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2月28日に解禁を控えたNFLのフリーエージェント(FA)市場。この日を過ぎると、FA資格を持つ選手はNFLのどのチームとも自由に交渉を行い、契約する権利を得る。では、どうすればこのFA資格を得ることができるのか。
厳密に言えば、現在のNFLチームとの契約が失効した時点で、選手は皆FAとなる。ただし、NFLでのプレイ経験の短い選手には、(現所属チームが規定の契約提示を行った場合)移籍に様々な制約が設けられている。たとえばNFL経験が2年以下の選手の場合、契約が切れても再契約権は独占的に現所属チームが有する=移籍できない。また、NFL経験3年の選手は「制限付きFA」と言い、現所属チームに移籍の拒否権があるとともに、移籍した場合は規定に従って移籍先のチームより補償のドラフト権を譲渡される。NFL経験が4年以上であれば「無制限FA」。これが俗にフリーエージェントと呼ばれる、自由な移籍を許された選手たちである。
FA解禁目前の2月下旬、このFA規定をめぐって議論が起こった。サンフランシスコ49ersのWRタイ・ストリーツのFA資格に関するものである。
昨季、チーム2位のパスレシーブ72回、756ヤード(5TD)を獲得し、テレル・オーウェンズに次ぐチーム2番手のWRの座を奪取したストリーツ。99年のドラフト6巡で49ersから指名を受けプロ入りしたストリーツは、プロ4年目のシーズンを終えたばかり。49ersとは2004年シーズンまでの5年契約を結んでいたが、契約条項にある条件をクリアしたために残り2年が破棄され、FAとなった。
NFL経験4年のFA、となれば、先の分類分けにしたがえば、「無制限FA」。4月に26歳の誕生日を迎えるストリーツはまだまだ若く、これから伸びる可能性を秘めた選手であり、NFLの多くのチームが獲得へ触手を伸ばすものとみられていた。
しかしここにきて、NFLは次のような裁定を下した。「タイ・ストリーツは『無制限FA』ではなく、『制限付きFA』である」と。これはいったい、なぜなのだろうか。
俗に言われる「NFL●年目」と呼ばれるものと、NFLでのFA資格を規定する「NFL経験●年」は、実はイコールではない。FA資格を規定する上で計算される「NFL経験年」とは、「6試合以上、チームに登録されていた年」のことなのだ。ただし、チームに登録されているというのは、出場選手登録されている場合のみとは限らない。ケガのため負傷者リザーブに登録されている場合も、試合数はカウントされる。
ただ、今回のストリーツの場合、NFLドラフト直前の99年春にフットボールとは関係のない場でアキレス腱断裂の重傷を負い、新人のシーズンの大半を棒に振っている。こうしたケースでは、選手は「プレイ不可能リザーブ」という、通常の負傷者リザーブとは別のリストに登録されることとなる。この「プレイ不可能リザーブ」リストに登録されていた試合数は、実はこの「NFL経験年」に必要な試合数にカウントされないのだ。よって、ストリーツがわずか2試合にしか出場できなかった99年は、彼のNFL経験年数には数えられず、ストリーツのNFL経験は3年、イコール彼のFA資格は制限付きのもの、という判断となったのである。
ストリーツ側の言い分は、彼は5年契約を全うした(5年契約の残り2年を破棄する条件をクリアした)のであり、NFL経験4年と認められてしかるべき、というもの。事実、49ers側もそう考えていたようだが、念のためリーグにお伺いをたてた結果、今回の裁定を受けることができた。
この裁定は、49ersのオフシーズン戦略にとって非常に意味深い。制限付きFA選手であれば、他チームと競合することなく、一定の契約提示を行うだけで移籍拒否権を持つことができる。規定の提示額は、通常ストリーツ級のWRがFA市場で手にできる金額の1/3以下であり、それだけでもかなりの経費節減となるのだ。
ストリーツ側はリーグの裁定に異議申し立てを行う意向だが、間もなくFA解禁となる今となっては、移籍を果たせる可能性は非常に低くなってしまった。
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