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今週のプレイヤー、コーチトピックス


アトランタのファンの熱狂ヒートアップ中
 
昨シーズン大ブレイクでチームをプレイオフまで導き、今年更なる活躍が期待されるファルコンズQBマイケル・ヴィック
 怪物QBマイケル・ヴィックの台頭とともに昨季上昇機運に乗ったアトランタ・ファルコンズ。9勝6敗(1分)の好成績でプレイオフ進出を果たしたばかりか、1回戦の敵地でのグリーンベイ・パッカーズ戦では史上初めて、ランボー・フィールドでプレイオフ勝利を収めたビジターチームとなった。プレイオフ2回戦では強豪フィラデルフィア・イーグルス相手に完敗したものの、2003年のさらなる躍進に期待をもたせるシーズンとなった。
 その期待は今オフシーズン、さらに高まっている。昨年、最大のチームの弱点と言われたのはヴィックのパスターゲットとなるWRの人材不足だった。そのWRのポジションで、まずバッファロー・ビルズの1000ヤードレシーバー、ピアレス・プライスをドラフト1巡指名権と交換で獲得。つづいてフリーエージェント権を得ていたアリゾナ・カーディナルズの主力WRマーテイ・ジェンキンズとも1年契約を結び、昨季のエースレシーバーであるブライアン・フィナランとともに、強力なWRトリオを形成できそうだ。
 となると、強力なターゲットを得たヴィックのパスがさらに威力を増すだけでなく、ディフェンスがパスに気を取られることで、ヴィックのもう一つの持ち味と言えるバツグンの走力も生きてくるのだ。激戦が予想されるNFC南部地区で、前年度王者タンパベイ・バッカニアーズを王座から引きずりおろすための準備は整いつつある。
 こうしたチームの意気込みは、当然ファンにも伝わる。6万席を越える今シーズンのホームゲーム8試合の年間チケットが完売し、1万5000人ものファンが、チケットの空き待ちのリストに名を連ねることになったのだ。こんなことは、ファルコンズの38年間のチーム史上、初めてのことである。これでファルコンズのホームゲームの単ゲームチケットの数は1試合あたり数千枚に激減し、まさにプラチナチケットの様相だ。
 ファルコンズはもともと、低迷が長かったこともあり、スタジアムがなかなか満員にならないチームだった。シーズンチケットの売り上げは限られ、毎試合3万席ほどの単ゲームチケットが売りに出されていた。99年から2001年までの3シーズンで、チケットが完売したのはわずかに2回。99年度シーズンにファルコンズがスーパーボウル出場を果たしていることを考えると、この数字は驚くべきものだ。
 NFLでは、チケットが完売しないということは、地元でテレビ中継が行われないことも意味する。人気の面で、ファルコンズの立場は厳しかった。
 そのファルコンズが、昨季すべてのホームゲームでチケットを完売させた。チーム史上初とも言える超スーパースター、ヴィックの台頭と、チームの躍進が追い風になった。
 そして、今シーズンのシーズンチケット完売である。アトランタのフットボール・シーンが最大の転機を迎えたと言えるかもしれない。そしてこれまでなかったほどのファンの大声援を受け、狙うはもちろん、打倒バッカニアーズとスーパーボウル初優勝だ。
[2003年7月10日]

ヴァイキングス、エースRB今季絶望?
 
戦列復帰の長期化が懸念されるヴァイキングスRBマイケル・ベネット
 エースQBダンテ・カルペッパーと長期の契約延長にこぎ着け、怪物WRランディ・モスも健在。昨季リーグ2位の好成績を残したミネソタ・ヴァイキングスのオフェンスは、さらに爆発的なパフォーマンスを見せるものと期待されていた。
 ただし、ここにきて昨季リーグ1位の1試合平均156.7ヤードを叩き出したラン攻撃に暗雲が立ちこめてきた。夏のトレーニングキャンプ開幕を約2週間後に控えた今、1296ヤードを走って急台頭を見せたエースRBマイケル・ベネットのコンディションが思わしくないのだ。
 ベネットはオフシーズン早々の自主トレーニング中に左脚に違和感を訴え、検査の結果、疲労骨折している箇所が見つかった。このケガの治療として、去る3月28日に手術を受けたベネット。完全に回復するまでのリハビリ期間は6週間程度と見られていた。
 しかし、7月になってもベネットの脚の痛みはひかず、現地9日の水曜日にこの分野の権威ロバート・アンダーソン医師の検査を受けることとなった。検査の結果は、負傷箇所の回復が予想していたよりも遅れている、というものだった。痛みはケガが回復のうえでの自然現象だと思っていたベネットやヴァイキングスは、この報にかなり衝撃を受けているようだ。
 アンダーソン医師は再手術ではなく、手術によらない治療で回復させる方法を勧めている。しかし、ベネットに昨年同様の活躍を期待していたヴァイキングスにとっては、このリハビリの遅れは大きな懸念材料となってきている。
 すでにキャンプ開幕には戦線復帰が間に合わないことは確実だったベネットだが、あるチーム情報筋によれば、戦線離脱はレギュラーシーズンの開幕以降まで持ち越される可能性が高く、最悪の場合、今シーズンを棒に振ることも考えられる、とのことだ。
 2001年にドラフト1巡で指名を受け、ウィスコンシン大からヴァイキングス入りしたベネット。陸上短距離の米国オリンピック予選に招待を受けたことがあるほどの俊足の持ち主、ということで注目を集めたものの、プロ1年目のシーズンはラン682ヤード獲得と完全に期待を裏切った。それだけに、昨シーズンの大ブレークは、ベネットに期待を寄せていたチーム関係者にとっては嬉しい話題だったはずだ。今や、カルペッパーやモスと並ぶオフェンスの中軸選手となったベネット。その信頼感を証明するように、ヴァイキングスにはベネットの他には、NFLで活躍した経験のあるRBはまったく不在だ。そんな中で降って沸いたようなベネットの回復遅延のニュースが与える打撃ははかりしれない。
 ベネットが欠けた場合、代役を務めるのは4年目の若手、ダグ・チャップマンが有力と見られているが、過去3シーズンでわずか284ヤードしか走っておらず、先発RBとしての実力はまったく未知数だ。昨季ランで11TDをあげる活躍を見せたモー・ウィリアムズもいるが、彼は短い距離が欲しい場面のスペシャリスト。1試合通して常時出場した経験はない。となると、今ドラフト4巡指名の新人オンタリオ・スミスにかかる期待は大きくなる。過去2シーズン、オレゴン大学のエースRBとしてそれぞれ1000ヤードランを記録している。昨年は大学の先輩ジョーイ・ハリントン(現デトロイト・ライオンズQB)につづき、ニューヨーク・マンハッタンの中心街に巨大な広告塔が貼られたことでも知られるスミスだが、窮地のヴァイキングスの救世主となれるのか、注目が集まる。
[2003年7月10日]

残留を決めたベテランTEの決意
 
 過去2年連続でシーズン途中にケガで戦線離脱する不本意な結果に終わり、今オフシーズン中の放出が確実視されていたピッツバーグ・スティーラーズのTEマーク・ブルーナーが、どうやら残留の方向で落ち着きそうだ。
 スティーラーズは今オフシーズン、ブルーナーの負傷離脱で悩まされたTEのポジションで、バッファロー・ビルズからジェイ・リーマズマを総額390万ドル(約4億6800万円)の3年契約で獲得。リーグ屈指のパスレシーブTEとして定評あるリーマズマの加入は、攻撃の幅が広がるという意味で大きな戦力アップとなった。さらにチームはジェレミー・トゥーマン、マット・クッシングの両若手選手とも再契約を結び、ブルーナー抜きでポジションの陣容は固まっていた。
 当然のことながら、ブルーナーは今オフシーズン中に解雇されるものと見られていた。今季のブルーナーの年俸は205万ドル(約2億4600万円)と高額。サラリーキャップの制約があるため、今ドラフト上位で指名したSトロイ・ポーラマル(1巡)、LBアロンゾ・ジャクソンらと契約を結ぶためには、ブルーナーのサラリーを減らす必要もあった。
 そんな中、現地9日の水曜日に地元AMラジオ局に出演したブルーナーは、番組ホストのマーク・マッデンに、サラリーを減らされることには不満だが、少なくともあと1年はスティーラーズに留まってプレイするため、その条件を飲んで契約を結び直す決心をしたと語った。
 「スーパーボウルを狙える偉大なチームでプレイできること、そしてこれまで8年間一緒にやってきた連中とプレイできること」が残留を決めた理由と語るブルーナー。さらに妻との間に4人目の子供を授かったばかりで、子供たちの環境を考えて、居を移したくないことも理由にあげた。「ピッツバーグの街には、すばらしい点がいくつもある。私にとっても、他のどのチームでも手にできないような立場でプレイさせてもらえていると思う」と思い入れの強さを語る。
 スティーラーズ残留のため、ブルーナーの今季の年俸は75万ドル(約9000万円)と半分以下にまでカットされる。また、とりあえず残留を決めたとは言っても、今月25日に開幕するトレーニングキャンプでは、リーマズマやトゥーマンとの厳しいポジション争いが待っている。昨シーズン終盤を棒に振った膝のケガは完治し、春のミニキャンプにもフル参加してみせたブルーナーだが、もしプレイの面で彼らを上回ることができなければ、出場の機会は極端に減ることになるだろう。
 「体調が万全だったときのプレイを取り戻すこと、それが私の目標だ」とかたるブルーナー。1995年にドラフト1巡で入団し、スティーラーズ一筋に生きてきたプロ生活だった。今季開幕直後に31歳の誕生日を迎えるベテランTEは、スティーラーズをスーパーボウル優勝に導き、ピッツバーグの地で勝利の美酒を味わうことができるのか。正念場のシーズンが幕開けを告げる。

[2003年7月10日]


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