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ジェイク・プラマー(前カーディナルズ)のデンヴァー・ブロンコス入団など、2003年シーズンもチームの看板であるQBの勢力図に大きな変動が見られている。中でも、最もQBのポジションの顔触れが様変わりしそうなのがAFC北部地区である。
昨季開幕時点での同地区の先発QBの顔触れは、以下の通り。
ボルティモア・レイヴァンズ ……クリス・レッドマン
シンシナティ・ベンガルズ ……ガス・ファーロット
クリーヴランド・ブラウンズ ……ケリー・ホルコム
ピッツバーグ・スティーラーズ……コーデル・ステュワート
レイヴァンズは前年にFAで獲得したエルヴィス・ガーバックをわずか1年で解雇、プロ3年目の若いレッドマンをスターターに大抜擢した。昨オフにブロンコスから加入したファーロットはプレシーズンでジョン・キトナとのポジション争いに勝ち、開幕先発の座を手にした。ブラウンズは同じくプレシーズンでエースQBティム・カウチが負傷、2試合戦線離脱の間を2番手のホルコムが埋めた。前年の先発QBのうち、昨シーズンもスターターとして開幕を迎えたのはステュワート一人だけであった。
シーズン開幕後も、この地区のQBの顔触れはまったく安定する気配を見せなかった。まず開幕3戦目で本来のスターターであるブラウンズのカウチが復帰。しかし、代役出場の2試合で524ヤード、5TD(インターセプトなし)と爆発的なパフォーマンスを見せたホルコムに比べ、そのパフォーマンスは概ね低空飛行を続け、地元ファンからブーイングを浴びることさえあった。
続いてファーロットがわずか3試合の先発の後にポジションを失った。ベンガルズのQB起用策はこの後も迷走を続け、第4週には99年ドラフト1巡指名のアキーリ・スミスを仰天大抜擢。しかしパス成功率わずか36.4%の惨状に、翌週にはキトナを先発の座に戻すこととなった。
立場が最も安泰と思われていたスティーラーズのステュワートも、開幕から3試合でTD3個に対しインターセプト5個と乱調。チームも1勝2敗と開幕ダッシュに失敗し、4戦目からアリーナフットボール、XFLを経てNFLに舞い戻ったトミー・マドックスにスターターの座を献上することとなる。
そうした中で、前年までNFLでのプレイ経験がほとんど皆無だったレッドマンは健闘。開幕から6試合の先発出場でチームの戦績は3勝3敗。サラリーキャップの制約から2000年度スーパーボウル制覇時の主力を大幅に放出せざるを得なかったチーム事情を考えても、これは上出来だった。しかし、腰痛のため、レッドマンは第7戦から戦線離脱、その後一度もフィールドに立たないままシーズンを終えてしまい、プロ11年目のジェフ・ブレイクが後を引き継いだ。
まさに混沌という表現がぴったりくる昨季のAFC北部地区のQB模様だったが、このオフも、その傾向は続いているようだ。まず最も注目を浴びたのが、97年シーズンから正式にスティーラーズの正QBの座に就き、2度にわたりチームをAFC決勝まで導いた実績のあるステュワートの解雇である。ステュワートからポジションを奪い、安定したプレイを見せたマドックスが、今季もスティーラーズのスターターとして開幕を迎えることとなる。一方FAとなったステュワートには、QB難のシカゴ・ベアーズなど数チームが獲得の意志を明らかにしている。
レイヴァンズは、ブレイクの昨季後半戦での堅実なプレイぶりを評価し、再契約を目指す方針を固め、実際に条件提示も行っていた。しかしチーム側とブレイクの交渉は決裂、FA権を有するブレイクが他チームとの交渉を始めると、レイヴァンズはすでに行っていた契約提示を取り下げ、ブレイクとの再契約を事実上諦めた格好だ。ここに至って、レイヴァンズはステュワート獲得合戦に参戦。ケガからの復帰を期すブレイクと、先発QBのポジションを争わせたい意向だ。
カウチ、ホルコムの両QBが今季も契約下にあるブラウンズも、それ故の悩みがある。昨季プレイオフ1回戦で、再度負傷欠場にカウチに代わって出場したホルコムは、最終的にスティーラーズに逆転負けを喫するものの、パス429ヤード、3TD(1インターセプト)の堂々たるパフォーマンス。スターターを十分務められるだけの実力を改めて示した。先発の座が危うくなった2000年のドラフトいの一番指名選手カウチは、ヘッドコーチのブッチ・デイヴィスの自らの地位の確約を求めたものの、デイヴィスはその期待に応えず、サマーキャンプで壮絶なポジション争いが予想されている。先発交替の可能性も低くない。
最後に、昨季2勝14敗とリーグ最低勝率に沈んだベンガルズ。4月のドラフト最初の指名権を有しており、昨シーズンの大学界最優秀選手、QBカーソン・パーマー(南カリフォルニア大)の指名が有力視されている。しかし、マーヴィン・ルイスを新指揮官に迎えたベンガルズは、QB以外にも弱点を多く抱えており、できればこの指名権をトレードに出して複数のポジションを強化したい、というのが本音のところ。すんなりパーマー指名に踏み切るのか、依然予断を許さないが、もし指名をした場合は、開幕先発起用はなくとも、早期のスターター昇格は十分あり得る。
2003年シーズンも昨季のスターターがそのまま先発QBとして開幕を迎えることが確実なのは、またもスティーラーズのみ。AFC北部地区のQB模様は、今後も流動性を保ちそうだ。
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