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今週のプレイヤー、コーチトピックス


QBの世代交代担う『00年組』
 
 開幕後の泥沼の5連敗に沈んだ昨年度NFC王者セントルイス・ラムズを急遽率い、チームを破竹の5連勝に導いたQBマーク・バルジャー。昨季まで公式戦で一度もパスを投じたことのなかった新星の登場で、一時は絶望とさえ思われた今季のプレイオフ進出の可能性も辛うじてつなぎ止められている。
 2000年のドラフト6巡でセインツにドラフト指名を受けたバルジャー。しかし開幕前に解雇され、プロ1年目は練習生としてラムズに2週間、ファルコンズに1週間所属したのみ。シーズン終了直後、ラムズに呼び戻され、正式に契約を結んだ。すると、01年プレシーズンの活躍でベテランのポール・ジャスティンを追いやり、控えQBとしての地位を確立。今季も第5週まではまったく出番がなかったが、エースQBカート・ワーナー、2番手ジェイミー・マーティンと相次ぐ負傷で第6週、プロ公式戦初出場を先発で飾る。
 その後の活躍は知っての通り。その試合で当時リーグ唯一の全勝チームだったレイダースを破ってチームを今季初勝利に導くや、そのまま負け知らずの好調ぶりである。
 バルジャーがプロ入りした00年ドラフトは、カウチ(ブラウンズ)、マクナブ(イーグルス)、アキーリ・スミス(ベンガルズ)、カルペッパー(ヴァイキングス)、マクナウン(ベアーズ、現49ers)と1巡目だけで5人ものQBが指名され『QB豊作』と謳われた99年ドラフトに比べ、大物QBがおらず、不作と言われた年。案の定、1巡で指名を受けたのはチャド・ペニントン(ジェッツ)ただ一人だった。
 しかし、今季はふたを開けてみれば、バルジャー、ペニントンをはじめ『不作』のドラフトでプロ入りした選手が目覚ましい活躍を見せている。その出世頭と言えば、言うまでもなく昨年度スーパーボウルMVPのトム・ブレイディ(ペイトリオッツ)だろう。そのブレイディとバルジャー、ペニントンが揃って今季のNFLパス成績上位10傑(第11週終了時点)に名を連ねている。その他の顔触れと言えば、98年ドラフト1巡のマニング(コルツ)を除けば皆30代のベテラン選手。『豊作』の99年組の選手の名前は一人も見あたらない。
 他にも、ケガで戦線離脱したものの、スターターとして今季開幕を迎えたクリス・レッドマン(レイヴァンズ)もバルジャーらと同期生。ドラフト外でファルコンズ入りしたダグ・ジョンソンも、貴重な2番手QBとして今季も1試合に先発出場を果たしている。彼ら00年ドラフト組の今季の先発試合成績は18勝10敗。個人成績だけでなく、チームにも好成績をもたらしているのは実力の高さの証明だ。
 残念なことに、バルジャーは第11週ペイトリオッツ戦で右人差し指を負傷。ケガが癒えたエースQBカート・ワーナーが戦線復帰することになり、今季残り試合で出番があるかどうかは微妙な情勢だ。もしこのまま試合出場がなければ、バルジャーはパス成績ランキングから姿を消すことになってしまうが、少なくとも彼ら00年ドラフト組が、前評判を覆して新時代NFLのQB世代交代の主役となることは間違いない。
 
●今季パス成績10傑(第11週終了時点)とプロ入り年度
 
  選手名 所属 レイティング NFL入り年度・ドラフト順位
1 マーク・バルジャー ラムズ 106.0 00年・6巡
2 チャド・ペニントン ジェッツ 99.8 00年・1巡
3 リッチ・ギャノン レイダース 99.3 87年・4巡
4 ブレット・ファーヴ パッカーズ 96.9 91年・2巡
5 ドリュー・ブレッドソー ビルズ 94.7 93年・1巡
6 ペイトン・マニング コルツ 93.5 98年・1巡
7 ジェフ・ガルシア 49ers 91.1 99年・FA
8 トム・ブレイディ ペイトリオッツ 91.1 00年・6巡
9 トミー・マドックス スティーラーズ 91.0 92年・1巡
10 トレント・グリーン チーフス 90.2 93年・8巡
 
●『00年ドラフト組』QBの今季成績(第11週終了時点)
 
順位 指名球団 選手名 出身校 現所属 2002年度成績
1 18 ジェッツ チャド・ペニントン マーシャル大 ジェッツ パス221回中157回成功 1745ヤード 10TD 5INT レイティング99.8
3 65 49ers ジオヴァンニ・カマージ ホフストラ大 02年開幕前に解雇
3 75 レイヴァンズ クリス・レッドマン ルイヴィル大 レイヴァンズ パス182回中97回成功 1034ヤード 7TD 3INT レイティング76.1
5 163 スティーラーズ ティー・マーティン テネシー大 02年開幕前に解雇
6 168 セインツ マーク・バルジャー ウェストヴァージニア大 ラムズ パス173回中113回成功 1496ヤード 12TD 4INT レイティング106.0
6 183 ブラウンズ スパージョン・ウィン 南西テキサス州立大 02年開幕前に解雇(Minより)
6 199 ペイトリオッツ トム・ブレイディ ミシガン大 ペイトリオッツ パス400回中261回成功 2644ヤード 21TD 10INT レイティング91.1
6 202 レッドスキンズ トッド・ヒューサック スタンフォード大 ジェッツ 出場なし
6 205 チャージャーズ ジャワン・サイダー フロリダ農工大 00年開幕前に解雇
7 212 49ers ティム・ラテイ ルイジアナ工科大 49ers パス10回中5回成功 41ヤード 0TD 0INT レイティング60.8
7 214 ブロンコス ジャリアス・ジャクソン ノートルダム大 ブロンコス 出場なし
7 234 バッカニアーズ ジョー・ハミルトン ジョージア工科大 バッカニアーズ 負傷者リザーブ入り
    トラヴィス・ブラウン 北アリゾナ大 ビルズ 出場なし
    ダグ・ジョンソン フロリダ大 ファルコンズ パス56回中36回成功 443ヤード 1TD 3INT レイティング72.2
    ビリー・ヴォレック フレズノ州立大 タイタンズ 出場なし
    クリント・ストーナー アーカンソー大 カウボーイズ 出場なし
 
[2002年11月21日]

フィラデルフィア− 『兄弟愛の町』
 
 7勝3敗でNFC東部地区首位に立つフィラデルフィア・イーグルス。しかし第11週カーディナルズ戦でエースQBドノヴァン・マクナブが足首骨折の重傷を負い、少なくともレギュラーシーズンの出場が困難となり一転、窮地に陥っている。QBの選手層を維持するため、今週に入りイーグルスは急遽、ティム・ハッセルベックと契約した。
 ハッセルベックは今季開幕直前までイーグルスに所属。プレシーズン4試合でパス成功率71.9%、1TDの成績を残している。イーグルスから放出された後、パンサーズに一時所属したが、間もなく解雇されていた。
 このハッセルベック、その名の通り、現シーホークスの先発QBマット・ハッセルベックの実弟。大学も兄と同じボストンカレッジに通い、01年にドラフト外でビルズと契約し、プロ入りした。ちなみにハッセルベック家はフットボール一家で、父ドンも77〜85年の9シーズン、ペイトリオッツ、レイダース、ヴァイキングス、ジャイアンツと渡り歩きプレイしたTE。マットとティムの弟にあたるネサネイル・ハッセルベックは現在ボストンカレッジ1年生でCBとしてプレイしている。
 兄弟プレイヤー好きというわけでもないだろうが、マクナブに代わって次週よりイーグルスの先発QBを務めるとみられているコイ・デトマーも、ライオンズに兄タイが所属する兄弟プレイヤーだ。
 今季のNFLでは、NFC南部地区でしのぎを削るアーロン・ブルックス(セインツ)とマイケル・ヴィック(ファルコンズ)の『従兄弟QB対決』が話題となっているが、ハッセルベック兄弟も将来、夢の兄弟QB対決をNFLの舞台で演じることができるだろうか。
[2002年11月21日]

キッカー受難の年 コルテスの未来は?
 
 すでに4チームで何らかの理由から正キッカー交代がシーズン中に行われ、パンターも含めれば6チームでその顔触れが入れ替わった今シーズン。今週も、スティーラーズが今季21回のFGトライのうち9度失敗しているトッド・ピーターソンが負傷者リザーブ入りさせ、新たにフリーエージェントのジェフ・リードと契約、5チーム目のキッカー交代となった。
 そして、間もなくもう一つのチームがキッカー交代を行うかもしれない。第11週チャージャーズ戦、延長でのサヨナラFGを外し、最大の敗因となったホゼ・コルテスが所属するサンフランシスコ49ersである。
 コルテスは昨季も終盤不調にあえぎ、リーグ最多の4FGブロックを喫し、今オフのチームの補強ポイントの一つだった。49ersはドラフト4巡でフロリダ大のジェフ・チャンドラーを指名、コルテスに代わる次期キッカー候補として期待を寄せた。
 が、今プレシーズンのコルテスは絶好調。若さゆえの不安定さを露呈させたチャンドラーを押しのけ、今季も正キッカーの座を維持した。しかし49ersはドラフト4巡という高順位を費やしたチャンドラーを諦めきれず、両選手とも53人の選手登録枠に残す異例のシーズンとなった。
 シーズンが開けてみると、コルテスの好調はどこへやら、第11週終了時点で24回のトライ中8度の失敗。さらに印象が悪いのは、チャージャーズ戦で『サヨナラFG失敗』は2度目ということだ。2週前のレイダース戦でもコルテスは第4Q終了間際の27ヤードの簡単なFGを失敗、みすみすチームの勝利のチャンスを台なしにするところだった。このゲームは延長でもう一度チャンスが与えられ、何とかサヨナラFGを決めたものの、今回のチャージャーズ戦では2度目はなく、49ersは痛い3敗目を喫する結果となった。
 49ers首脳陣は新たにキッカーと契約を結ぶ可能性を否定したが、新人チャンドラーにチャンスを与える可能性は大いにある。スペシャルチームもフットボールで勝つための重要な要素の一つ。悲願の地区タイトル奪還へ、49ersは岐路に立たされている。
[2002年11月21日]

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