米国時間で6月1日を過ぎ、各球団はチーム構想に合わなくなったベテラン選手の放出を始めた。なかには数年前までチームの看板だった有力選手も含まれている。今後はこういった大物選手の移籍も注目を集めることになる。
通常、チームが選手を解雇した場合には契約時に支払った契約ボーナスを契約年数で割ったものに、残った契約年数を掛けた額がサラリーキャップに計上されてしまう(例えば5年契約のうち3年を残して解雇された場合は(契約ボーナス÷5年)×3年)。ただし6月1日を過ぎて解雇した場合には上記の額を今年と来年に2分割することができるため、ベテラン選手の放出は6月1日以降に集中する。
以下は現地時間6月3日に発表されたベテラン選手の解雇である。
●ファルコンズ
ファルコンズはかつてのエースRBジャモール・アンダーソン(29)とバックアップのロドニー・トーマス(29)を解雇した。
アンダーソンの解雇についてダン・リーヴスヘッドコーチは「ジャモールはファルコンズファミリーのなかでも重要な人材だったから、これは苦渋の決断だった。しかし、FAとドラフトで我々は将来のチームを担う選手を獲得することができた。チームの経済状況を考えると、難しい決断でも下さなければいけない」と述べている。
94年にドラフト7巡でファルコンズ入りしたアンダーソンは、98年に1,846ヤードを走って球団記録を樹立し、その年の410回のボールキャリーはNFL記録となった。チームをスーパーボウルに導く過程で披露したTD後の「ダーティバードダンス」で一躍人気を博した。しかし、99年には右膝の靭帯を断裂する重傷を負ってシーズンを棒に振り、昨年も左膝の靭帯を切って第4週以降を欠場した。ファルコンズはこのオフに前バッカニアーズのRBウォリック・ダンをFAで獲得したため、アンダーソンの去就が注目されていた。
トーマスはタイタンズでエディ・ジョージのバックアップを務めた後にファルコンズに移籍下。昨年は12試合に出場したが、37回のボールキャリーで126ヤードに終わっていた。7年間のキャリアで通算103試合に出場、1,973ヤードで12TDという成績を残している。
●ライオンズ
大方の予想通り、QBチャーリー・バッチ(27)とWRハーマン・ムーア(32)がチームから解雇された。バッチは過去4年間故障に苦しみながらもライオンズの先発QBを務めてきた。通算のパス成功率は56%で、9,016ヤードをパスで稼いだ。49個のTDパスに対し40回のインターセプトを喫している。契約を3年残しての解雇。
一方のムーアは契約を4年残しての放出となった。4回のプロボウル出場経験があり、ライオンズの歴代トップのパスキャッチ数を誇る。しかし、昨年は故障のためわずか4回のパスキャッチで76ヤードの獲得に終わっていた。
ライオンズの新QB候補は2年目のマイク・マクマーン、新人のジョーイ・ハリントン、タイ・デトマーの3人。レシーバーではジャーメイン・クローウェル、アズ=ザヒア・ハキーム、ビル・シュレーダーがいる。
● パッカーズ
パッカーズはかつてエースWRとして2度のスーパーボウル出場に大きな貢献のあったアントニオ・フリーマン(30)を正式に解雇した。これはチームとフリーマンの双方の話し合いの結果による合意の上での放出となる。パッカーズ側はフリーマンとの契約延長を望んでいたが、条件面で折り合いがつかず、袂を分かつ結果となった。95年にパントリターナーとしてドラフト指名を受けたフリーマンはWRとしてチームの歴史に名前を刻むことになった。通算417回のパスキャッチはチーム歴代5位で、57回のパスキャッチは3位にランクされる。さらに20回を数えた100ヤードレシーブの試合は歴代4位だった。パッカーズの81年の歴史の中で年間50回以上のパスキャッチを6年連続で達成したレシーバーはフリーマンとスターリング・シャープだけである。
●チーフス
チーフスは近年衰えを隠せなくなっていたベテランWRデッリク・アレギザンダー(30)を放出した。アレギザンダーは94年にブラウンズからドラフト2巡指名を受けてNFL入りした。98年にFAでチーフスに移籍し、ビッグプレーレシーバーとして活躍した。4年間在籍したチーフスでは先発56を含む60試合に出場し、213回のパスキャッチで3,685ヤード、19TDパスキャッチの成績を残した。
●ジャガーズ
NFLで最も台所事情の厳しいジャガーズはついに長年チームを支えてきたWRキーナン・マッカーデル(32)の解雇に踏み切った。マッカーデルは96年にFAでジャガーズ入りした。以来、ジミー・スミスとともにQBマーク・ブルネルのメインターゲットとして輝かしい功績を残した。2000年には94回のパスキャッチ、昨年も93キャッチをマークしており、年間で1,000ヤードキャッチを記録した年は6年間の在籍期間中に実に4回を数える。チーム史上初めてプロボウルに選ばれた選手でもある。
ジャガーズはまたLBハーディ・ニッカーソン(36)も解雇した。ニッカーソンは2000年にFAで移籍。昨年は自己再たの230タックルを記録して、ジャガーズの球団記録も更新した。
●スティーラーズ
スティーラーズは予想どおりLBマイク・ジョーンズ(33)を解雇した。ジョーンズはパスディフェンス強化のために昨年にラムズから移籍した。しかし、ケンドレル・ベルの急成長もあって予定されていた先発の座を獲得することができず、バックアップに甘んじていた。ジョーンズは第34回スーパーボウルの最後のプレーでタイタンズのWRケヴィン・ダイソンをゴール前1ヤードでタックルして止め、ラムズに劇的な勝利を呼びこんだ選手として知られる。
●ビルズ
4年連続でスーパーボウルに出場した頃のビルズを知る最後の戦士OTジョン・フィーナ(33)がついに10年間在籍したチームから解雇を通達された。フィーナはチームとの契約を5年残していたが、減俸の交渉をすでにチームと行っており、解雇は時間の問題とされていた。ビルズはサラリーキャップに余裕がなく、ドラフトで指名した新人との契約を済ますためにベテラン選手の放出が不可欠となっていた。フィーナは92年にドラフト1巡でビルズに入団し、先発131を含む148試合に出場した。93、94年にはスーパーボウルを経験しているが、これで現在のビルズには91−94年にかけて4年連続でAFCを制した頃のチームから残っているメンバーは一人もいなくなった。
● レッドスキンズ
レッドスキンズは3年間在籍してDEマルコ・コールマン(32)を解雇した。コールマンはレッドスキンズで44試合に出場し、182回のタックル、23サック、8回のファンブルフォースを記録した。 |