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| 新たなシーズンの出鼻をくじかれそうなブラウンズ |
ブッチ・デイヴィスをヘッドコーチに迎えて2年目の昨シーズン、1999年のチーム復活以来初めてのプレイオフ進出を果たし、96年のチームのボルティモア移転以来、つらい日々を送ってきたファンに久々に明るいニュースをもたらしたクリーヴランド・ブラウンズ。今季は宿敵ピッツバーグ・スティーラーズを打倒し、89年以来の地区優勝を狙うシーズンとなるはずだった。しかし、サラリーキャップの厳しい制約の中、ドゥウェイン・ラッド(タンパベイ・バッカニアーズに移籍)、アール・ホームズ(デトロイト・ライオンズに移籍)、ジャミア・ミラー(引退)と昨年の先発LB3人全員を含め、多くのスターターを失い、一点チームは再建ムードに包まれてしまった。
となれば、チームが期待を寄せるのは、4月のドラフトで指名した7人の新人選手たち。特に1巡指名のCジェフ・フェイン(ノートルダム大出身)は、過去4シーズン先発を務めたデイヴ・ウォーラボー(セントルイス・ラムズに移籍)移籍の穴を埋める存在として、プロ1年目からの即戦力の活躍が期待されていた。
ルーキーたちを1日も早く実戦に投入したいデイヴィスは、新人のトレーニングキャンプ合流を7月21日と、リーグでも4番目に早い日付に設定。新シーズンへの意気込みを見せていた。
ところが、である。合流日の21日になっても、ドラフト指名ルーキーたちは一人として姿を見せない。理由は単純で、どの選手もチームと契約を結べていないからだ。NFLの規定では、契約を済ませていない選手はキャンプに合流できない。未契約のうちは、「ホールドアウト」と呼ばれる、キャンプ欠席を強いられるのだ。
ルーキーたちのホールドアウトはその後もつづき、とうとう24日のベテラン選手合流日が来てしまった。続々とベテラン選手がクリーヴランド入りする中、いまだドラフト指名ルーキーたちは全員契約を結べていない状態だ。当初は心配するそぶりを見せなかったデイヴィスコーチも、この異常事態にはいら立ちを隠せない。「こんな状況は聞いたことがない。数人でも、契約してくれればと思っていたけど。何とかこの問題を解決したいね」。
そして、その怒りは契約に合意せずキャンプに姿を見せないルーキーたちに対して向けられた。「現状は、彼ら自身のためにも、クリーヴランド・ブラウンズのためにもならない。ベテランたちが合流してきている今、キャンプに来なければ、チームの一員にはなれないということを思い知るだろう」と語気を荒げる。
高額な契約金のともなうドラフト1巡指名選手は、契約がキャンプに間に合わず、やむなくホールドアウトに至るケースがしばしば見られる。ただ、リーグ規定の最低年俸にいくらばかりかの契約金をプラスした3年契約が常識と考えられているドラフト下位指名選手については、ホールドアウトは非常に稀である。
この状況は、一番チームに合流してもらいたい即戦力のフェインの契約交渉にも悪影響を与えている。「もしフェイン以外のルーキーが全員契約を済ませてしまっていたら、少しはあせりを感じたかもしれない。でも、誰一人として契約できていないんだから、問題はチーム側にあると思っている。彼らが解決しなければならない問題ということだ」と、フェインの代理人ベン・ドグラ氏は冷たく突き放す。
「最終的には、大半の選手が今の我々の提示額に近い条件で契約しなければならないのだから……」と、デイヴィスコーチの発言は哀願にすら聞こえてきた。このままではAFC北部地区タイトルの奪取はおろか、昨年並みの成績を残すことすら難しくなってきてしまう。 |