティキ・バーバー、そしてショーン・ウィリアムスの契約更新には成功したが、ケリー・コリンズは失敗した。ベテランQBがチームを去り、新しいQBを中心にチーム編成を行う。だがファンというのは、フロントやフィールドで何が起こっているかに関係なく、ただチームの勝利だけ期待しているものなのである。
人々はライオンズがチームを再建するために何年かかかってしまうことは容認するだろう。だが、ジャイアンツの場合は違う。人々はチーム再建には数ヶ月、若しくは1年あれば十分だと考えてしまう。ニューヨークの通りあちらこちらで2004シーズンのジャイアンツについて様々な議論が今なされている。
前を向く前にちょっと後ろを振り返ってみよう。昨年、勝つために成長が不可欠だった経験の浅いオフェンス陣に、重大なケガ人や計算ミスが発生した。そしてそれが昨シーズンのあの大不振の大きな要因となった。オフェンスの核であったTEジェレミー・ショッキーは昨年の最後7試合を欠場することになり、チームはその全試合で敗北を喫することとなった。ショッキーがプレーした序盤戦では、ジャイアンツは4勝4敗という成績を残していた。昨シーズン地区優勝を飾ったパッカーズやイーグルスの成績をみると、この時点での数字は4勝4敗、5勝3敗とジャイアンツとほぼ同じものだった。
そして、ここにジャイアンツのOL陣が2003シーズンへの準備ができていなかった証拠がある。昨年NFC東地区のライバルチームとの対戦6試合において、ジャイアンツの経験の浅いOL陣は合計で21のサックを許し、1勝5敗という成績に終わった。またRBティキ・バーバーはそのファンブル癖で−16というターンオーバー率の大きな要因を作り、さらに2敗したカウボーイズ戦では合わせて28キャリー88ヤードの獲得に終わった。開幕戦でラムズを破った試合がジャイアンツの2003シーズン唯一の地元勝利だったということはほとんどの人が知らないだろう。また、チームはその半分の試合でラン獲得100ヤードに到達せず、通常はケガに強いコリンズも最後3試合を欠場した。ジム・ファッセルとケリー・コリンズがチームを去ったことはあまりに大きな損失になるだろう。もはや変革は避けては通れない。
ジャイアンツには今、NFLのどのチームよりも多くの疑問が取り巻いている。
・ コフリンのスタイルはジャイアンツにフィットするか?
・ 練習でバーバーのファンブル癖は治るのか?
・ 3 - 4 ディフェンスの採用はチームに効果的な変化をもたらすか?
・ 12人の安値なフリーエージェント選手の獲得は、真の意味でチームを向上させ、質の高い選手層を形成することにつながるのか?
・ プロのディフェンス陣にとって、前線7人の選手のうち6人、そしてコーチを変更することがすぐに勝利に結びつくのか?
・ 昨年、深刻なケガで4人の先発選手のうち3人を失ったセカンダリー陣だったが、レベルの高いパス攻撃を封じ込めるほどの復活が期待できるのか?
・ 2003シーズン役に立たなかったOLは、経験豊富な選手の獲得ができなかった上にクリス・ボバーがチーフスへと去ってしまった中で改善が見られるだろうか?また、ドラフト2巡指名OGクリス・スニーの加入だけでランプレーを確立させ、カート・ワーナーあるいはイーライ・マニングを守ることができるのか?
私はコフリンのスタイルがジャイアンツでも機能すると信じているが、ジム・ファッセルのスタイルがチームに機能していなかったとも思わない。このサラリーキャップの時代においては、レベルの高い選手たちが彼らのヘッドコーチ、そしてその哲学を受け入れなければならない。そしてそれには時間がかかる。
NFLの多くのチームが3 - 4 ディフェンスを1つのオプションとして採用している。その流れがジャイアンツのディフェンス陣にもわずかながら影響を与えていることは例に漏れない。質の高い安値のベテラン選手を獲得したことは選手層を強化し、シーズン終盤の12月には良い効果をもたらすだろう。だが、ディフェンスの人事全体についていえば、確かにカルロス・エモンスとバレット・グリーンの獲得には成功したが、MLBやDLというポジションの補強を今すぐ評価するのは非常に難しいことである。セカンダリーについていえば、非常に評価は上がってきている。ほとんどのレポートは、CBウィル・アレン、ウィル・ピーターソンのプレーのレベルがケガをする前に戻ってきていると告げている。
OL陣はといえば、シーズンに向けていまだに大きな疑問が残る。コフリンがどれだけチームのOLに満足しているかは、マニングがどれだけ早い段階でフィールドに登場するかで判断できるだろう。OLの安定なくして、ジャイアンツの未来のスター選手が敵の標的になり、ケガをするのは間違いない。
最後に一言。イーグルスは過去3年間よりも良い仕上がりを見せ、スーパーボウル進出最有力候補になっている。さらにレッドスキンズも大きな変革を遂げる段階にあり、カウボーイズもまた2年連続の地区制覇に向け充実したオフシーズンを送っている。繰り返すが、今はまだジャイアンツにとってチーム再建の段階である。我慢と現実を見つめ直す時である。今シーズン、ジャイアンツはチームとして2歩後退するかもしれないが、2006年までに今より10歩前進していることだろう。
<フィラデルフィア・イーグルス>
イーグルスはさらに上を目指すため、今オフシーズンに積極的な動きを見せた。過去数年間、プロボウルでテレル・オーウェンスの指導を務めたイーグルスのコーチ陣は次のように話したという。「なぜ彼をシーズンを通して指導しないのか?そうすればもうハワイで彼に教える必要はなくなるのに。」そして、これまで本当の意味でヒュー・ダグラスの穴埋めに失敗していたユニットにジェヴォン・カースを迎え、さらにデュース・ステイリー、トロイ・ヴィンセント、ボビー・テイラーをチームの構想から外すという重大な決断を下した今、爆発的な走力と強肩でNFL屈指のQBへ成長したドノヴァン・マクナブをチームの大黒柱に、イーグルスは万全の体制で開幕を迎える。
昨年、イーグルスはアウェイでの対戦成績を7勝1敗としNFC最高の数字を残した。また、NFC東地区の他のチームよりもトータルで90ポイント以上の得点をマークした。そして何より特筆すべき重要な点としては、コーチングスタッフを維持することに素晴らしい仕事を行ったことだろう。ディフェンスのジム・ジョンソン、オフェンスのブラッド・チルドレスの慰留に成功したことは、チームに2003年以上の成績を残す大きなチャンスをもたらすはずだ。
今年、TEのL J・スミスには大ブレイクの予感がある。アウトサイドにオーウェンスが存在することで相手チームがスミスへのカヴァーに割ける人員は恐らく1人になるはずだ。私はスミスが昨年の27レシーヴから大きく飛躍し50近いレシーヴ数を記録するのではと考えている。3対14と敗れたパンサーズとのNFC決勝、イーグルスは大一番の試合で何が必要なのかを身をもって経験をした。それは、スクリメージライン上の勝負でもたくましさを発揮するオーウェンスのようなWR、つまりビッグプレーメーカーの存在である。
ディフェンスに関しては、イーグルスはいまだに「ファイア・ゾーン」戦術を好んでいる。彼らは相手の司令塔にプレッシャーを与えるのに十分なアスリートと選手層を抱えている。だが、勝つためにはランプレーに対しても効果的な仕事をしなければならない。昨年、イーグルスは最後の4試合で129点を奪った。この1試合平均32得点という数字はディフェンスをかなり楽にさせた。だが、オフェンスが昨年のパンサーズ戦のような苦戦を強いられる時、今度はディフェンスがスティーヴン・デーヴィスのようなランナーたちを止めなければならなくなるだろう。
その点で今シーズンは新加入のジェヴォン・カースに期待が集まってくる。彼はNFL屈指のパスラッシャーとして有名であるが、古巣タイタンズの関係者によればランディフェンスにおいてもカースは優秀な選手であると評判は上々だ。もしそれが真実ならば、イーグルスはライバルチームにとってさらに手強い相手となるだろう。
最後に一言。昨年、イーグルスは最初の2試合を落としたがそこでパニックを起こさなかった。今年、イーグルスに集まる期待はかつてない程までに膨れ上がっている。そんな状況の中、今年も昨年のようにスタートで出遅れれば今度こそ誰かのパニックボタンにスイッチを入れてしまうことになりかねない。だが、私はそうなってもリードが上手くチームを導くと思っている。イーグルスの開幕4戦の相手は、ジャイアンツ、ヴァイキングズイ、ライオンズ、そしてベアーズ。イーグルスの開幕ダッシュへの道は開かれている。もう振り返る必要はない。
<ワシントン・レッドスキンズ>
かつて栄光を誇ったチームが最近5年間、衰退の一途にある。高い経歴を持つ多くのヘッドコーチ、数々のNFLを代表するフリーエージェント選手の獲得、そしてスーパーボウル制覇に情熱を注ぐ若くアグレッシヴなオーナーを抱えながら…。ダン・スナイダーは好きなところであればどこにでもお金を置いていく。だからといって、彼を批判することはできない。
1999年の10勝の後、2000年は8勝、その後2001年8勝、2002年7勝、そして2003年5勝。この成績の下降が、ついに殿堂入りの名将ジョー・ギブスを再び首都ワシントンへと招聘する事態を呼んだ。この人事もまたスナイダー得意のプレシーズン中の誇大広告なのか。だが今回の彼の選択は正しかったと私は思っている。ギブスがかつて築き上げたチームを彼が再び立て直す。このストーリーを完成させるために、彼の仕事が終わるまでは誰も邪魔をしてはいけない。
レッドスキンズはブロンコズとのトレードによってポーティスを獲得した。ポーティスはすぐにでもNFC東地区最強のRBとして活躍するだろう。ギブスは昨年のRB陣が合計して獲得したヤード数以上の成績をポーティスから引き出すことだろう。また同様に、新加入のQBマーク・ブルネルもオフェンスを安定させ、短期的に見ればチームを勝者へと変貌させる力を持っている。一方、パトリック・ラムジーは先発QB復帰へ向け虎視眈々と機を窺っている。ラムジーが復帰する時、彼の後方にはポーティスが構え、ギブスが彼を導き、そして成熟したパスプロテクションが彼を守ってくれることだろう。「遅かれ早かれラムジーはNFLのスター選手になる。」ある人事ディレクターはラムジーについてこのように言及する。
ギブスが率いるレッドスキンズのパス攻撃は、複数のTE、深いWRルート、そして優れたプレーアクションやブーツレッグに特徴づけられてくるはずだ。レッドスキンズは昨シーズン、NFC東地区内を1勝5敗、アウェイで2勝6敗、ホームで3勝5敗という惨々な成績に終わった。だが、NFLでのキャリアが合計で240年を誇るギブスとそのベテランのコーチングスタッフはそんな数字は絶対に残さないだろう。
ディフェンスは過去5年間で5人目のコーディネーターを今年迎えた。すべての交代劇に遭遇してきた選手にとっては、それはとても混乱とストレスを生じさせるものだろう。だが、昨年レッドゾーンでのディフェンスでNFL
29位、ターンオーバーの数でも上位半分にランクインせず、さらに通算で372ポイントもの失点を許し第3ダウンのディフェンスでもNFL 24位に終わったディフェンスを変えないわけがない。
ショーン・スプリングスがケガなくシーズンを過ごせればCB陣は安泰だろう。ラヴァー・アーリントン、マーカス・ワシントン、マイク・バーローで構成するLB陣も豪華な布陣である。特にアーリントンとワシントンのパスラッシュは破壊力抜群だ。2004シーズン、2人で合計18から20サックをマークする可能性は高い。しかしながら他のNFC東地区チームのオフェンスコーチたちは、今季からグリフィンが加入したものの、レッドスキンズのDL陣は比較的脆弱と見なしている。彼らは昨シーズン、平均以下と言われたジャイアンツOL陣のリードにも関わらずティキ・バーバーに合計で44キャリー、225ヤードを許してしまった。
また、昨オフシーズン、レッドスキンズはジェッツに猛襲し、彼らからWRラヴァーニアス・コールズ、Kジョン・ホール、RB/KRチャド・モートン、そしてOGランディ・トーマスを一気に奪い去った。そして今オフシーズン、レッドスキンズはまたしてもニューヨークを襲撃し、今度はジャイアンツからDTコーネリアス・グリフィン、LBマイク・バーロー、そしてCBラルフ・ブラウンを獲得した。
最後に一言。プレシーズン中の予想など当てにならないと言われる。だが、レッドスキンズはワイルドカード候補として、カウボーイズ、パッカーズ、ヴァイキングズ、そしてシーホークスと並び評価を集めている。私はレッドスキンズが序盤で少々つまづきを見せると思っている。だがすべてが上手くいけば、彼らは12月に優勝争いをしているだろう。ギブスがさらにもう1年采配を振るうことがあれば、彼らに栄光の時代が再び訪れるかもしれない。 |